アメリカ史上最強で最凶な副大統領って誰!?映画バイス【ネタバレあらすじ】

バイス!チラシ

こんにちは!

エンタメブリッジライターのchieです。

今回は、今年の4月5日に公開になったばかりの最新映画、「バイス!」をご紹介します!

平日の昼間のガラガラな映画館で映画を見ることが多いのですが、今回は昼間11時にも関わらず、満席御礼!

注目の高さがうかがえます。

本作は第43代アメリカ大統領、ジョージ・W・ブッシュのもとで副大統領を務めた、ディック・チェイニーを描いた映画です。

ただの政治モノではなく、監督がアメリカ政治に対する批判をテンコ盛りにした、強烈な風刺映画です。

ジョージ・W・ブッシュは2001年から2009年まで大統領を務めました。

その間、9.11の同時多発テロや、イラク戦争など、歴史的な事件がたくさんありました。

特にアルカイダやイスラム国といったテロへの恐怖は、私たちにとっても身近なものです。

アメリカのテロとの戦いに、チェイニーが大きく関わっていたことをご存知でしょうか?

チェイニーは、それまでお飾り的存在だった副大統領に大きな権限を持たせました。

テロとの戦いやイラク戦争で、「影の大統領」と言われるほど実権を握り、主導したのです。

その強引なやり方と、もたらされた悲しすぎる結果に、見終わった後はなんともやるせない気分になってしまいました・・・。

「米史上最強で最凶な副大統領」と言われたチェイニーの生涯をじっくりご紹介します!

本作は、アカデミー賞でメイクアップ&スタイリング賞を受賞したことでも話題に。

それもそのはず、主役のチェイニーを演じたクリスチャン・ベールは、メイクアップを駆使し、20代から70代まで一人で演じたのです!

ブッシュ大統領やパウエル国務長官など、ニュースでおなじみの面々も、いちいちソックリで脱帽です。

それではさっそくご紹介していきたいと思います。

1.バイス!の作品紹介

公開日: 2019年4月5日 (日本)
監督: アダム・マッケイ
製作:ブラッド・ピット、デデ・ガードナー、ジェレミー・クレイマー、ウィル・フェレル
出演者:クリスチャン・ベール、エイミー・アダムス、スティーブ・カレル、サム・ロックウェル、タイラー・ペリー
受賞歴:第91回アカデミー賞で作品賞ほか8部門にノミネート、メイクアップ&スタイリング賞を受賞。

2.バイス!のあらすじ紹介

出典:https://eiga.com/

本作は実話にもとづいた映画なので、歴史の史実にそってストーリーが進んでいきます。

しかし、日本ではあまり報道されなかった内容も多く、とてもドラマティックな内容になっています。

政治に興味がない人にも、大いに楽しめる内容となっています!

それではさっそくあらすじをご紹介していきたいと思います。

バイス!のあらすじ(ネタバレなし)

本作は、あの9.11のテロのシーンから始まります

ニューヨークのワールド・トレード・センターに飛行機が突っ込み、混乱を極めるホワイトハウス。

大統領のブッシュは飛行機に乗っていたため、雲の上。

地上で冷静に采配を振るっていたのは、副大統領のチェイニーでした。

危険と思われる飛行機は、すべて撃墜してよい。

そんな過激な判断を平気でしてしまいます。

もはや大統領は蚊帳の外、副大統領が実権を握る様子が描写されます。

ここから、場面はチェイニーの大学生時代にさかのぼります。

チェイニーは、ワイオミングの田舎で暮らす大学生。

のちにホワイトハウスで強権を握る人物になるとは思えないほどの、ダメ男ぶり

成績はマイナスC(相当悪いですね)、アルコール依存で大学はさぼりまくり。

私は、アメリカで政治家として上り詰めるような人は、幼いころから帝王学を仕込まれ、品行方正に育つというイメージがありました。

でも実際はまったくそんなことはなかったようです。

一方、チェイニーの彼女、リンはオールAの優秀な大学生

とってもしっかりした性格の美人さんです。

あまりにふがいないチェイニーを、

ちゃんととしないなら別れる!

と叱り飛ばし、チェイニーはやっと真面目に頑張る気になります。

大学を卒業したチェイニーは、政治の世界に足を踏み入れます。


出典:https://eiga.com/

ワシントンの議会のインターンに参加し、下院議員のドナルド・ラムズフェルドと出会い、助手になります

「ラムズフェルド」という名前は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

ラムズフェルドは、ジョージ・W・ブッシュ大統領のもとで国防長官を務めていました。

アメリカのアフガニスタン侵攻やイラク戦争で、国防長官として指導的役割を果たしていたため、日本のニュースでも多く取り上げられました。

ラムズフェルドは型破りな政治家で、政治の酸いも甘いもチェイニーに叩き込みます。


出典:https://eiga.com/

イラク戦争では、チェイニーとならび強硬派ツートップだったわけですが、二人の絆は早い時期に結ばれていたのでした。

そうして、ここからチェイニーの華麗なる政治家としての躍進が始まったのです・・・。

バイス!のあらすじ(ネタバレあり)

チェイニーは政治の手腕を発揮し、バリバリとキャリアアップ。

なんと若干34歳にして、フォード政権の大統領主席補佐官になってしまいます!

