こんにちは。エンタメブリッジライターのやぶなおです。
今回は、サイコスリラー映画「SAW(ソウ)」についてご紹介します。
「SAW」は、猟奇殺人鬼ジグソウによって密室に閉じ込められ、ゲームを強要させられた2人の男性を主軸に描かれた映画です。
2004年には『サンダンス映画祭』にて、低予算ながら視聴者の意表をついて翻弄する技巧的なストーリー展開が好評を博しました。
脱出ゲームのような謎解きがあり、ゲームを進めていくと徐々にわかる登場人物の人生や裏の顔が、より一層物語に深みを与えます。
劇中では、ジグソウによる恐ろしい「死のゲーム」がいくつか出てくるため、あまりの残虐性にR15指定となっています。
しかし、この映画からは命の大切さを考えさせられます。
表面的には、「死のゲーム」という見せ方をしていますが、裏のメッセージ性が隠されたこの映画を私はオススメします。
それでは、早速解説していきますね。
目次
1.「SAW」の作品紹介
監督: ジェームズ・ワン(James Wan)
出演者:ケイリー・エルウィス(Cary Elwes)、リー・ワネル (Leigh Whannell)、ダニー・グローヴァー (Danny Glover)、ケン・レオン (Ken Leung)、ディナ・メイヤー (Dina Meyer)
2.「SAW」のあらすじ
画像出典:http://eiga-kaisetu-hyouron.seesaa.net/article/165820455.html
続いては、「SAW」のあらすじをご紹介します。
まだ映画を見ていない方は、ネタバレなしだけ見るようにしてください。
ネタバレありでは、衝撃的な事実や、物語のかなり具体的な流れを書いています。
映画を見終わった後に、ネタバレありを読むことで、より理解が深まるように書かせていただきました。
「SAW」のあらすじ紹介(ネタバレなし)
若い黒髪の男性アダム・フォークナーが目覚めると、浴槽の水の中にいました。
アダムは、パニックになりながらも、バスタブの栓を抜いて、水を流しながら起き上がると、光る何かがバスタブの穴に流れていきました。
部屋の中は真っ暗で、何も見えません。
「助けてくれ」と暗闇に呼びかけると、対角線上に、ローレンス・ゴードン博士がいました。
ゴードン博士によって、照明がつけられ、部屋の全貌が明らかになります。
古くて汚い、大きなバスタブの中で2人は右足首を簡単には外れそうもない太い鎖で繋がれていました。
部屋の中央には、頭部が血まみれのうつ伏せの男の死体がありました。
血だまりができており、死体は左手に拳銃を、右手には、小型カセットテープレコーダーが握られています。
ゴードン博士とアダムは、この絶望的状況で犯人が隠したヒントを解き、脱出を試みるが……。
「SAW」のあらすじ紹介(ネタバレあり)
画像出典:http://eiga-kaisetu-hyouron.seesaa.net/article/165820455.html
この状況が呑みこめないアダムは、混乱しました。
ゴードンはアダムよりも先に目覚めており、冷静を保っていました。
ゴードンもアダムもここに来るまでの記憶がなく、気づいたらここにいる状況でした。
殺されてもおらず、臓器も取られていないため、犯人の目的がまったくわかりませんが、部屋を見渡すと、どうやら壁掛け時計だけが新品のようでした。
時間を示したいのだろうという仮説を立て、身の回りからヒントを探すと、アダムのポケットからカセットテープが、ゴードンのポケットからは銃弾とカギが出てきました。
部屋の中央にある死体のレコーダーをアダムが取って再生してみると、テープはアダムとゴードンそれぞれに向けた犯人からのメッセージでした。
おはようアダム。
ここは地下室でお前は死ぬ。
お前はいつも物陰に身を潜め、他人の人生を覗いている。
だが、覗き屋は鏡の中に何を見るか?
