映画スワロウテイルあらすじ解説!Charaの歌と伊藤歩の演技に注目【ネタバレ】

こんにちわ。

若い人みたいに本数こなせない還暦ライターのマーシーです。

今回はコアなファンが多い、岩井俊二監督の「スワロウテイル」について書きます。

岩井俊二監督の他の作品は見ていないけど「スワロウテイルだけは見ている」といった熱心なファンが多いのがこの映画だと思います。

実は私も岩井俊二監督の映画は「ラブレター」「スワロウテイル」しか見ていません。

それでも公開時にこの映画を見たときの感動は忘れられませんね。

若き日のCharaや伊藤歩のまばゆいばかりの演技と「円都」の独特の世界観。

他にも三上博史、大塚寧々、桃井かおり、渡部篤郎、江口洋介などの今では考えられない豪華なキャスト。

劇中でCharaが歌う「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」など、見どころ満載のあらすじを詳しく解説いたします!

1.スワロウテイルの作品紹介

公開日: 1996年9月14日 (日本)
監督: 岩井俊二
脚本: 岩井俊二
出演者:三上博史、Chara、伊藤歩、江口洋介、渡部篤郎、山口智子、桃井かおり、大塚寧々、ミッキー・カーチス。
受賞歴:第11回高崎映画祭 最優秀監督賞、最優秀主演女優賞(Chara)、最優秀新人女優賞(伊藤歩)、日本アカデミー賞にて優秀賞(照明賞)。

2.スワロウテイルのあらすじ

あらすじ1
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スワロウテイルのあらすじについて書いていきます。

近未来なのか過去なのか、円が一番強かったころ、円を稼いで祖国に帰ろうと夢を見てやってきた移民たち。

彼らは憧れの日本をイェンタウン「円都」と呼びました。

しかし日本人たちは、彼ら移民を忌み嫌い「円盗」イェンタウンと呼びます。

この物語はちょっとややこしいけど、円都に住む円盗の物語です。

スワロウテイルのあらすじ(ネタバレなし)

あらすじ(無し)1
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警察の死体置き場で、母の遺体を見つめる少女。(伊藤歩演じる後のアゲハ、名前はまだない)

中国系の円盗ですが、葬儀を出すお金がもったいないので、警察官の「君のお母さんだろ」という問いかけに「違います」と答えます。

少女は母の仲間の娼婦たちに、母が麻薬の密売で得たお金を横取りされ、厄介払いされて少女売春の店に売り飛ばされます。

そのときグリコ(Chara)の気まぐれによって助け出され、「アゲハ」と名付けられます。

グリコは娼婦ですが歌が好きで、同じ中国系の円盗であるフェイフォン(三上博史)たちが営む何でも屋「あおぞら」で歌うのでした。

グリコの歌に国籍も様々な円盗たちが酔いしれます。

ラテン系の円盗たちが、

グリコ、われらのマドンナよ!!

と歌いだすと、フェイフォンが、

円盗にカンツォーネは似合わねえや。

とつぶやきます。

グリコを見つめるフェイフォンの表情のなんとも言えない優しさ。

フェイフォンがグリコに寄せる思いが切実に伝わってきます。

フェイフォンのグリコに寄せる思いが、この物語を貫く一つの軸となっていくことを予感させるシーンです。

あらすじ無し2
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アゲハは「あおぞら」でアルバイトをしながら、グリコの妹としての生活を始めました。

フェイフォンをはじめとするあおぞらの住人達と親しみながら、アゲハは明るくなっていきます。

ところがある日、グリコの客に無理やりアゲハが犯されそうになり、あおぞらの住人アーローに助けを求めます。

アーローのパンチで、窓から転落した客はごみ収集車に挽かれて死亡。

その死体の腹の中から出てきた1本のカセットテープ。

フランクシナトラの「マイウェイ」が収録された、一見何の変哲もないカセットテープには、実はとんでもない秘密が隠されていたのです。

ここから物語は急展開。

グリコ(Chara)フェイフォン(三上博史)アゲハ(伊藤歩)の数奇な運命はどうなるのでしょうか?

