シン・ゴジラの評価は?注目すべき見どころを徹底解説!

1.シン・ゴジラの作品紹介

監督:庵野秀明(総監督)、樋口真嗣(監督・特技監督)
脚本:庵野秀明
出演者:長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、大杉漣、野村萬斎
受賞歴:第40回日本アカデミー賞 最優秀作品賞/最優秀監督賞など10部門で受賞。その他、毎日映画コンクールなど多数受賞。
公開日:2016年7月29日 (日本)
ジャンル:SF・特撮
メディア:http://www.shin-godzilla.jp/media/
公式HP :www.shin-godzilla.jp/
SNS:公式ツイッター;https://twitter.com/godzilla_jp /公式facebook;https://www.facebook.com/godzilla.jp

2.シン・ゴジラのあらすじ紹介

いつもの朝。昨日と同じで、明日もまた同じように続くと誰もが思っていたある日、東京湾の湾岸線で大規模な陥没事故が発生した。

急ぎ緊急対策本部を立ち上げるべく協議していた首相とその幕僚たちに、「事故ではなく巨大生物の影響である」という緊急速報がもたらされる。

「夢でも見ているのかね君」と最初は失笑していた閣僚たちも、会議室の大スクリーンに映し出された映像に言葉を失う。そこには、海から爆発したように飛び出して暴れまわる、巨大な黒いナニカが映し出されていたのだ。

あまりの「想定外」の出来事に呆然としながらも、対処法を「協議」している間に、そのナニカー「未確認巨大生物」—は東京に上陸。人と建物を踏みつぶし、破壊の限りを尽くす途中で、何故か一度海中へと去った。しかしあの生物は必ずまた襲ってくる。

会議と根回しばかりしていた政府もやっと重い腰をあげ、自衛隊を出動させて迎撃作戦を展開。予想通り再上陸してきたゴジラに、陸と空から現在投入できるすべての火力で攻撃するものの、あえなく失敗。

同盟国である米国の爆撃機が有効と思われたが、そちらもゴジラが発した謎の光線により全機撃墜されてしまった。
強大なゴジラに対し、打つ手はあるのか。いま、人類の、ニッポンの未来をかけた最後の戦いが始まる———!

3.シン・ゴジラの見どころ

ここからは、シン・ゴジラの見どころを徹底的に解説していきます。

ゴジラ注目
(C)2016 TOHO CO.,LTD.

3-1. 特撮・ゴジラ好きでなくとも楽しめる

戦後すぐの日本で叫び声をあげて以来、本国日本を飛び出して世界中で暴れまわる「ゴジラ」。そのゴジラを大の特撮好きで知られる庵野秀明監督が作ったのが、本作品です。

「庵野秀明って誰?」という方もおられるかもしれませんが、社会現象を引き起こし、いまだに新作が作られているアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の監督だと言えばお分かりいただけるでしょう。

本作品は東宝ゴジラシリーズの正統な後継作として、『ゴジラ FINAL WARS』から12年、シリーズ29作目として作られた作品です。

特撮好きが満を持して創った作品であるだけに、ゴジラファン、特撮ファンにとっては身震いするほど嬉しいシーンや設定がてんこ盛りされていますが、実は、普段はそのジャンルを観ない方でも十分楽しめる作品でもあります。

というわけで本稿では、特撮・SFどころか普段あまり映画を観ない方にでも楽しめる、「シン・ゴジラ」の見どころをご紹介したいと思います。

3-2.虚構(フィクション)であってもリアルなゴジラ

まずは、ゴジラ自体の造形と設定についてお話ししましょう。

この作品のキャッチコピーは「現実 対 虚構」。「現実」にはニッポンとルビを振り、「虚構」にはゴジラとルビを振ってあるように、製作側もゴジラはフィクション、もしくはフィクション的存在であると宣言しているようです。

そんな虚構であるはずのゴジラですが、この作品に出てきたゴジラは妙にリアルなのです。

普段はホラー映画を観ながらでも食事のできる筆者ですが、本作品のゴジラ初上陸シーンでは、本気で気分が悪くなりました。

ゴジラと言えば、大きさやフォルムに多少の違いはあれど、黒いごつごつとした岩のような皮膚を持つ、二足歩行のクリーチャー。

そんな先入観で大画面を見上げていた時に現れた、アレ。全体が肌色で、体の両側面にずらりと並んだ鰓のような部分が大きく開いて、内側の血の色がよく見えて。

首なのか胴体なのか判然としないものの先端に着いた小さな頭部には、不似合いなほど大きな目。その大きな目は白目が大きく、黒目は点にのように小さく、動かず、見開かれたまま。

その頭を右に左に振りながら、地面を這いずるように進んでいく様はもう……!