私に言わせれば、今のお前の姿は、怒りと恐怖が混じり、ひたすら哀れだ。
お前は今日、自分の死を見るか上手く逃げ出すかだ。
次に、ゴードン博士のテープを再生します。
ゴードン先生、目が覚めたようだな。
毎日、あんたは病院で患者に向かって死を宣告している。
だが今日のあんたは死因そのもの。
あんたの目的はアダムの殺害、時間は6時まで。
そこに倒れてる男は、血液中に毒が回って耐えられず頭を撃って死んだ。
ゲームに勝つ方法は方々に隠されている。
覚えておけ、Xは宝物が眠る場所を示す印だ。
6時までにアダムを殺さなければ妻・アリソンと娘・ダイアナが死ぬ。
そして、ゴードン博士もここで朽ち果てる。
ゲームスタートだ。
2人は、ここから脱出する方法を考えていると、アダム側のトイレのタンクに描かれた、ハートのマークに気付きます。
タンクには、2つののこぎりが入っており、鎖を切ろうとしますが、鎖が太すぎて切ることができませんでした。
苛立ちを感じたアダムがのこぎりを投げると、鏡が割れました。
そして、ゴードンは、のこぎりの意味が「足首を切って逃げ出せ」ということに気付き、2人を拘束した犯人が誰かがわかりました。
このところ『ジグソウ・キラー』と呼ばれる人物です。
ジグソウは、自分の命をおろそかにしている人を捕まえて、自分が作った『死のゲーム』に強制参加させるのです。
最初の被害者は46歳の男性、ポールです。
やぁ、ポール。君は完璧に健康な中産階級の男性だ。
だが、先月手首をカミソリで切った。本当に死にたかったのか?それとも気をひくためか?
今夜答えがわかる、皮肉だな。死にたければそこから出てはいけない。
だが、生きたいならまた体を切るのだ。カミソリ・ワイヤーを抜け出口へ。
だが、急ぎたまえ。3時に扉は閉じここが君の墓となる。
生きるために血を流せポール。
しかし、カミソリ・ワイヤーを抜け出せず、死に至りました。
そして、背中の皮膚がジグソーパズルのように切り取られていました。
このことから、警察は『ジグソウ・キラー』と呼ぶようになります。
ただ、厳密に言えば殺しではなく、死に追い込まれる状況を作っただけという巧妙な手口です。
次に、マークという放火犯がターゲットになりました。
マーク、君は病気だそうだが、写真では元気そうに見えるな。
君が病気かどうか試そう。君の血液中に作用の遅い毒物を入れた。
解毒剤は金庫の中だ。金庫を開ける番号は、壁に書かれている。
早く開けたまえ。足元(ガラス片)に気をつけろ。
ところで、君の体に引火性物質が塗ってある。
ロウソクには十分気をつけろよ。君の放火で死んだ人に復讐されるかもしれん。
解毒剤の入っている金庫の番号は壁に書かれていましたが、部屋は真っ暗。
ろうそくの明かりだけを頼りに読み取らねばならず、マークはろうそくの炎が引火して焼死してしまいました。
ゴードンが犯行に詳しいのは、『ジグソウ・キラー』捜査担当がゴードンへ事情聴取へ来たからです。
犯行現場には、ゴードンのペンライトが残されており、ゴードンは犯人疑惑がありました。
『ジグソウ』の捜査担当3名は、黒人のデイビッド・タップ刑事、相棒の若いアジア系男性スティーブン・シン刑事、女性のアリソン・ケリー刑事です。
タップ刑事とシン刑事が、ゴードンに事情聴取をしましたが、ゴードンにはアリバイがありました。
詳細は濁しましたが、「患者ではない人」との時間があり、アリバイが立証されたのです。
ただ、そのあとに唯一の生存者「アマンダ・ヤング」という女性の話を聞くように言われました。
彼女は、薬物中毒でした。
やあ、アマンダ。
知り合いではないが、私は君のことを知っている。ゲームをしよう。
君の頭の装置は、上下のアゴにつないである。
タイマーが切れるとアゴが割かれる。試しにやってみよう。
〜破壊される模型〜
装置を外す鍵は死体の胃袋の中にある、急げ。生きるか死ぬか、決断しろ。
アマンダは、完全にパニック状態となり、ナイフで男性の身体を裂き、鍵を手に入れていました。
