映画『ロケットマン』エルトン・ジョンの曲に秘められた愛と孤独

こんにちは!エンタメブリッジライターのriezoです!

今回はエルトン・ジョンの半生を描いた映画「ロケットマン」をレビューします!

エルトン・ジョンと言えば数々の名曲を生み出したイギリスの天才音楽家。

エルトン・ジョンをあまり知らない人でも、曲を聴けば「あ、これ知ってる」ということも多いと思います。

その派手な衣装パフォーマンスや素晴らしい楽曲だけでなく、同性愛者であることや薬物・アルコール依存、そして更生施設への入所とそこからの復活など、まさに映画のような波乱の人生もまたエルトン・ジョンという人物を描くうえで重要なファクターです。

「ロケットマン」の監督は、あのボヘミアンラプソディの最終的な監督であるデクスター・フレッチャー。

そのせいもあって何かとボヘミアンラプソディと比べられることも多いようです。

そしてエルトン・ジョンのファンの中には、映画のストーリーと楽曲の時間軸が事実と異なることへの違和感や批判を表す人も。

確かにコアなエルトン・ジョンファンではない私でも、あれ?この曲ってこの時代だっけ?と自分の青春時代に聞いていた曲とストーリーの中の時系列が合わなかったりして「???」となったりもしました。

しかし最初に言っておくと、この作品は伝記ではなくエルトン・ジョンの人生と彼の楽曲をベースにしたミュージカルファンタジーなのです!

ファンにとっては言いたいことも山ほどあるかもしれませんが、1つの映画としてはとても楽しめる作品だと思います。

というわけで、映画「ロケットマン」をミュージカル作品としてどう評価できるのか、という視点でレビューしていきたいと思います!

1.「ロケットマン」の作品紹介

公開日:2019年8月23日(イギリス・アメリカ)
監督:デクスター・フレッチャー
脚本:リー・ホール
製作総指揮:エルトン・ジョン
出演者:タロン・エジャトン、ジェイミー・ベル、ブライス・ダラス・ハワード、リチャード・マッデン、チャーリー・ロウ、ジェマ・ジョーンズ他

公式サイト:https://rocketman.jp/

2.「ロケットマン」のあらすじ


画像出典:https://rocketman.jp/

エルトン・ジョンは子供のころから両親の愛情に飢えていた少年でした。

そんなエルトン・ジョンの人生をあらすじを追いながら見てみましょう。

これから映画を観る方はネタバレなしのあらすじだけ読んで見どころに進んでくださいね!

「ロケットマン」のあらすじ(ネタバレなし)

扉が開く。

逆光の中を歩いてくるのは、オレンジ色の悪魔の衣装にサングラスをかけた中年男。

怒ったような足取りで廊下を進んでいく。

これからコンサートのステージへと向かっていくのか?

突き当りの扉を開くと、そこにはまばゆいライトや大勢の観客が待っているのではなく、数人の男女が輪になって椅子に座っていた。

そう。ここは依存症の人のためのリハビリ施設だったのだ。

オレンジの悪魔はエルトン・ジョン(タロン・エジャトン)。

エルトンはみんなの前で自分の生い立ちについて話し始めた。

レジナルド・ドワイト(エルトン・ジョンの本名・愛称レジー)の家庭は、派手好きで上流社会に憧れている母親のシーラ(ブライス・ダラス・ハワード)と祖母のアイヴィ(ジェマ・ジョーンズ)、そして兵役でほとんど家にいない厳格な父親のスタンリー(スティーヴン・マッキントッシュ)の4人家族。

母親と父親は仲が悪く、レジーのことにも無関心。

ただ1人祖母のアイヴィだけが何かとレジーの味方になって世話をしてくれているような家庭だった。

レジーには音楽に関して天才的な才能があり、1度聴いただけの曲を完璧にピアノで弾けてしまうのだ。

そんなレジーの才能を知った祖母のアイヴィは、レジーに本格的なピアノのレッスンを受けさせる。

両親から愛情をかけられなかったレジーにとって、音楽が唯一心のよりどころとなり、オーケストラの指揮をしているところを空想しては、独りぼっちの寂しさを紛らわしていた。