スワロウテイルのあらすじ(ネタバレあり)

死んでしまったグリコの客は、暴力団葛飾組の組員の須藤。

須藤の腹の中から出てきたカセットテープには、一万円の磁気データが隠されていたのです。

この磁気データは、円盗で上海マフィアのリョウ・リャンキ(江口洋介)が偽造したもので、葛飾組が盗み出したものでした。

須藤は、首尾よく盗み出したテープを持ち逃げするところだったのです。

あらすじあり1
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リョウ・リャンキが組長を問い詰めますが、組長も須藤がどこにいるか知るはずがありません。

しかし、手下を皆撃ち殺され、厳しく追及された組長は、須藤にテープを盗み出すことを命令したことを認めます。

助けてくれ~!

必死で命乞いする組長。

リョウ・リャンキは、手下のマオフウに冷酷に指示します。

クビキレ。

一方、テープの解析を進めていたあおぞらの住人ラン(渡部篤郎)。

テープに隠された一万円の磁気データを千円札に転写し、両替機で千円を一万円にしてみせます!!

驚愕するあおぞらの住人達。

あらすじあり2
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千円が一万円になったわ!!

OH、神様ありがとう!!

思わぬ一獲千金のチャンスを得て舞い上がるフェイフォン、グリコ、アゲハ。

しかしランは冷たく、

しょせんパーティの手品だ。

最後は偽造紙幣で捕まって強制送還か?!

と言い放ちます。

渡部篤郎演じるランがめちゃくちゃかっこいいです!!

実はランは謎の組織に属する殺し屋なのですが、なぜかあおぞらで暮らしている。

脇役なのですが、その存在感は半端ない!

渡部さんのファンの方にはたまらないでしょうね。

ラン以外のメンバーは早速、偽造1万円紙幣で大儲け。

アーローたちは故国へ帰りましたが、フェイフォン、グリコ、アゲハの3人はあおぞらからダウンタウンへ移り住みます。

そしてフェイフォンはグリコの歌手としての舞台を作るのです。

その名はずばりイェンタウンクラブ!!

あらすじあり4
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フェイフォンにとってグリコの歌は希望でした。

最初は嫌がるそぶりを見せるグリコですが、皆に促されステージに立ちます。

グリコに「マイウェイ」を歌えというフェイフォン。

若いバンドメンバーは

そんなの俺たちのソウルじゃあねぇよ!

おやじの世代だぜ。

とあざ笑いますが、グリコの歌が始まるとメンバーの顔色が変わります。

グリコの歌声には、プロのバンドマンたちのソウルを揺り動かす力があったのです。

娼婦のグリコが、歌手グリコに脱皮した瞬間でした。

グリコの歌うことへの渇望をフェイフォンは知っていたのでした。

そしてここでも、グリコ(Chara)を見つめるフェイフォン(三上博史)の表情の優しいこと。

あらすじあり3
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そしてそのフェイフォンを見つめるアゲハ(伊藤歩)の複雑な表情には、グリコを愛するフェイフォンへの慕情がうかがえます。

この三者の感情が『ほんとに切ないなあ』と感じるシーンですね。

グリコの歌とイェンタウンバンドの演奏は反響を呼び、イェンタウンクラブは連日大入り満員。

そしてある日、レコード会社大手のマッシュミュージックがグリコとの契約をオファーしてきました。

しかし歌手デビューするために、グリコは日本人になることに。

フェイフォンに異論はありません。

グリコの歌を多くの人に届けることはフェイフォンの夢だったのですから。

やがてフェイフォンは、マッシュレコードに密告され、不法滞在者として逮捕されます。

獄中に差し入れを届けるアゲハ。

アゲハからグリコのCDが爆発的なヒットとなり、売り切れ状態であることを聞いて我がことのように喜ぶフェイフォン。

フェイフォンは、いずれ強制送還されることを知りながらも、グリコが好きな歌を歌っていられればそれでいいと考えます。

強制送還を言い渡されたフェイフォンですが、旅費を「自腹で金持って来い!」と釈放されます。

あっけにとられたフェイフォンは喜び勇んでイェンタウンクラブに帰ってきました。

クラブでは、マッシュレコードのマネージャー星野から、手切れ金100万円でグリコと絶縁するように言い渡されます。

あらすじあり5
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フェイフォンは、

グリコって誰だ?

と問い返します。

フェイフォンの真意を知らないイェンタウンバンドのメンバーは、フェイフォンがグリコを金で売ったと逆上し、フェイフォンに詰め寄ります。

グリコの歌はもともと俺の商売道具だ!!商売道具で金を儲けて何が悪い!!