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しかし「死体」と言われた男性は、実は生きており、麻酔で動けずにいただけでした…。
「ゲーム」をクリアしたアマンダのところには、白い仮面に赤い螺旋模様のジグソウ人形が三輪車を漕いでやってきました。
おめでとう。君は、まだ生きている。
多くの人間は、生きていることに感謝しない。
だが、君は違う。今日からはな。
アマンダは、ジグソウに生死を賭けたゲームに挑戦させられたおかげで、生きることのありがたみを感じ、薬物中毒から逸脱できたので、「感謝している」と伝えてきました。
ゴードンがそのことをアダムに話すと、あまりにも情報を知っているゴードンを不審がり、怒り始めました。
そして、アダムはノコギリを投げて、鏡を割ってしまいます。
しかし、割った鏡は、マジックミラーだったのです。
アダムがさらに鏡を割ると、そこにはカメラがあり、監視されているのだと、気付きました。
場面は変わって、ゴードン博士の家族との風景の回想シーンが流れます。
ゴードンは、仕事が忙しく、あまり家族との交流ができていないようでした。
娘のダイアナが、「部屋に男の人がいる」と、妻のアリソンを夜中に起こしに行きました。
ゴードン博士も一緒に見に行きますが、夢だろうと思い、寝かしつけてあげます。
そして、ゴードン博士は「仕事の連絡だ」と家を出て行きました。
そんなシーンをゴードン博士は、手帳の写真を見ながら思い出します。
そのあとに、娘と妻が部屋にいた男にさらわれているとも気づかずに…。
アダムは、手帳の写真を見せてもらっていると、中にはアリソンとダイアナが囚われた写真があることに気がつきました。
さすがにゴードン博士には見せれないと考えて、こそこそと見ていると、Xの場所のヒントがありました。
Xの場所は、目をつぶれば見えてくるものがある
場面は変わって、タップ刑事は相変わらず『ジグソウ・キラー』逮捕のために奮闘していました。
犯行現場に残されたVTRを繰り返し見ていたタップ刑事は、火災報知器のかすかな音に気づき、過去2週間以内に火災報知器が鳴った場所を洗い出し、マネキン工場がアジトだと突き止めます。
相棒のシン刑事と踏み込んだタップ刑事は、拘束された被害者のジェフを見つけました。
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犯人も見つけますが、ブタのマスクに赤いマントを着ているため、誰だか特定ができません。
犯人逮捕と人命救助のどちらを優先すべきか悩んだタップ刑事は、ふとした瞬間に犯人に首を切られてしまい、逃がしてしまいました。
シン刑事は、急いで犯人を追いかけますが、罠にやられてしまい、死んでしまいます。
タップ刑事は命を取り留めたものの、刑事を辞職してジグソウの招待を徹底的に暴こうと行動していました。
アダムとゴードンが浴室でゲームを強いられている頃、ゴードンの妻・アリソンと娘・ダイアナは、自宅で拘束されています。
アリソンとダイアナを拉致したのは、ゴードンの勤務先の病院の雑役係・ゼップでした。
アダムとゴードンの場面に変わり、アダムはXのヒントを探すために「あかりを消そう」と言います。
すると、夜光塗料で塗られたXの文字が浮かび上がり、その壁のタイルをゴードンが破壊すると、箱が出てきました。
箱を開けると、携帯電話とタバコが2本、手紙が入っています。
静かに、先生。タバコは無害だ。
しかし、血に染まる時に毒性が出る。
アダムを殺すのに銃はいらない。
携帯電話で外部に電話しようと考えたゴードンですが、電話は着信専用でした。
落胆したと同時に、地下の駐車場で電話をかけた時に、赤いマントで豚のマスクをつけた人物に襲われたことを思い出しました。
ここで、ゴードンは良いアイデアを思いつき、アダムに狂言自殺をしろと、あかりを消して、ひそひそ声で打ち合わせします。
血のついていないタバコを放り、アダムはそれを吸い、毒が回って死ぬ演技をしました。
ゴードンは「殺した」とカメラに向かってアピールしますが、アダムの鎖に電流が流れ、嘘がばれてしまいます。
