【ネタバレ注意】なぜ、君の名は。は大ヒットして高評価を得たのか?

君の名は チラシ

こんにちは、エンタメブリッジライターのとーじんです。

さて、今回は2016年に公開されるや否や爆発的なヒットをみせ、社会現象として一大ムーヴメントを巻き起こした映画『君の名は。』の人気に迫りたいと思います。

これだけ大流行した映画なので、恐らく若者の大半はこの映画を観たのではないかと思います。

そのため、この映画の優れた点は皆さんも既に知っているのではないでしょうか。

ただ、より根本的な問題として「どうしてこの映画がこれだけヒットしたのか」という点については、それほど詳しくはないかもしれません。

そこで、この記事では、まずあらすじを記して内容を整理したのち、その点を中心に解説や考察を行なっていきます。

それでは、本編に入りましょう!

1.君の名は。の作品紹介

公開日: 2016年8月26日 (日本)
監督:新海誠
脚本:新海誠
原作:新海誠
出演者:立花瀧(神木隆之介)、宮水三葉(上白石萌音)、宮水四葉(谷花音)、宮水一葉(市原悦子)、宮水俊樹(てらそままさき)
受賞歴:日本アカデミー賞 優秀アニメーション作品賞・優秀監督賞・最優秀脚本賞・最優秀音楽賞・話題賞(作品部門)の5部門で受賞。
第20回文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門大賞など、受賞歴他多数。

2.君の名は。のあらすじ

君の名は メインビジュアル
画像出典:http://www.kiminona.com/

それでは、君の名はのあらすじを見ていきましょう!

2-1.君の名は。のあらすじ(ネタバレなし)

ある日、東京で暮らす男女二人がマンションで目を覚ます。

二人は、思い出せない夢をみていて、ただ理由もわからず涙を流していた。

彼らの涙のわけは、学生時代に経験したある超常現象が原因であった。

東京の男子高生の瀧と、岐阜の女子高生の三葉という、接するはずのなかった二人は思わぬキッカケからお互いの人生を知ることになる。

そして、この不可思議な「出会い」は、彼らの人生を大きく動かしていくことに繋がる。

非日常と日常が交差する物語で、彼らはいったい何を経験したのだろうか。

2-2.君の名は。のあらすじ(ネタバレあり)