大統領首席補佐官のお仕事は、大統領の職務を補佐すること。

ホワイトハウスの職員のトッです!

必要な時にはいつでも大統領に会うことができます。

ちなみに現在のトランプ政権では、ミック・マルバニーという、51歳のおじさんが大統領首席補佐官代行を務めています。

昨年末までは、国土安全保障長官から起用されたケリー(68歳)が務めていました。

そんなおじさんポジションに若くして抜擢されたチェイニーでしたが、フォード政権終了に伴い失職します。

しかしここであきらめないのがチェイニー。

地元ワイオミングから下院選へ出馬し、ふたたび政治家のキャリアをコツコツと積んでいきます。

そんな中、チェイニーの次女、メアリーからまさかのカミングアウト。

メアリーは同性愛者だったのです。

これは共和党のチェイニーにとっては大きな問題。

なぜなら当時の共和党はキリスト凶原理主義など宗教右派を支持に取り込もうとしていました。

同性愛反対のスタンスを貫いており、チェイニーが共和党の政治家として活躍すれば、敵対する党からメアリーを槍玉に挙げられてしまいます。

そんなんほっといたれよ、と思いますが、アメリカのネガティブキャンペーンはえげつないですからね・・・。

チェイニーは娘を守ることを優先し、政治の世界を退きます。

地元に戻り、家族で幸せに暮らしました、めでたしめでたし・・・。

そしてエンド・クレジットが流れます。

映画館では終わったと思ってモソモソ帰り準備を始める人もチラホラ。

あれ?終わり?まだ1時間くらいしかたってないけど・・・。

そう、このエンドロールは演出!

こんなハッピーエンドもあり得たけど、実際にはこれからこんな悲劇が起っちゃったよ!

という監督の風刺が冴える演出です。

そう、ここからチェイニー復活劇&アメリカの悲劇が始まるのです!

地元で悠々自適に暮らすチェイニーにかかってきた一本の電話。

それはジョージ・W・ブッシュからでした。

大統領選への出馬を進めていたブッシュは、世間から経験不足と批判されていました。

そこで経験豊富なチェイニーに白羽の矢を立てたのです。

ブッシュは対抗馬のゴアに僅差で勝利、見事チェイニーは副大統領となります

ブッシュはマヌケと見抜いたチェイニーは、ブッシュをうまくコントロールし、自分の思うようにアメリカの政策を進めていきます。

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チェイニーの主導したイラク戦争は、多大な犠牲者を生みました

犠牲ばかりで無駄な戦争だったのではないかとチェイニーは批判されます。

しかしチェイニーは悪びれることなく、

私を選んだのは、あなたたち国民だ

とインタビューで堂々と答えるのでした。

3.バイス!の見どころ


出典:https://eiga.com/

続いて、バイス!の見どころをご紹介したいと思います。

イラク戦争や、グアンタナモ米軍基地。

一度はニュースで聞いたことがあるのではないでしょうか。

イラク戦争や、グアンタナモ米軍基地で、いかに恐ろしいことが起こっていたか、本作では容赦なく描かれます。

それを知ることができたということだけでも、私はこの映画を観てよかったと思いました。

そんな見どころを詳しくご紹介します。

拷問を正当化!?

副大統領というポジションは、お飾りでつまらないと見られていました。

しかしチェイニーは、副大統領の職務を強化し、自分が実権を握ろうとします

ブッシュが経験不足なのにつけこんで、従来は大統領が担っていたような重要な仕事を自分のものにします。

映画の中で繰り返し登場するキーワードが、

  • 行政権一元化理論

これは、一言でいえば、アメリカ大統領最強!!ということです。

アメリカは三権分立です。

立法・行政・司法がそれぞれ独立してお互いを牽制し、暴走を防いでいます。

しかし、行政権一元化理論とは、大統領のすることなら何でも合法、というオソロシイ考え方。

9.11のテロはアメリカ国民に恐怖を植え付けました。

アメリカ国民の安全を脅かす悪と戦うためなら、少々強引なことだって必要だよね!

だから手っ取り早く、大統領にスーパーストロングな権限を持たせてよ!というわけです。

テロリストに法的保護は必要ないとして、盗聴や拷問をやりたい放題。

極めつけが、日本でも大きく報道されたグアンタナモでの拷問です。

グアンタナモという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?