レジーが11歳になると、ピアノの教師にすすめられて王立音楽院のオーディションを受けることになった。

このときも、オーディションの試験官が弾いていたトルコ行進曲を1度聴いただけで完璧に再現してしまったレジー。

みごと王立音楽院に合格し、そこから本格的に音楽の英才教育を受けることになった。

しかし家庭の中はさらに冷え切った状態に。

ついに父と母は大喧嘩をし、父親のスタンリーは家を出て行ってしまった。

自分を抱きしめてくれることもなく父が去って行ってしまったことにひどく傷つくレジー。

そんなレジーをなぐさめるのは祖母のアイヴィだった。

その後レジーはプレスリーのレコードを聴いてロックに目覚める。

プレスリーのようにリーゼントをして学校に通いはじめ、仲間とブルーソロジーというバンドを組んで小さな店でライブ活動を始めた。

ブルーソロジーはアメリカのソウル歌手たちのバックバンドとしても活動していたが、やがてレジーは自らミュージシャンとして成功することを夢見るようになった。

そしてある日、自分の名前をバンドメンバーの名前でもある「エルトン」に変え、新聞の募集広告を見てレコード会社を訪ねた。

そこで応対したレイ(チャーリー・ロウ)は、ピアノの即興演奏をしたエルトンに感心し、歌詞が書けないというエルトンに1つの歌詞を渡して曲をつけるように言った。

その歌詞を書いたのは、作詞家を目指すバーニー・トーピン(ジェイミー・ベル)だった。

すぐに意気投合したエルトンとバーニーはこの後ずっと2人で曲を作り続けることになる。

ある時バーニーは1つの歌詞をエルトンに渡した。

エルトンは実家のピアノの前に座り、少しずつメロディーを作っていく。

バーニーとアイヴィはその美しいメロディに感動し、こうして「Your Song」が完成した。

今まで2人の楽曲に渋い反応をしていたディックだったが、ついに彼らの才能を認め「Your Song」のレコーディングを開始、アルバムをリリースすることになった。

そしてロサンゼルスの老舗ライブハウス、トルバトールでデビューライブをすることが決まる。

トルバトールは名だたるアーティストたちがライブを行っている憧れのライブハウス。

エルトンとバーニーはついにアメリカでのミュージシャンデビューの夢を果たしたのだった。

「ロケットマン」あらすじ(ネタバレあり)


画像出典:https://rocketman.jp/

さて、ここからネタバレありです。

エルトン・ジョンの名曲「Your Song」はバーニーとエルトンがアパートから追い出され、2人で一緒に住んでいたエルトンの実家でできあがりました。

別に2人はゲイの関係ではなく、レコード会社のレイとディックが、ビートルズのポール・マッカートニーとジョン・レノンが一緒に住んで制作活動をしていたことにこじつけて、無理やり2人を一緒にアパートに住まわせたのです。

エルトンはアパートの大家(女性)と付き合っていたのですが、そのころ自分は同性愛者ではないかとも気づき始めていました。

そしてそれを打ち明けたとたん、アパートから追い出されてしまったというわけです。

ところで、バーニーとエルトンは今でも一緒に曲を作っており、若い頃から50年間喧嘩をしたことがないと言っています。

映画のなかでは言い争うシーンもありますが、決定的に決裂してしまうことはなかったのですね。

さて、そんなこんなでLAの老舗ライブハウス、トルバトールでデビューライブを飾ることになったエルトン・ジョン。

意外に狭いんだな、などと拍子抜けしたようですが、そこでは前夜ニール・ヤングが満員の客を前に演奏しています。

有名アーティストがライブを行うたびに店内は満員、店の前には行列ができる、って、これ店側の意図的なバンドワゴン的マーケティングなのかな。

そしていよいよステージの時間が近づいてくるのですが、興奮した様子でバーニーが控室に飛び込んできます。

客席にはニール・ダイヤモンドやビーチ・ボーイズなど当時のミュージックシーンの一流シンガーたちも見に来ていたのです。

有頂天になっているバーニーとは対照的にエルトンは、そんな一流シンガーの前で歌えるわけないやろー!と、たちまち自信を失くしてしまいトイレに籠ってしまいます。

しかし、ここまで来るのにどれだけの金がかかってると思ってるんだっ!と怒ったレイに説得され、覚悟を決めてエルトンはステージに向かいました。

ところがこのライブが大成功。

オーバーオールを着て、立ち上がり、片足を蹴り上げながらノリノリでピアノを弾いて「Crocodile Rock」を歌いまくるエルトンに観客は大喜びです。

エルトンは熱狂している観客たちと自分がまるで宙に浮いているかのような気分になります。

しかしここからエルトンのスターとしての栄光と苦悩の道が始まるのですがね・・・。

このステージを店の端っこでじっと見ていたのが、のちのマネージャーであり恋人にもなるジョン・リード(リチャード・マッデン)。


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ライブ後のパーティーでエルトンに近づいたジョンは

君ならアメリカで成功する。

と、その才能を評価します。

そしてこの後2人は恋に落ち・・・。

話は逸れますが、この作品のレイティングはPG12となっています。

「子供には見せられない!」

そう考えた映画会社から内容を変えるように言われたらしいですが、製作総指揮として参加しているエルトン・ジョン本人は「僕の人生は子供になんて見せられるもんじゃない」と言ったとか・・・。