言い放つフェイフォンをぼこぼこにしたメンバーたちは、みな去っていきました。

イェンタウンクラブは廃業し、フェイフォンやアゲハはもとのイェンタウン(円盗)の暮らしに戻ります。

フェイフォンに密かな恋心を抱くアゲハは、自分が犠牲になってもグリコが幸せであれば良いと願うフェイフォンを見て、ある決意を固めます。

フェイフォンに愛してもらえる大人の女になるために、タトゥーを彫ることを。

麻薬注射の治療のため、リョウ・リャンキに連れていかれた阿片街の闇医者の手で。

アゲハ(伊藤歩)のファンならずとも思わず息をのむシーン。

若く美しい伊藤歩が惜しげもなくバストをさらしています。

闇医者役のミッキーカーチスとのやり取りも見ごたえがあり、アゲハは幼いころの自分の記憶を呼び覚ましていきます。

そしてグリコが名付けてくれたアゲハという名前が、偶然ではなく、むしろ必然であったことに気付くのです。

あらすじあり5
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アゲハは、フェイフォンのためにイェンタウンクラブを買い戻そうと考えます。

アゲハをボスと慕う少年たちを使って、偽造一万円札を大量に作り、大金を得ることに成功。

一方、須藤の死を目撃したイェンタウンの娼婦レイコは、グリコが須藤の死に絡んでいる情報を、雑誌記者鈴木野(桃井かおり)と、上海系流氓のマオフウに売りつけます。

飛ぶ鳥を落とす勢いの歌手グリコのスキャンダルを暴こうと調査を開始する鈴木野。

偽札の磁気データ入り「マイウェイ」のテープを取り戻そうと動き出すマオフウたち。

記者の鈴木野と車で移動中のグリコたちをマオフウたちが襲います。

鈴木の機転で何とか逃げ出したグリコは、電話でフェイフォンに助けを求めますが、フェイフォンのところへも上海系流氓たちが・・・。

あらすじあり6
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再びマオフウたちに捕まったグリコと鈴木野は、あおぞらのランのもとへ。

隠し持った銃とナイフで、拉致された車から逃げ出したフェイフォンは、偽札を自動販売機に入れたところを警官に目撃されあえなく逮捕。

そのころ、イェンタウンクラブを買いもどそうと不動産屋を訪ねたアゲハに、ツェンは、

ツェン「そうだ、忘れていたよ。あの物件はもう売ってしまった。」

アゲハ「誰に売ったの!!その人から買い戻す。」

なおも言い募るアゲハに「そんなの無理だ・・・」と返すツェン。

諦めきれないアゲハは、

アゲハ「どうして!どうして無理なの!!お金ならいっぱいあるじゃない!!!!」

ツェン「無理なものは無理なんだ。そのお金を持って早く帰りなさい。」

と諭すのでした。

大金に目がくらみアゲハを殺そうとしたツェンですが、アゲハの一途な思いに胸を突かれ、お金では買い戻せないものがあることを教えたのです。

ツェンはアゲハのフェイフォンへの思いに気付いていたのかもしれませんね。

逮捕されたフェイフォンは、警察の激しい拷問を受けていました。

警察はフェイフォンから偽札のデータを作った元締めは、リョウ・リャンキであるという自白を引き出したかったのです。

しかしフェイフォンは口を割りません。

「イェンタウン(円盗)は、金か!金があれば口を開くのか!!」と罵倒されたフェイフォンは

イェンタウン(円都)はお前たちの故郷の名前だろう。

と言い放ちます。

あらすじあり6
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とうとう口を割らなかったフェイフォンは、留置場の檻の中で翌朝冷たくなっていました。

昨日、こいつずっと歌を歌っていたんですよね。マイウェイを・・・

フェイフォンは死の苦痛の中で、マイウェイを歌いながらグリコと過ごしたイェンタウンクラブを思い浮かべながら死んでいったのでした。

フェイフォンが激しい拷問を受けていたころ、あおぞらではグリコがランに、マイウェイのテープを渡してくれと必死に懇願していました。

そこへやってきたマオフウたち。

上海系流氓の大部隊を見ても一向に動じないランに、テープをくれと縋るグリコ。

ランは言います。

テープはここにはないんだ。アゲハが持って行った。

焦るグリコと鈴木を無視して、ランは上海系流氓たちを狙撃し2人を撃ち殺します。

呆然とするグリコに、ランは、

合図したら伏せろ!!