電流のおかげか、アダムも捕まった時のことを思い出します。
アダムが暗室で写真現像をしていると、停電が起きました。
暗闇の中で、ストロボを焚きながら移動していると、リビングでジグソウ人形を発見しました。
さらに、クローゼットに向かってストロボを焚くと、ブタマスクの人物が存在し、その瞬間に拉致されたのです。
ゴードンが持っていた着信専用の携帯にかかってきた電話に出ると、娘・ダイアナからでした。
妻のアリソンに電話は代わり、妻からこう伝えられました。
アダムはそこにいる?彼を信じちゃダメ。前からあなたのことを知ってるのよ。
ゴードンはアリソンの発言をアダムに告げ、アダムは正直に白状します。
アダムはカメラマンとして、連日ゴードンを尾行し、写真を撮っていたのです。
アダムは、元刑事のタップに雇われて行動していました。
アダムの写真の中には、ゴードンの自宅2階の写真があり、窓に写っている人が、雑役係のゼップだとゴードンは気付きました。
同時に、時間は6時になります。
ゼップは母娘のところへ移動し、殺害をしようとしますが、失敗してしまいます。
アリソンとゼップが争っているのを見て、タップも向かいのゴードン家に乗り込みました。
タップは、アリソンとダイアナを逃すことに成功しますが、ゼップに射殺されてしまいます。
その頃、ゴードンは一刻も早く事態を解決しようと、のこぎりを持つと、自分の足首を切断し始めました。
足首を切断して自由になったゴードンは、死体のそばにある拳銃に銃弾を込めると、アダムの肩を撃ちます。
カメラに向かって、「アダムを殺したから、家族に会わせてくれ」と要求しました。
ゼップは、「もう遅い、ルールだ」とゴードンを殺そうとしますが、致命傷を逃れていたアダムが起き上がり、ゼップを撲殺しました。
ゴードンはアダムに、助けを呼びに行くため、這いながら外へ出ていき、アダムが残されました。
アダムは、鎖の鍵を持っていないかと、ゼップのポケットを探るとゼップのポケットから、テープが出てきます。
やあ、ヒンドル君。でも、病院でのようにゼップと呼ぼうか?
今から選択権をやる。君の体に作用の遅い毒を注入した。
解毒剤を持つのは私だけ。もし助かりたいなら、ある母娘を殺すのだ。
ゼップもまた、ジグソウの被害者だったのです。
愕然とするアダムは、さらにありえない光景を目にします。
部屋の中央でずっと横たわっていた死体が、急に起き上がったのです。
なんと、その人物こそがジグソウでした。
ジグソウの正体は、ゴードン医師に末期の脳腫瘍ガンと宣告された、ジョン・クレイマーという患者でした。
アダムはあっけに取られつつ、ゴードンがジグソウについて語った「犯人は常に最前線で見物している」という言葉を思い出します。
ジグソウは、アダム脱出のヒントを与えました。
鎖のカギはバスタブの中だ。
しかし、映画冒頭で浴槽の水と共に、最初に流れていった光る何かこそが、鎖のカギだったのです。
そして「ゲーム・オーバー」と呟くと、アダムを放置したまま、部屋の扉を閉められ、この映画は幕を閉じます。
3.「SAW」の見どころ
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続いては、「SAW」の見どころを紹介していきます。
この映画は、謎や伏線が多く存在し、考察する箇所がたくさんあるんです……!
かなり、深掘りした考察を書いていますので、ぜひ一緒に考察しながら読んでいくと、よりこの映画を楽しめます。
アダムは一体何者だったのか?
ゴードン博士は、ジグソウを患者として丁寧に寄り添えていなかったから、ゲームに参加させられましたが、アダムは一体何者だったのでしょうか?
劇中では、アダムについての情報はカメラマンだということくらいしかわかりません。
アダムは、ゴードンの写真を撮っていただけなので、それだけなら殺害対象とされる理由にはならないように思えます。
しかし、アダムの行動には不審な点が多数あります。
例えば、アダムがいきなり服をめくり、腹を調べたことはなぜなのか?