東京で暮らす二人の男女は、いつも思い出せない夢をみていた。

そして、理由は分からないが必ず涙を流していた。

その秘密をめぐって、彼らの高校時代へと物語は回想していく。

当時東京の四ツ谷暮らしていた高校生の立花瀧は、ある日目を覚ますと見知らぬ光景に囲まれていた。

訳も分からずただ驚いていたが、冷静になるとようやく状況が整理されてきた。

瀧は、岐阜の糸守町に住む女子高生の宮水三葉になってしまったのである。

その一方、当の三葉も見知らぬ光景に驚きを隠せない。

「ええええっ!」と絶叫し、自分の身体を他人のように眺める二人。

そう、なんと滝と三葉はお互いに入れ替わってしまっていたのである。

君の名は 瀧 三葉 入れ替わり
画像出典:https://realsound.jp/movie/2016/09/post-2854.html

突然の入れ替わりに当然ながら驚き、困惑する両者であったが、嫌が応にも時間は何の変化もなく進んでいく。

彼らの外見には変化がないため、周囲の人々も普段と変わらぬ態度で接してきた。

そこで、やむなく入れ替わったままお互いの日常を過ごしていくことになった。

しかし、一晩経つとまたお互いに元の体へと戻っていた。

二人は入れ替わった際の記憶をほとんど失っており、またお互いの日常へと戻っていったのだが、入れ替わりは一度きりではなかった。

週に何度も入れ替わりが起こるようになり、お互いの周囲からは身に覚えのない言動や行動について言及されることも少なくなかった。

それは、不慣れな環境で過ごしている「誰か」がいることを意味しており、お互いに入れ替わりの事実を認識する。

矛盾をなくすよう記録をつけ、不慣れながらも新鮮な環境で過ごすことを楽しんでいた二人。

ところが、瀧はある時期を境に入れ替わりが全く起こらなくなり、急に音沙汰がなくなった三葉のことを心配するようになった。

これを不審に思った瀧は、入れ替わっていた際のわずかな記憶や記録を頼りに、友人の藤井司とバイト先の先輩奥寺ミキを連れて糸守町を目指した。

情報が少なく、なかなか糸守町を見つけられなかった彼等だったが、ようやく町に関する情報を掴む。

しかし、それはあまりにも衝撃的な内容であった。

なんと、糸守町は約3年前にティアマト彗星の破片が隕石として直撃したことで消滅しており、三葉と家族を含めた500名以上の住民がなくなっていたことを知る。

君の名は 彗星 落下
画像出典:https://love-wave.com/kiminona/

あまりの出来事に言葉を失う瀧であったが、記憶を頼りに宮水神社の御神体と対面したことで、入れ替わりは妄想ではなく3年のギャップがある真実であることを確信した。

瀧はもう一度入れ替わりが起こることを願い、3年前に三葉が残した口噛み酒を飲んだ。

次に目を覚ましたとき、瀧は隕石落下当日の三葉として覚醒した。

後に起こることを知っていた彼は、三葉の友人らとともに来たる大災害を回避するべく、電波をジャックし街中に避難を呼びかける計画を画策した。

しかし、三葉の父に妄言として一蹴されてしまい、避難計画は順調に進まなかった。

これに焦った瀧は、本来の三葉ならば彼女の父を説得できるのではないかと思い、山中にいると思われる瀧の姿をした三葉を探す。

この時に、当時中学生だった瀧に話しかけてきた女子高生のことを思い出し、そしてそれが三葉だったことに気づき号泣した。

こうして三葉の想いを実感して山頂にたどり着いた瀧は、三葉らしき声を耳にする。

「瀧くん、あの…私。覚えてない?」

しかし、二人の生きた時間にはギャップがあり、姿を確認することはできなかった。

こうして彼らはお互いに諦めかけていたが、黄昏が訪れた際奇跡的に入れ替わりが元に戻り、互いの姿を見た状態で会話することに成功した。

名前を忘れないよう、「三葉、三葉、三葉」と何度もつぶやく瀧。

互いの名前を忘れないよう瀧は三葉の手に名前を記したが、三葉が瀧に同じことをしようとした瞬間に黄昏が終わってしまい、それぞれの時間へと戻ることを余儀なくされた。

三葉は瀧の思いを引き継ぎ避難計画を実行に移したが、町役場に阻止されてしまい事がうまく運ばない。

父を説得すべく町役場へと駆ける三葉であったが、坂につまづき転倒したことがキッカケで絶望的な気持ちに襲われていた。

その時、ふと手のひらに記されていた名前のことを思い出し、手のひらを眺めた三葉。

しかし、そこに書かれていたのは、名前ではなく瀧から三葉への「想い」であった。

君の名は 三葉 手のひら 文字
画像出典:http://blog.esuteru.com/archives/20023893.html

このメッセージに突き動かされるように、ふたたび走り始めた三葉。その直後、彗星が地球に落下した。

その後、月日は流れて5年後に舞台が移る。

瀧は、糸守町では彗星落下の当日に偶然にも避難訓練が行われており、奇跡的に死者が出なかったという事実を知った。

三葉も瀧も、東京でごくありふれた日常を過ごしていたが、すっかり入れ替わりのことを忘れてしまっていた。

しかし、

「ずっと何かを、誰かを、探しているような気がする」

と語り、何か煮え切らない感覚を抱いていた。

つまり、「誰か」を探している、という漠然とした気持ちだけは残っていたのである。

そしてさらに月日が流れたある日、二人は並走する電車でお互いを見つけたことで電車を降り、相手の下車駅に向かって駆けだした。

ようやく神社で再会した彼らは、涙を流してお互いに名前を尋ねるのだった。

「君の名は?」

と。

3.君の名は。の大ヒットと高評価の理由!

君の名はのメインビジュアル
画像出典:http://www.kiminona.com/

ここからは、君の名はの大ヒットと高評価の理由を考えていきます。

一見すると単純な恋愛ものの映画に見えてしまいがちですが、今作にはさまざまな仕掛けや工夫がなされています。

3-1.ほどほどにSF・ほどほどに恋愛、という物語の絶妙なバランス感覚

まず、この映画の脚本で特に注目するべき点は、「ほどほどにSF・ほどほどに恋愛」というように、物語のバランス感覚が素晴らしいという点が挙げられます。

これはどういうことかというと、映画として特定のジャンルの要素だけを強く押し出すのではなく、複数のジャンルを内包しながら「詰め込みすぎ」という印象がないということです。

例えば、SFとしての世界観・設定を突き詰めた名作映画はそれなりに数があります。

しかし、そうした作品はSFとしての厳密さや複雑さといったSF作品の弱点も内包しているため、やや上級者向けの映画になってしまうきらいがあります。

そのため、名作として後世に語り継がれることは多いものの、公開中にはそれほど大ヒットしないことも少なくありません。

また、恋愛映画としての人間関係・心理描写を突き詰めた名作映画も、同様にそれなりの数があります。

しかし、やはりそうした作品も恋愛面をリアルに描写する必要があるため、恋愛といっても三角関係や人間関係のトラブルがつきものであり、話の展開として重めになってしまう傾向があります。