急いで伏せたグリコたちの後ろから、発射されたのはなんとロケットランチャー。

上海系流氓は、トラックもろとも跡形もなく吹き飛ばされています。

一騎打ちを気取ったマオフウもランに撃ち殺されました。

ランは謎の暗殺集団の構成員で、ロケットランチャーを撃ったのは、ランの同僚(山口智子)だったのです。

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亡くなったフェイフォンの葬式を営むあおぞらのメンバーたち。

フェイフォンに手向ける花輪を編むグリコとアゲハ。

廃車の棺桶に火をつけるラン。

燃え盛る炎の中に、お札の束を投げ入れるアゲハ。

ランや子供たちも加わり、偽札で稼いだお金を全て燃やしてしまいます。

フェイフォンの弔いも終わって、グリコとアゲハのあおぞらでの生活も落ち着いてきたある日。

いまだに見つからないマイウェイのテープを探しているリョウ・リャンキとアゲハが偶然に再会します。

アゲハが、リョウ・リャンキにマイウェイのテープを渡します。

助けてもらったお礼。

リョウ・リャンキに名前を問われたアゲハ。

アゲハ。

グリコにつけてもらったの。

あなたはグリコを知ってる?娼婦のグリコを?

リョウ・リャンキの本来の行く先では、ランが狙撃体制をとって待ち構えています。

アゲハが去っていったあおぞらには、妹のグリコとの再会が待っています。

リョウ・リャンキはどちらに向かったのでしょう?

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スナイパーのランの手に掛かってあえない死を遂げたのか、それとも生き別れの妹グリコと再会したのか。

物語はここで終わっています。

3.スワロウテイルの見どころ

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公開から20年以上の時を経てなお、色あせないスワロウテイルの魅力。

やはり岩井俊二監督の作り出した「円都」「円盗」の世界観と、豪華なキャスティングが、見どころだと思います。

イェンタウンの住むイェンタウンの魅力とChara、伊藤歩、三上博史、その他のキャストについて、その魅力と見どころについて

解説していきます。

イェンタウンの住むイェンタウンの世界観

見どころ2
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スワロウテイルが公開された1996年当時の世相はどうだったでしょうか?

1993年のバブル崩壊、前年の阪神淡路大震災やオウム真理教事件など、まさに20世紀から21世紀へ向かう世紀末の様相を呈した時期だったと思います。

そんな時期に公開されたスワロウテイルは、「円が一番強かったころ」に円に群がるようにやってきた移民たちを描きました。

世界で一番強い通貨である円を稼いで、国へ帰れば大金持ち。

円の都である「円都=イェンタウン」に憧れやってきた「円盗=イェンタウン」たち。

しかし、日本人はそんな彼らを忌み嫌うのです。

イェンタウンクラブのマネージャー的存在のデイブが語ります。

日本で生まれ日本で育ち、日本語しか喋れない自分が、外見のせいで外人と呼ばれる。

でも俺が生きる場所はここしかない。

だから俺は日本人だ。

デイブは、『日本で生まれ、中国語がしゃべれないアゲハ』も日本人だと主張します。

君はイェンタウンじゃない日本人だ。

アゲハはおそらくデイブの言うことが理解できなかったでしょう。

しかし、フェイフォンの遺体を見た時のアゲハは、刑事にフェイフォンは中国人なのかと問われ、きっぱりと「イェンタウン」と言い切ります。

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アゲハがイェンタウン(円都)で、日本人でも中国人でもなく、イェンタウンとして生きていくことを自覚した瞬間です。

岩井監督は、円を稼いでいずれは国へ錦を飾ることを夢見たイェンタウンたちが、「円都」を自らの唯一の故郷だと覚醒していく過程を描いたのではないでしょうか?

