「テルマエ・ロマエ」日本中の濃い顔俳優をキャストにした、大真面目爆笑コメディ映画のあらすじと見どころ

こんにちは。エンタメブリッジライターの海山ヒロです。

いくつもの漫画賞を受賞し、古代ローマをお茶の間に登場させ見事なじませたヤマザキマリさんの「テルマエ・ロマエ」

今回は、そのマンガを阿部寛主演で実写映画化した、「テルマエ・ロマエ」をご紹介したいと思います。

それでは、早速始めていきましょう。

1.映画「テルマエ・ロマエ」の作品紹介

公開日:2012年4月28日
監督:武内英樹
原作者:ヤマザキマリ
原作:テルマエ・ロマエ
脚本:武藤将吾
出演者:阿部寛、上戸彩、北村一輝、宍戸開、山越修造、竹内力、市村正親
受賞歴:第36回日本アカデミー賞・最優秀主演男優賞を受賞。

2.映画「テルマエ・ロマエ」のあらすじ


画像出典:https://eiga.com/movie/56149/gallery/

それでは、笑いわらって、ちょっと泣かされる映画「テルマエ・ロマエ」のあらすじをご紹介しましょう。

あらすじにはネタバレなしネタバレありがあります。お好きなほうをどうぞ。

映画「テルマエ・ロマエ」のあらすじ(ネタバレなし)

現代からおよそ2,000年の昔。古代ローマ帝国の版図が最大だった頃。

浴場設計師ルシウスは偶然、現代日本にタイムスリップしてしまった。タイムスリップする先はなぜか常に、風呂の周辺。

生真面目な反面融通の利かない性格で、古き良きローマの伝統を尊重するあまり仕事を首になったルシウス。

自分がタイムスリップしていることなどは想像もつかなかったが、しかし現代日本の便利でどこまでも快適な風呂文化には衝撃を覚えた。

現代日本と古代ローマを何度か行き来するうち、日本で見知った風呂文化を使った浴場を作り、一躍時の人となったルシウス。

その噂は時の皇帝ハドリアヌスの元にも届き、皇帝個人の浴場設計を依頼されるまでになった。

襲い来るプレッシャーにつぶれそうになりつつも、皇帝が満足する浴場を完成させたルシウス。

お褒めの言葉を受けほっとしたのもつかの間、彼にはさらなる難問が待ち受けていて―――。

映画「テルマエ・ロマエ」のあらすじ(ネタバレあり)


画像出典:https://eiga.com/movie/56149/gallery/

皇帝ハドリアヌスのもと、空前の繁栄を謳歌する古代ローマ帝国。

その市民にして浴場設計技師のルシウス・モデストゥスは、融通の利かない性格のせいで、仕事を首になる。

元気づけようとしてくれる友人につれられ訪れた公衆浴場でも仕事のことを考えているうち、何故か現代日本の銭湯にタイムスリップしてしまった。

外見も体つきも言葉も全く異なる銭湯の客たちを見て、奴隷達の浴場に入り込んだと勘違いするルシウス。

しかしそこには、彼がそれまで見たことも聞いたこともない浴場文化が花開いていた。

奴隷達(とルシウスが勘違いしている)の高度な設備と道具に驚愕し、警戒し、時に落ち込みながらもつぶさに観察・考察するルシウス。

古代ローマにもどった後は、現代日本で見聞きした道具や設備を再現し、あっという間に売れっ子技師となった。

その評判は皇帝ハドリアヌスの耳にも届き、ハドリアヌスが後継者と目算するケイオニウスの為に浴場建設を命ぜられまでになる。

しかし直接目通りがかなったケイオニウスの言動は、生真面目なルシウスには不快なもので。

不敬と思いつつも、彼が次の皇帝にふさわしいとは思えず、民衆の人気取り政策のための浴場建設にためらいを覚えていた。

そんな折、再びタイムスリップした日本で、いつか出会った日本人女性の山越真実とルシウスは再会する。

しかも彼女はかつて偶然出会ったルシウスに興味を覚え、ラテン語と古代ローマ史を猛勉強して会話できるまでになっていた。

意思疎通がはかれたことで、急速に強くなるルシウスと真美の絆。その絆ゆえか、はたまた偶然か。古代ローマに戻るルシウスに真美も巻き込まれてタイムスリップしてしまった。

帰還してハドリアヌスに目通りを願い許されたルシウスは、ケイオニウスのための浴場建設の命を断る。

それまでの功績から処罰は免れたものの、

二度と再び我がもとに現れるな。

敬愛するハドリアヌスにそう拒絶されたルシウスは、落ち込む。

しかし落ち込んでいる暇などなかった。彼の拒否のとばっちりを受け、友人でもあるもう一人の皇帝後継者アントニヌスが左遷されそうになっているのだ。

さらには古代ローマ史を学んだ真実により、

このままだと歴史が変わっちゃう。ハドリアヌスの神格化も実現しなくなっちゃう!