ゴードンに対するジグソウの命令がアダム殺害だったにも関わらず、全く驚いていないこと。
溺れかけて浴槽から起きあがったときまでは、パニック状態だったアダムが、死の宣告を受けたときはなぜ淡白な反応をするのか。
さらに、テープレコーダーを最初はゴードンに渡さなかったのに、2度目にゴードンが要求したときはあっさりと投げて渡したこと。
この事件に巻き込まれた以上、アダムにはジグソウと何らかのつながりがあると考えるのが妥当でしょう。
ここから、思い起こされるのはジグソウ事件の被害者で、放火犯のマークの事件です。
ジグソウはマークにこのようなメッセージを残しました。
君は病気だそうだが、写真では元気そうに見えるな
ジグソウは、病気のため自由に動くことができません。
だから、ターゲットを監視するために写真を撮っていたのです。
この写真は、アダムが撮ったものだと考えられます。
つまり、ジグソウとアダムは共犯者だったということです。
だから、アダムはジグソウの犯行を熟知しており、すぐにお腹を確認したのです。
以前、アマンダの事件で使った手口は、目の前の死体の腹をナイフで切ることでした。
ジグソウのゲームであの腹を裂かれた男と同じ、死体役をやらされるのではないかと疑ったのです。
アダムは、なぜゲームに参加させられたのか?
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アダムは、ジグソウの共犯者でしたが、なぜゲームに参加させられたのでしょうか。
映画の最後にジグソウからゲームオーバーと告げられたことから分かるのは、アダムがジグソウを裏切ったということです。
ジグソウは被害者を拉致し、ゲームに参加させるための準備段階に、アダムの写真と報告を使っていました。
アダムは金さえもらえば、沈黙を守る男でしたが、元警察のタップにジグソウの情報を流してしまったのです。
相棒のシン刑事を殺されたタップは、警察を辞めてまでジグソウ事件の捜査にのめり込んでいたため、ジグソウがアダムにリサーチを託していることを知っていました。
アダムは金でジグソウを売り、タップに次のターゲットがゴードンであることを教えたのでしょう。
タップがゴードン宅前で張り込みをしていたのは、ゴードンがジグソウではないかと疑っていたからではなく、次のターゲットであるゴードンを見張って、ジグソウが姿を現すの待っていたからです。
アダムはジグソウに嘘をつき、ジグソウを売りました。
アダムとイヴの物語では、天上の楽園で暮らすアダムとイヴは神にリンゴを食べてはならないと言われていたのに、リンゴを口にします。
怒った神は彼らを地上へと追放しました。
ジグソウは、ゲームを作る側なので、いわばこのゲームの神です。
アダムの名前は、このことから由来していると考えられます。
ジグソウの目的とゲームから伝えたかったこと
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ジグソウは、劇中でこんなことを言っています。
俺の体の内部は病に侵され
感謝を知らん連中に苛立ち
他人の苦痛を笑う奴らに怒る
ウンザリだ
ジグソウは、自分の体に不治の病を抱えています。
だからこそ、ジグソウは生き方に悩み、周囲で「命」を大切にしない人がいると、憎いのでしょう。
ジグソウにとってのゲームは、憂さ晴らしでもあり、その人に本当に大切なことを気づいてもらうためのものでもあります。
『生』を軽んじている人、『命』を尊重しない人に対して、自分の『生命』が大切だと思うなら、多大な犠牲を払ってでも生き延びてほしい。
そして、生きる意味を見出させるためにゲーム行っています。
ジグソウのゲームに出てくるヒントは、人生のヒント?