アゲハは移民の二世です。

日本はほぼ単一民族で成立している世界でも稀な国です。

しかし世界を見渡せば様々な民族が入り乱れ、否応なしに血が混じってきた国がいくらでもあります。

私は、タイ、香港、台湾、シンガポール、ミャンマーへの渡航経験がありますが、アジア諸国の市場や屋台街のカオス感は、まさにスワロウテイルの「円都」を思い起こさせます。

現実の日本には、存在しなかった「新たなアイデンティティが形成されていく過程」があり、それがスワロウテイルの世界観だと私は思います。

イェンタウンの最底辺層が住む「阿片街」の描写や、青空に集う雑多な国籍のイェンタウンたちの情景。

イェンタウンの独特な世界観を楽しんでいただきたいと思います。

グリコ(Chara)の歌

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劇中のバンド、イェンタウンバンドのボーカルがグリコ(Chara)。

イェンタウンバンドは、映画スワロウテイル劇中だけのバンドですが、実際に発売されたアルバム「MONTAGE」は、オリコンチャートで1位を獲得しています。

劇中バンドがその名義のままでオリコン1位を獲得したのは初めてのこと。

それほど、スワロウテイルでのグリコ(Chara)の歌は魅力あふれるものでした。

2015年に再結成されたイェンタウンバンドのライブは、記憶に新しい方も多いのではないでしょうか?

グリコ(Chara)の歌うシーンはそれほど多くはありませんが、イェンタウンクラブの開業前に「マイウェイ」を歌うシーン。

そして開業後に満員の観客の前で歌う「Mama’s alright」のシーン。

一見の価値以上のものがあります。

このころ、Charaは既に俳優の浅野忠信の奥さんで、子供も一人生んでいるのですが、めちゃめちゃかわいいです。

歌っているシーンももちろんですが、例えば三上博史(フェイフォン)とのベッドシーンでも色っぽいというよりも本当にかわいいと思います。

マッシュミュージックからのメジャーデビューが決まり、フェイフォンから「グリコは蝶になってこれから羽ばたくんだ」と言われ、胸の蝶の刺青を羽ばたかせる表情。

それが何とも言えず愛らしい。

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スワロウテイルという映画が長く愛されているのも、グリコを演じたCharaの魅力に負う部分が大きいと思います。

伊藤歩(アゲハ)の熱演

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スワロウテイルの見どころといえば、この人も外せません。

アゲハ役、当時15歳の伊藤歩です。

伊藤歩といえば女優だけではなく、音楽活動にも積極的で、ジュディアンドマリーのユキ、スワロウテイルで共演したCharaとバンドを組んだこともあります。

スワロウテイルはデビュー作ではありませんが、その熱演は注目を集め、高崎映画祭で助演女優賞を受賞しました。

アゲハは中国系イェンタウンである母親の死によって孤児となり、グリコ(Chara)と暮らし始めます。

フェイフォンにほのかな恋心を抱きますが、フェイフォンはグリコを愛していることも知っていて、思いを告げることはできません。

留置場に手作りの弁当を差し入れることが、精いっぱいの愛情表現です。

でも、アゲハが作った弁当を食べながら、フェイフォンが聞くのはグリコのことばかり。

グリコのCDが売れていることを聞いて我がことのように喜ぶフェイフォン。

フェイフォンの喜ぶさまを見ているアゲハは嬉しいのですが、ちょっぴり焼きもちを焼いたような複雑な表情をしていますね。

差し入れのシーンは3回ありますが、だんだんアゲハがおしゃれになり、弁当も豪華になっていきます。

フェイフォンへの想いがよくわかるアゲハの表情がいじらしいですね。

そしてフェイフォンが強制送還で上海に戻ると告げたときのアゲハの表情がこれ。

見どころ7
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あらすじのところで紹介した刺青を彫るシーンが話題をさらいましたが、あらゆるシーンでアゲハの微妙な表情の演技が楽しめます。