うっぷ。書いていて、また気分が悪くなってきました。あの気持ちの悪さ生っぽさは、実際に観て頂かなければわかりません。ゾンビ映画好きやホラームービー好きならワクワクしそうな生き物感ですから、そのジャンルの方たちも是非ご覧ください。

もちろん特撮好き・SF大好きの方が待ち望む本来のゴジラの姿も存分に映りますし、例の「ゴジラ火吹きシーン」もありますが、そこにもリアリティがちゃんとあります

アレが生き物である以上、アメリカで製作されていた作品のように無尽蔵に火を噴いたり、紫色の謎の光線を乱射し続けたり出来るわけはなく。ちゃんと休止する様子も描かれています。そのどこまでもリアリティを追求する姿勢が、さすがの庵野監督と言おうか。「特撮なんて子供の観るもの」と倦厭している方にもおすすめできるポイントです。

3-3.現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)

現実vs虚構
(画像出典:http://shin-godzilla.jp)

リアリティを追求する姿勢は、ゴジラの造形だけではなく、脚本にも表れています。

これまでのゴジラ映画、特にアメリカで製作されたものでは、未確認生物であろうが発見、即迎撃。殲滅。これがセオリーでした。

しかしもしこれが、「現実」に日本で起こったことであったとしたら。この作品で描かれたように、対応方法を決めるのにもまず膨大な時間と手間と人員をかけて、「協議」するのではないでしょうか。

毎日のようにワイドショーでやり玉に挙げられているあの大臣、あの政治家さんなら、「想定外の出来事だから」と言を左右にして結論を先延ばしにし、自分たちは安全圏にいて会議ばかりしているんではないだろうか。そんな風に、ため息をつきながらもどこか納得してしまうほどリアルな姿が描かれていて、別の意味で泣けてくること受けあいです。

更に、今このレビューを書きながら改めて思い起こしてみると、この『シン・ゴジラ』にはSF映画でよく見られるようなパニック描写が少ないことに気づかされます。

もちろんゴジラが最初に上陸してきたシーン、そして鎌倉に再上陸してきたシーンでも逃げ惑う人々の様子は描かれています。

描かれてはいるのですが、映画全体からみると少ない。後の部分、ゴジラの登場シーン以外でこの作品が何を描いているかと言えば、「現場」の人間が奮闘する姿なのです。

そうなのです。この『シン・ゴジラ』は特撮・SF映画であると同時に、お仕事映画でもあるのです。

「上」が中々意思決定せず、人員も補給も十分ではない。それでも自分の務めを全うすべく、現場に立ち続ける人々。

自分だって本当は逃げたいだろうに、必死で避難誘導をする消防士たち。恐怖を押し殺し、これまでした訓練と共に立つ仲間を信じて自分の何十倍もの大きさのクリーチャーに向かっていく、迷彩服姿の自衛官たち。徹夜で対策を捻りだそうと努力し続ける、事務方たち。

彼らの姿は現実のあなたやわたし。どこにでもいる普通の日本人の姿で、それを見守っているうちに、あぁ涙が………。

いやぁ。まさか自分が、ゴジラで泣くとは思いませんでした。

 

3-4.「虚構(ファンタジー)なのはゴジラだけ」

ゴジラ形態
(画像出典:https://kmotokun.exblog.jp/24000607)

日本製のゴジラ映画製作が本決まりになり、東宝からオファーを受けた当初、庵野監督は固辞していたそうです。

これはあくまで想像ですが、こだわりの人であり、特撮が、ゴジラが好きすぎたからこそ「自分にはできない」と断っていたのではないでしょうか。

しかし三顧の礼を尽くしての依頼に「一度きりの挑戦」と承諾した以上、庵野監督はやりました。

脚本の執筆段階から防衛省と自衛隊に協力を仰ぎ、「もしゴジラが現実に現れたとしたら、自衛隊はどう対処するのか」「ゴジラという巨大生物に対してどんな武器を使用するのか」と言ったことを、突き詰めていったとか。

いやいや。製作側が真面目にするのは当たり前ですが、「はぁ?ゴジラぁ?」なんて鼻で笑わずに、「このような巨大不明生物が本邦に上陸した場合、まずこの地点で……」なんて生真面目に対応してくれた自衛隊の人々がいたからこそ、あんな迫力ある戦闘シーンが描けたのですねぇ。