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ジグソウのゲームに出てくるヒントは、人生においても重要なヒントなんです。
ゲーム中のヒントでは、以下のようなものが出てきましたね。
・時間を意識しろ
・ハートに従え
・Xの場所、目をつぶれば見えてくるものがある
ジグソウのゲームは、一つの人生と言えるでしょう。
時間は有限だということ、自分の心に向き合って生きろということ、目に見えるものばかりを追い求めてはいけないということ。
人生も同じことを意識するだけで大きく変わります。
「死」というタイムリミットがある中で、自分の心に向き合って正直に生きる人はきっと人生が楽しいものになるでしょうし、自分の心の声を無視して、ひたすら我慢して、目の前の「安定」ばかり見て「やりたくないことをした人生」を送ってしまう人もいます。
あの短い時間で、人生の大切なヒントを伝えているジグソウはすごいですね。
あんなに苦しい状況を経験して、生き残ったゴードン博士はきっとこれからこの3つのヒントを大切に、人生を過ごすでしょう。
目の前の仕事ばかりに追われて家族との生活をおざなりにしてしまっていた人生を考え直すキッカケになったのではないでしょうか。
4.ライターやぶなおの視点から見た「SAW」
画像出典:http://eiga-kaisetu-hyouron.seesaa.net/article/165820455.html
「SAW」は、「生命」の大切さを学ぶことができる映画です。
ゲームの中では、タイムリミットがあって、死を実感できるレベルのプレッシャーがあります。
でも、「生命」にもタイムリミットがあり、時間の長さが違うだけで条件は一緒なんですよね。
人生では、時間を永遠のように感じられ、生命の大切さを感じることが薄れてしまいます。
ジグソウは、そんな生命の大切さを忘れてしまった人へゲームを執行しました。
人が本当の意味で変われるときというのは、今回のように絶望するほどの経験を味わうことだと思います。
失敗を経験した人ほど、人生を大切に過ごすことができます。
死にたければそこから出てはいけない、だが生きたいならまた体を切るのだ
というジグソウの言葉がありましたが、生きたいならたくさん傷を追う失敗をしながらでも行動していくことが大切なのでしょう。
行動して傷つくことを恐れて、何もできない時というのは、ある意味「死」なのかもしれません。
私たちの日常にこの学びを落とし込むのなら、どんな死に方をしたいのかを考えてみることでしょう。
自分が死ぬ時のことなんて想像することはありませんよね。
だから、こそ死に際をイメージして、そのときのために日々を無駄にしないことが大切です。
死ぬときに「自分のやりたいことを実現して、周りにも感謝される人生だった」と思うか、「自分の気持ちを我慢して、結局やりたいことができない人生だった」と思うかは、どれだけ自分の「死」を意識できるかが大切でしょう。
あなたは、自分が死ぬ時にどんな想いで過ごしたいですか?
そのために今行動できることは、どんなことでしょうか?
5.「SAW」はこんな人におすすめ
画像出典:http://eiga-kaisetu-hyouron.seesaa.net/article/165820455.html
「SAW」は大人向けです。
表現がグロテスクな部分もあり、苦手と感じる方もいるかもしれません。
特に、日常での悩みが深い方や、刺激を欲しているような方には特にオススメできます。
映画の考察が好きな人にとっても、たまらない映画です。
サイコパスや、スリル映画が好きな人
「SAW」は、死のゲームのスリルがすごくて、シンプルにサイコスリラー映画として楽しんでもかなり面白いです。
わかりやすいストーリーと、緊迫感のあるゲームに終始ハラハラしながら楽しむことができます。
映画をみる時にぜひ意識してほしいのが、「なぜ、ジグソウはこのようなゲームを作ったのだろう?」という視点を持ってみてみることです。
ジグソウの考え方がわかると、残虐だけではないある種の過激な愛のようなものを感じることができます。
脱出ゲームや推理映画が好きな人
「SAW」が上映された頃にはまだなかった言葉だと思いますが、「元祖・脱出ゲーム」と考えてみても面白いかもしれません。
あの脱出不可能とも思える空間にて、繰り広げられる推理と展開は圧巻です。
一つ一つの言葉に伏線が隠されていることもあって、推理や考察が好きな人には、ぜひおすすめしたい映画です。
今、悩みや不安を抱えている人
「SAW」では、ゲーム参加者の悩みを強引に解決する姿が見れます。
さすがにあのゲームをリアルで体感することは恐ろしいですが、自分の悩みがゲーム参加者と重なってしまう人には、ぜひ自分の生き方を考え直して、学びに変えてほしいなと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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