アゲハを演じた伊藤歩の熱演、おすすめの見どころポイントです。

フェイフォンのグリコへの愛

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三上博史演じるフェイフォンのグリコへの愛。

何でも屋で、貧しい暮らしをしていたフェイフォン。

偽札で儲けた金でイェンタウンクラブを作ります。

フェイフォンにとってグリコの歌は希望であり夢だったのです。

マッシュレコードからデビューの打診が来たとき、グリコを日本人に仕立てると言われ、デイブは反対しますが、フェイフォンは即答でOKしました。

フェイフォンにとってグリコが中国人だろうが、日本人だろうがどうでも良いことで、グリコの歌が多くの人に聞いてもらえることだけが大事なことだったのですね。

フェイフォンがグリコが歌うところを見つめる表情の優しいこと、優しいこと。

アゲハが嫉妬するのも良くわかります。

フェイフォンはもちろんグリコを愛していたのでしょうが、グリコが好きな歌を歌って幸せになるのであればそれでいい。

自分がそばに居ることがグリコのためにならないのなら、離れることも厭わない。

アゲハがフェイフォンに寄せる想いも切ないですが、それ以上にフェイフォンのグリコに寄せる純情は胸に迫ります。

拷問で死に瀕したフェイフォンが死の床で見た夢のシーン。

イェンタウンバンドの看板がクレーンで釣り上げられていく、グリコの歌がクレジットされている。

それを見つめるフェイフォンの表情が何とも言えない。

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フェイフォンがグリコを見つめる表情、特に歌うグリコを見つめる表情。

その優しい表情はとても印象的です。

三上博史が演じたフェイフォンもスワロウテイルの大きな見どころの一つです。

脇を固める豪華なキャスト

見どころ9
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Chara、伊藤歩、三上博史の主役級以外にも、豪華なキャストが出演していることもスワロウテイルの魅力です。

ラン役の渡部篤郎、雑誌記者鈴木役の桃井かおり、リョウ・リャンキ役の江口洋介、娼婦レイコ役の大塚寧々、スナイパー役の山口智子など、今ではほぼ実現不可能な豪華配役ですよね。

中でも大塚寧々演じるレイコの美しさは際立っています。

そのエキセントリックなキャラクターも面白い!

また山口智子の演じる凄腕スナイパー。

見どころ10
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あのロングバケーションの葉山南との落差が凄い。

それ以外にも闇医者役のミッキーカーチスやマオフウ役のアンディ・ホイ(香港の俳優・歌手)、マッシュレコードのマネージャー役の洞口依子など豪華なキャスティング。

脇を固めるキャストもスワロウテイルの見どころの一つです。

4.スワローテイルを見てマーシーが感じること

視点1
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スワロウテイルという映画は、不法移民であるイェンタウンが、イェンタウンというアイデンティティを獲得していく物語だと思います。