筆者はミリタリーオタクではないので、残念ながらどれも同じに見えるのですが、この作品に登場する兵器やメカニックは多種多様です。

それこそミリタリーオタクの方々ならば、「あ、あれは10式戦車!」「おぉ!16式機動戦闘車を投入するか!?」なんて、画面にくぎ付けで狂喜乱舞するのではないでしょうか。他にも化学防護車や96式自走155mm榴弾砲など物々しい専用車両がぞろぞろ登場しています。

それらのメカは一部のシーンをのぞいてCGや合成による映像であると公式HPでは説明されていますが、あのドンッとお腹を中心に体全体響く重い爆発音は、実物を眼前にするようで。

これならゴジラが本当に日本を襲っても対応できるんじゃないかという頼もしさすら感じさせてくれます。

では実際、ゴジラに対して有効だったかどうかは、映画を観て確認してください。

3-5.圧巻のキャスト数(328+1名)

シン・ゴジラ キャスト一覧
(画像出典:http://shin-godzilla.jp)

この作品には、大勢の登場人物がいます。名前の付いた登場人物たちだけでも、100名以上。

主役を演じた俳優陣も長谷川博己や竹野内豊、石原さとみ等、テレビやドラマで毎日のように見かける有名どころばかりです。そして有名どころであり演技巧者で知られる彼らが、実に自然に「キャラの立った」人々を演じています。

例えば石原さとみ扮する、アメリカ政府から派遣されてきた日系3世のパタースン特使。

登場してきた途端に英語訛りを繰り出すさまを見て、「あぁこんな人エヴァにもいたな〜」と思わず含み笑いをしてしまいました。しかし彼女の傍若無人な態度や、時にわざとらしささえ感じさせる英語訛りですが、実はアメリカの本物の外交官から数か月にわたってリサーチしたものだとか。

また、内閣官房副長官・矢口を演じた長谷川博己は、「撮影時に庵野監督から『君は官僚なんだからもっと早く喋って、もっともっと』と要求されたのが大変でした」なんてインタビューでコメントしています。

確かに劇中、矢口はかなり長いセリフを憑かれたような早口で話すシーンが何度となくあり「よく噛まないな」なんて感心していたのですが、それもまたリアリティ追及のためだったわけですね。

他にも、今やイケメン俳優筆頭としてテレビに映画に引っ張りだこの高橋一生が、文化科学省のオタクとして出演していたり。

自衛隊総合幕僚長役の國村隼が、「仕事ですから」なんて痺れるセリフを吐いたり。一言しかセリフのない役に有名なあの人が配役されていたりと、見逃せない登場人物ばかりです。

いや、本当に。よくもまぁこれだけの人々を出演させることができたなと思います。

ちなみに出演者として「野村萬斎」の名も刻まれているのですが、さぁどこで出ているのでしょう?

正解は、作品公式HPで。知ったときは度肝を抜かれると同時に、「だからあれだけリアリティがあったんだ」と、ひどく納得させられますよ。

4.シン・ゴジラは庵野ファンにもおすすめ

さて、そんな風に、特撮・SF好きでなくとも楽しめる本作品ですが、コアな庵野監督ファンももちろん十分に楽しめます

なにしろこの作品は、予告映像からして庵野カラーが炸裂しています。

通常の予告編ならば主要登場人物のキャッチ—なセリフなどをこれでもかと盛り込んでいるものですが、『シン・ゴジラ』の予告映像にそれはありません。

流れるのは、劇中でも挿入される終末を予感させる歌のみです。

その歌をBGMにして、庵野監督がエヴァで描いた使徒のごとき圧倒的パワーで人間世界を破壊するゴジラと、蹂躙され逃げ惑う人々、そして必死に抗おうとする主人公たちの映像が、抑えた色調で映されます。

あぁこれぞ庵野作品。カメラワークもそうですし、ゴジラ撃退の作戦に「ヤシオリ」なんて名前をつけるところも、いかにも「らしく」て、庵野ファンならうれしくて小躍りしてしまうのではないでしょうか。

5.ぜひ自分の目でシン・ゴジラを確かめて!

とまぁこんな風に長々と映画『シン・ゴジラ』の魅力を語りましたが、この映画の素晴らしさや面白さは、レビューでいくら書いても半分もお伝えすることができません。

シン・ゴジラは国内外でも様々な評価がされています。ですからこのレビューを読んで、この作品に興味を持ってくださったとしたら、ぜひご自分の目で観て、面白さを確かめて、作品の魅力を細部まで存分に味わってください。

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