という、衝撃の事実がもたらされる。

例え御前に二度と侍れなくとも、敬愛する皇帝のため。なにより愛するローマのために。ルシウスは、ローマ軍が苦戦する反乱の地に赴く。

そこで治癒効果のある浴場を作り、ローマ軍兵士の傷の治療と疲労回復を行う。そしてその手柄をアントニヌスに譲ることで、彼の左遷を阻止しようというのだ。

現地の兵士たちに邪険にされながらも、源泉を求めて孤軍奮闘するルシウス。そんな彼のもとに、偶然タイムスリップしてしまった真美の父親とその温泉仲間たちが現れる。

彼らとルシウスは以前タイムスリップした際に出会い、湯楽を共にした仲。なにより真美の父親は、傾きつつあるとは言え、古くからの温泉宿の主人である。

強力な助っ人を得たルシウスは、戦場にいくつものオンドル小屋を建て、疲れ切ったローマ軍を癒し、勝利に貢献することができた。

おかげでアントニヌスの左遷は取り消し。ルシウスの名誉も回復され、真実たちは無事、現代日本に帰還していった―――。

3.映画「テルマエ・ロマエ」の見どころ


画像出典:https://eiga.com/movie/56149/gallery/

それでは次に、あらすじではご紹介しきれなかった映画「テルマエ・ロマエ」の見どころをご紹介しましょう。

見どころその①爆笑しながら学ぶ、古代ローマ史

いきなりですが、ここで質問です。

これを読む皆さんの多くは、かつて中学や高校で「世界史」を勉強し、その中にはこの映画の舞台である古代ローマ史もあったかと思います。

で。成績はどうした? 授業は楽しかったですか?

今でこそ古代ローマ史にどっぷりハマり、この映画の原作である「テルマエ・ロマエ」を愛読。

それだけでなく、古代ローマ帝国の通史としては出色の出来である塩野七生氏の「ローマ人の物語」までを愛読している筆者ですが。

実は、世界史は好きではありませんでした。

だってねぇ。同時代に何人も出てくるマルクス、アントニウス。ちょっと変わったと思えば、アントニヌスにアウレリウス。

彼らが○○年にどーしたこーしたと書かれても、興味なぞ持てるはずもなく。

何より現代日本に暮らす中学・高校生には古代ローマは遠すぎて。赤点こそ取りませんでしたが、世界史は授業はもっぱらお休みタイムとなっていました。

しかしこの映画「テルマエ・ロマエ」を観れば、興味も関心もない方でも古代ローマ史を学べます。しかも、時に爆笑しながら。

まず、日本人と古代ローマ人には共通点がたくさんあることが分かります。

もちろん個人差はありますが、シャワーを浴びる程度では風呂に入ったとは言わず、たっぷりとしたお湯に全身を浸して初めて風呂に入ったというくらい風呂好きの我ら日本人。

それと同じくらいの風呂好き・温泉好き民族だったのが、古代ローマ人です。

その愛泉ぶりは現代欧州の名だたる温泉地がローマ時代発祥であることからも分かります。

英国のバース、ドイツのバーデン・バーデン、トルコのカッパドキア等々。これらはかつて古代ローマ帝国の軍団基地、もしくは公衆浴場でした。

なんとローマ人は、たった一日しか滞在しない軍団中継地でも風呂を必ず設営したと言いますから、その好き度合いはもしかすると日本人よりも強いかもしれません。

この映画のタイトル「テルマエ・ロマエ」はラテン語で、直訳すればローマの浴場です。

つまりは、2,000年昔の古代ローマ人が愛してやまない風呂を通して、同じく風呂を愛する日本人との共通点と、文化や時代の違いからくる違和感・驚き。

それを、肩ひじ張らずにどころか楽しんで学ばせてくれるこの映画を一言で端的に表せる、ぴったりのタイトルなのです。

もしこの映画のように古代ローマ人が現代日本のお風呂にタイムスリップしてきたら、シャンプーハットやケロちゃんの洗面器に驚愕し、温泉卵やフルーツ牛乳に陶然とし、トイレのウォシュレットに愕然としつつもハマることでしょう。

その逆もまた、あり。現代日本人が古代ローマにタイムスリップしたら、少なくともお風呂文化には納得、満足するのではないでしょうか。

あぁそれから、現代日本ほどではありませんが、古代ローマのグルメも中々のものですよ。

だからこそ古代ローマ人のルシウスが、驚愕しながらも現代日本の浴場文化に挑戦し、ある程度理解して活用できたわけです。

どうです。これだけで観たくなってきませんか?

見どころその②日本には、こんなに濃い顔の俳優達がいた!


画像出典:https://eiga.com/movie/56149/gallery/

この映画の舞台は古代ローマ帝国。つまりは現代の欧州の地なわけですが、映画の主要出演者はすべて日本人です。

主役のルシウスを務めるのは、阿部寛。彼が敬愛する皇帝・ハドリアヌスには市村正親。

時期皇帝候補のケイオニウスは北村一輝ですし、ルシウスのとばっちりで左遷されそうになるアントニヌスには宍戸開です。

どう~です、この濃い顔俳優の揃い踏み。

もちろん異国の人間を演じるわけですから、鬘をかぶり、眉を濃くしてドーランやハイライトやチークでよりらしくしておられますが……。

元からの顔が、濃い! クドイ! なんかあつい!  彼らが一堂に会した時の場面の圧たるやもう……ねぇ?