そしてそのアイデンティティの体現者はグリコでもフェイフォンでもなく、アゲハなんですね。

グリコもフェイフォンもリョウ・リャンキもイェンタウン一世です。

彼らは世界で一番強い通貨である円を稼ぐために円都(イェンタウン)にやってきました。

そして日本人に円盗(イェンタウン)と蔑まれ疎まれながらも、円を稼ぎ金持ちになっていつか故郷に帰ることを夢見ています。

リョウ・リャンキが言います。

円都か、いやな街だ・・・。

視点2
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彼は金を稼ぐためには人を殺すことも厭いません。

円都でも飛ぶ鳥を落とす勢いの中国系ギャング(上海系流氓)ですが、それでも彼の夢は故郷の上海へ帰ることです。

グリコとフェイフォンには、リョウ・リャンキほどの強い故郷への思いは感じられませんが、それでも彼らは最後まで中国人でした。

円都で成功しいい暮らしを手に入れても、彼らは日本で暮らす中国人なのです。

アゲハは違います。

アゲハは日本生まれで中国語が満足に使えません。

彼女は自分のアイデンティティに疑問を持っています。

しかし、グリコやフェイフォンと出会い、彼らと一緒に暮らすことに生きがいを感じていきます。

彼女の生きがいは、円都で円盗である仲間と暮らすことだったのだと思います。

同じ二世のイェンタウンでもデイブは日本人になりたいと痛切に望んでいます。

日本で生まれ日本で育ったのだから自分は日本人としての権利があるという論理形成ですね。

これは実は沖縄の人間であるマーシーには非常に理解できるんです。

ここで政治的な問題に触れるつもりはありませんが、沖縄は琉球王国という独立国であった歴史を持ち中国や東南アジアとの国々との交易で栄えました。

また戦後は27年間にわたりアメリカの統治下にありました。

沖縄では否応なしに様々な血が混じる歴史があったのです。

そこではアイデンティティは時に揺れ動きます。

日本人でありたい、日本人になりたい、でも日本人だと理解してもらえない。

それとは逆に少数ですが、かっての琉球人としてのアイデンティティを取り戻したいと考える人たちもいます。

20年以上前ですが、沖縄で開かれたあるシンポジウムで、某大学の教授が「日本で真の意味の国際化が語れるのは沖縄だけだ」と言いました。

教授いわく真の国際化とは「血が混じることを厭わないこと」。

それを具現化しているのはまさに沖縄だけだというわけです。

今、日本は観光立国を標榜し外国人観光客の数が飛躍的に伸びています。

また、今年になって入管法が改正され、外国人労働者の入国及び滞在条件が緩和されました。

少子化による人口減少により、外国人労働者は頼りになる戦力として引く手あまたです。

いまや日本は外国人の観光客、労働者がいなくては成り立たない状況だと言っても過言ではないでしょう。

しかし一方で、外国人留学生を不法に搾取する大学や専門学校。

実習生とは名ばかりの奴隷的労働条件で外国人労働者を搾取するブラック企業。

日本はまさに外国人と共生する成熟した国になるための過渡期を迎えているのかもしれません。

スワロウテイルが描いた世界。マーシーには、円都に住む円盗たちの姿が、現代日本の状況と重なって見えます。

視点3
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アゲハは、イェンタウンとしてのアイデンティティを獲得した、日本人でも中国人でもない生き方をしていくことになるのでしょう。

アゲハはリョウ・リャンキのように、円都をいやな街だとは決して言わない。

アゲハにとっては故郷であり、唯一の生きる街です。

アジアにはシンガポールのように、多様な人種が共存している国がたくさんあります。

ミャンマーには200近い少数民族が暮らしています。

スワロウテイルが描いた円都の世界観。

そこに生きるアゲハのような日本人でも中国人でもない円都の住民たち。

マーシーはその世界観が好きですし、日本に生きる外国人たちとホントの意味で共生できる日が来ることを願っています。

5.スワロウテイルはこんな人におすすめ

おすすめ1
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スワロウテイルは、公開当時R指定されている映画なので、まずテレビで放送されることはないでしょうね。

アマゾンやU-NEXTで見るしかないのですが、あらゆる年代の人、また男女問わず一見の価値がある映画だと思います。

その中でも特におすすめしたい人をご紹介します。

Charaのファン、イェンタウンバンドのファンの人

おすすめ4
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歌手Charaやイェンタウンバンドのファンだけど、スワロウテイルは見たことないという人って実は結構いるんじゃないでしょうか?

あるいは岩井俊二監督のファンだけど、スワロウテイルは見ていない人もいるでしょうね。

スワロウテイルは公開当時から、特にイェンタウンの世界観の評価が真っ二つに割れた映画です。

絶賛する人、こき下ろす人。とにかく極端に評価が分かれます。

だから岩井俊二のファンだけど、歌手のCharaは好きなんだけど、あるいはイェンタウンバンドの曲は好きなんだけど・・・。

『なんとなくスワロウテイルを見るのは躊躇ってしまってまだ見ていない』そんなあなたはラッキーです。

これからあの感動的な映画を体験できるのですから。

岩井俊二監督の作り出した円都の世界観、Chara演じるグリコの何とも言えない可愛らしさは、イェンタウンバンドのすばらしさ。

是非、見ていただきたいと思います。

今では考えられない豪華キャストを見てみたい人

おすすめ3
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主役級の3人以外の役者が『とにかく豪華』なのもおすすめポイント。

中でも渡部篤郎や大塚寧々、山口智子のファンには絶対的におすすめです。

とにかく若いので、文句なしにカッコいいしキレイです。

それ以外でも桃井かおり、洞口依子もいい演技してます。

アゲハをボスと呼ぶイェンタウンの不良少年ホァン役は、今は俳優業を殆どしていない小橋賢児。

イェンタウンクラブのダミーオーナー浅川役は武発史郎、主役は張らないけど脇には欠かせない俳優さんです。

今では実現不可能な、豪華な配役を楽しみたい人に是非見て欲しい映画ですね。

伊藤歩のファンの人

おすすめ2
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伊藤歩さんのファンの人で、まだスワロウテイルを見ていない人はすぐに見ましょう。

15歳の初々しいバストを惜しげもなくさらした体当たりの演技には、目を見張りますよ。

もちろん、単にバストをさらしたというだけではなく、彼女の繊細な演技は素晴らしいです。

少女が初めて大人の男に恋をする。しかも片思いの恋。

そんな切ない表情が随所で見られます。

そして自らのアイデンティティを確立させる成長過程もしっかり演じています。

イェンタウンの少女アゲハを演じる伊藤歩を見たい人におすすめします。

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