キューバの南東部のグアンタナモ湾に、グアンタナモ米軍基地はあります。

ここで、アフガニスタン紛争やイラク戦争で逮捕されたテロリストたちに、水責めや犬責めなど、ショッキングな拷問が行われました。

法律が拡大解釈され、非人道的な行いが正当化されてしまうのは、背筋が凍るような恐ろしさです。

イラク戦争は必要だったのか?

大統領府の強権が悪い形で出てしまい、監督もおそらく本作で特に強調したかったのが、

  • 果たしてイラク戦争は必要だったのか?

ということだと思います。

イラク戦争では、サダム・フセインが、核兵器やバイオテロなど、大量破壊兵器でアメリカに攻撃するかもしれない!と、アメリカがイラクを攻撃したものです。

何の罪もないイラクの民間人や、アメリカの未来ある若い兵士たちがたくさん殺されました

生き残った兵士たちも、心の病に苦しみました。

いざ戦争が終わってみれば、サダム・フセインが大量破壊兵器を持っていたという証拠はなく、アメリカの「表向き」の戦争理由にはハテナマークがついてしまいました。

アメリカがイラク戦争をしたかった「本当の理由」は何だったのか?

これが、本作では強く糾弾されます。

まず、チェイニーは、政治の一線から離れている間、ハリバートン社という世界最大の石油掘削機販売会社のCEOを5年間勤めました。

退職時には巨額の退職金をもらっていましたし、この会社の最大の個人株主でもあります。

ブッシュ一家も、石油会社のオーナーファミリーです。

イラクといえば、世界最大の石油埋蔵量を誇ります。

しかもその石油はとても良質だそう。

石油を手に入れることによる巨額の富が狙いだったのでは、と監督は強いメッセージを送ります。

ソックリなキャスト達!

映画に登場する、歴史的な政治家たち。

どの人も、見事にソックリです!

チェイニーを演じたのは、クリスチャン・ベール

2004年の映画「マシニスト」で1年間寝ていない男を演じました。

その時の今にも折れそうなガリガリな男性とは、似ても似つかぬほど、本作ではでっぷりと太っています。

ベールは、役作りのためパイを食べて20キロも増量したそう。

ただ太っただけでなく、顔や振舞いもチェイニー本人にそっくりです。

アカデミー賞でメイクアップ&スタイリスト賞を受賞したのも納得です。

さらに、ジョージ・W・ブッシュを演じたサム・ロックウェルもそっくり!

こんなそっくりな人、オーディションでよく見つけたな~なんて思っていました。

しかしサム・ロックウェルはベテラン俳優で「グリーン・マイル」や「チャーリーズエンジェル」など有名な映画に数々出演しています。

実は私は数日前に「スリー・ビルボード」という映画を見たばかりで、サム・ロックウェルはメインキャストでした。

しかし、同一人物とは気づきませんでした。

あまりにも本作ではジョージ・W・ブッシュっぽくて。

そんなに厚塗りメイクしているようにも見えなくて、自然なんですよね。

もちろん俳優さんの演技力もありますが、ハリウッドの最新メイク技術には脱帽です。

コリン・パウエル国務長官や、ライス国務長官など、ニュースでおなじみだった面々のソックリぶりにも注目です!

4.バイス!はこんな人におすすめ


出典:https://eiga.com/

映画館では、平日昼間とあって、シニアのお客様で満員でした。

しかし、ただの歴史モノではなく、スピード感あるドラマ仕立てになっていますので、誰もが楽しめる映画です。

特にオススメしたい人はこんな人です。

政治に疑問がある人

本作では、アメリカ政治の「表」と「裏」が痛烈な風刺をもって描写されました。

これはどの国の政治にとっても言えることかと思います。

国の政策って、本当に必要?

表向きの理由ってホント?

ホントは何か裏があるんじゃないの?

たとえば、消費税増税は何のため

幼保無償化って本当に必要?

政治というと遠い世界のようですが、自分たちの生活に大きな影響を与えるような決定がなされる場です。

少しでも政治を自分ゴトとして考えてみたい、今の政治に疑問がある、という方にはぜひオススメしたいです。

なぜトランプが大統領なのか、不思議な人

当然当選するだろうと見られていたヒラリー・クリントン氏を破り、アメリカ大統領となったトランプ氏。

私自身もヒラリー当確と思っていましたし、本当にびっくりしました

トランプ氏は発言も過激ですし、なんで大統領になれたのか、不思議に思う方も多いのではないでしょうか。

本作のメインキャラクター、ジョージ・W・ブッシュも、チェイニーも、似たようなもの

ブッシュは飲んだくれのダメ息子、チェイニーもアルコール依存の大学生でした。


出典:https://eiga.com/

どのようにして彼らがこれほどまで強力な権力を持つようになったのか、本作では描かれます。

人格的に優れていなくても、飲んだくれでも、政治のトップに立ててしまうのです。

本作を観ると、トランプ氏が大統領なのが逆にしっくりきてしまうかもしれません。

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