この映画はあくまでコメディではありますが、途中にはシリアスな場面もあります。

つまりはそんな濃い俳優人が眉間にしわを寄せ、目を剥き、ぐっとこちらを睨んだり、それがドアップで画面いっぱいに表示されたりするわけです。

いやぁもう、お腹いっぱい。お代わりは……面白いから、もう一杯。


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そしてまたですね。彼らのクドく濃い顔を強調させるためか、「平たい顔族(Byルシウス)」が厳選されているのですよ。

ヒロインにこんなことは書いたら失礼ですが、真美役の上戸彩さんを筆頭に、その父親役の山越修造さん。

ルシウスが最初にタイムスリップした先の銭湯にいるご老人達も、皆様見事な平たい顔族。ルシウスを手伝ってくれる温泉仲間の皆さんも、竹内力さん以外はみぃんな顔が平たい。

彼らとルシウス達顔濃いチームがひとつの場面にいると、古代ローマと現代日本の時間的・距離的差がはっきりくっきり。妙に納得させられます。

いやぁ。かつては「単一民族」「みんな黒髪黒目のに多様な顔立ち」なんて言われていた我ら日本人にも、これだけ顔のバリエーションはあったんですねぇ………。

見どころその③実は超豪華なロケ地とセットを使っちゃいました!


画像出典:https://eiga.com/movie/56149/gallery/

映画「テルマエ・ロマエ」は、コメディです。その一番の見どころ、おすすめポイントは現代日本で右往左往するルシウスの姿です。

彼が驚き勘違いする様に時に爆笑し、時に「へぇ」と驚きとも納得ともつかない声をあげてしまう。

それは間違いないのですが、そのおかしみを支える要素の一つとして、超豪華なロケ地とセットがあるのではないでしょうか。

この映画のロケ地は、イタリアの映画の都・チネチッタ。

イタリア映画というより世界の巨匠と言えるフェデリーコ・フェリーニやルキノ・ヴィスコンティが愛用していた、あのチネチタ。

ハリウッド全盛期のスペクタクル劇画「ベン・ハー」も撮られた、あのチネチッタです。

それだけでも魂消るのに、使われているセットはHBOとBBCが総力をあげて撮った海外ドラマ「ROME」と同じもの。

「ROME」の総制作費は200億円以上と言われており、出演者に名優はいてもスターはいませんから、そのお金の大半は、セットにかけられているのでしょう。

それを、この「テルマエ・ロマエ」は使っているのです。ど~うです。すごい以外の言葉が出てこないでしょう?

そのお陰で、ほぼ日本人キャストの演じているのに、質実剛健にして絢爛豪華。

現代ヨーロッパの母体となり、いまでも精神的よりどころとされる古代ローマの世界を余すところなく再現できているのです。

さらに豪華さではチネチッタに譲るものの、重厚さと風情では負けていないのが日本のロケ地。

草津温泉に群馬県の伊香保温泉、栃木県の北温泉など、日本の名湯がそろい踏み。きっとキャストの皆様、スタッフの皆様も、撮影の合間に温泉を楽しまれたことでしょう。

そしてきっと、この映画を観ればあなたも。ひとっぷろ浴びたくなることでしょう。ね?

4.映画「テルマエ・ロマエ」をおすすめの人


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映画「テルマエ・ロマエ」をおすすめの人は、こんな人々です。

歴史嫌い、かつて世界史で挫折した人

見どころのところでもご紹介しましたが、この映画は古代ローマが舞台です。主人公ルシウスは架空の人物ですが、ハドリアヌスもケイオニウスもアントニヌスも実在の人物。

クライマックスでルシウスが乗り込んだ戦地は、ローマ史で有名なユダヤ戦役。

ハドリアヌスと元老院との、そして後継者たちとの微妙な確執も(現代でわかっている時点の)史実通りです。

でも、笑いとちょっぴりの涙で語られているものだから、自然にするっと、お湯が染み渡るように頭に入ってきます。

ですからぜひ、歴史嫌いの方、かつて世界史を挫折した方におすすめします。

古代ローマ史好きの人

筆者もその一人ですが、古代ローマ史好きは日本にも結構います。しかし「古代」と名がつくくらいですから、愛するローマはあまりにも遠い。

古代ローマ史関連の本を読んで、展覧会があればはせ参じて。時間とお金があれば地中海流域に散らばる古代ローマ遺跡を観に行って、想像を巡らす。

それももちろん楽しいのですが、遺跡はあくまで遺跡。その崩れっぷりに時にもの悲しさがこみ上げてきます。

そんな同好の士に朗報です。

この映画「テルマエ・ロマエ」では、時代考証ばっちり、お金もめいいっぱいかけて古代ローマの、しかも最盛期ハドリアヌスの時代のローマが再現されているのです。

想像するしかなかったフォロ・ロマーノが、コロッセウムが、なによりローマのテルマエが、極彩色であなたの眼前に。

古代ローマ好きなら、これを逃すことなんて、ありませんよね?

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