恋愛映画に関してもヒットするものはありますが、万人受けを考えるとなかなかに難しいものがあるといえます。

一方、今作は確かにSFの要素があり、さらにそれも難しすぎず簡単すぎず映るように調整がされており、恋愛要素も重すぎず軽すぎないという絶妙な調整がなされています。

君の名は 三葉 入れ替わり
画像出典:https://ciatr.jp/topics/253943

これは、SFファンが観てもある程度満足できて、恋愛映画ファンが観てもある程度満足できることを意味します。

このように、今作は「万人にとって80点の映画」を目指して作られているようなところがあり、老若男女誰しもに受け入れられたのではないかと考えることができます。

3-2.何度もリピートしたくなる伏線や謎の数々と「大衆映画」の親和性

今作は、先ほども述べたようにSFの要素があり、加えてミステリーの要素もあります。

そして、それらは難しすぎず易しすぎないバランスになっているということにも言及しました。

これはつまり、そういったジャンルの入門として、あまり詳しくない人からそれなりに詳しい人まで伏線や謎の考察で盛り上がることができるということです。

これらの要素は、正直に言って今までに公開された映画では類を見ない斬新な設定・トリックが採用されているかといえば、そうではありません。

確かに使い古されたとまではいかない設定が多いですが、一方で映画や小説を熱心に読む層であればどこか既視感があっても不思議ではありません。

しかし、肝心なのはそうした層には恋愛面や映像・音楽面を楽しんでもらうようになっていることで、SFやミステリーの要素で惹きつけたい対象はむしろ「それらにあまり詳しくない層」といえます。

今作はアニメ映画で、監督の新海誠はアニメファン・一般層のどちらにも名が知れている人物です。

さらに、著名俳優やradwinpsの起用などにもみられるように「ライトな映画好き」を呼び込むための工夫がなされています。

そのため、あまり映画に親しみがないファンにとっては、今作で登場する伏線や謎は「未知の」世界なのです。

君の名は 黄昏 瀧 三葉
画像出典:https://dougamill.com/column/your-name-comet/

これに衝撃を受けたファンは、その謎や伏線回収の手際に感嘆し、考察の意味も含めてリピートを繰り返したと考えることができます。

もちろん、マニアでも一定の満足感が得られるということは、ライトなファンにとって些細な矛盾はないのと変わりません。

突き詰めていくと脚本に穴や矛盾がないとはいえませんが、該当ジャンルに詳しくなければ全く問題はありませんし、脚本以外の部分にも魅力が詰まっている映画なのでさまざまな楽しみ方ができます。

3-3.誰しも共感・感情移入できるが、「壁にぶつかっている人」に観てほしい映画

今作は、非常に多くの人たちが共感・感情移入できる要素が満載にそろっているのも、ヒットの要因といえるでしょう。

W主人公は男と女、活発とおしとやか、都会暮らしと田舎暮らしなど、さまざまな点で対比の構造が採用されています。

このため、たいていの視聴者はどちらかの主人公の立場に感情移入することができるようになっているのです。

男ならば瀧が三葉と入れ替わってしまったときの困惑やちょっとしたスケベ心に共感できるでしょうし、田舎育ちなら三葉の東京を味わった際の感動に共感できるかもしれません。

このようにW主人公が対比構造になっていることで、万人が何かしらの点で共感する要素が準備されているといえそうです。

さらに、加えて言えば「人生で壁にぶつかってしまっている人」にこそ、今作を観てほしいです。

今作は単なる恋愛映画ではなく、中高生という子どもの成長物語という側面もあります。

瀧は三葉との出会いを通じ、自分の想いを人に伝えるためにさまざまな困難を乗り越えて成長していきます。

三葉も瀧との出会いを通じ、父親に堂々と意見するなど、心を強くもてるように成長していきます。

君の名は 三葉 父 説得
画像出典:https://www.odaiji.com/blog/?p=16207

このような成長を通じて、我々は自分自身も成長しなければならないということを学ぶことができます。

彼らは「3年間のズレ」というとても困難な状況を前にしても、諦めずに再び出会うことを願って行動を続けました。

まだ少年と少女でしかない彼らには出来ないことも多かったですが、それでも必死に知恵を絞っていました。

我々も、そんな彼らのように行動しなければならないですし、何より行動することができるのではないでしょうか。

ぜひ、今作を視聴し彼らの「勇気」に触れて、自分自身の困難な壁を乗り越える力を発揮するための助けとしてほしいところです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です