確かに激しい人生です。

ドラッグに同性愛、アルコール依存・・・。

でも確かに、こういう伝説的ミュージシャンの実話をもとにした作品で、レイティングを気にした無難な表現をしていたら面白くもなんともなくなるわよね。

ということで、激しく体を絡ませるエルトンとジョンなのでした。

トルバトールでの公演後、アメリカで人気が爆発したエルトンは、新聞各社にも「ロック界の新星!」と評価され、一気にスターダムにのし上がります。

その後もイギリスに戻って新アルバムを制作し、キキ・ディーとデュエットで「Don’t go Breaking My Heart」をリリースしたりして、スターとしての地位を確立させていくのでした。

そしてその頃、アメリカからやってきたジョン・リードと再会します。

エルトンはディックとレイの元を離れ、恋人であるジョンのマネージメントで派手な生活をしながら、さらに世界に名を馳せていくのです。

しかしそれほどの成功をおさめたエルトンですが、心はいまだに愛を求める少年のままです。

子供の頃に家を出た父親は再婚して、新しい家族と暮らしていました。

ある日、そんな父親の元を訪ねたエルトン。

ショパールの高級腕時計をプレゼントするも、父親は相変わらずエルトンには興味がない模様。

コンサートチケットを贈ろうとしても、好みの音楽ではないと断られ。

レコードにサインをたのまれても、会社の同僚に頼まれたから仕方なくというそっけない態度。

しかも、あんなに厳格で子供に興味のなかった父親が、再婚してできた子供を抱き上げているのです。

こんな大人になって音楽家として成功してからも、まだ親に愛されず心を傷つけられるエルトン。

恋人であるジョンからも、2人の関係は世間には内密にしなければいけないと言われます。

そんな窮屈で苦しい生活に耐えられなくなったエルトンは、ついに母親に同性愛者であることをカミングアウトしてしまいます。

ところが母のシーラが放った言葉は

ずっと前から知っていたわ。

どうでもいいこと。

誰からも愛されないわよ。

がーん。ツライ。

さらに追い打ちをかけたのが、ジョンに新しい年下の恋人ボーイができたこと。

もうエルトンはボロボロです。

ジョンを追い出したいけれど、マネージャーとして頼っていたためにそれもできないというジレンマ。

エルトンはどんどん酒とドラッグに溺れていきます。

そしてとうとう、家族や友人を家に招いたパーティーの場で、大量の薬を飲んでプールに飛び込んでしまいました。

プールに沈みながら子供の頃の自分の幻を見るエルトン。

命はとりとめましたが、エルトンの生活と心はさらに荒れていきます。

そんな追い詰められた精神状態にいても、ツアーのチケットは常に完売。

スケジュールは待ってくれません。

ボロボロの心や体でも、ステージにあがればキラキラした衣装でド派手なパフォーマンスを観客に見せつけるエルトンを見て、ついにバーニーはこう言います。

2人で俺のおやじの農場に身を隠して、また昔のように曲を作ろう。


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しかしエルトンはそんなバーニーにこう言い返してしまいます。

帰りたけりゃ帰ればいい。

他の人と組むいいチャンスだ。

バーニーも離れてしまい、ジョンとの関係も最悪で、ますます孤独になるエルトン。

しかし、とあるレコーディングでレネーテ・ブリューエルという女性と知り合います。

レネーテはエルトンの孤独を理解してくれる唯一の女性でした。

そしてなんとエルトンはレネーテと結婚するのです。

しかし当然ながらそれも長く続かず、結果的にレネーテを傷つけることになってしまいました。

一方、母シーラからは別荘を買うからと金の無心をされます。

あ、ちなみに母もとっくの昔に再婚してます。

母シーラは、エルトンの父、スタンリーをあきらめたのはあんたのためよ、なんて勝手なことまで言い出す始末。

さすがにエルトンも頭に来て、シーラに向かって挑発的な言葉を投げかけます。

成功はいいもんだ。

人間が知っているすべての麻薬も試した!

これにシーラもぶち切れ。

子供なんか持つんじゃなかった!

大人になっているとはいえ、子供に向かって言ってはいけない一言です。

とことん打ちのめされ涙を流すエルトン。

再びバーニーに

助けを求めることは弱さじゃない。

と言葉をかけられます。

しかしエルトンは、自分が1番彼を必要としているときに去って行ったと言って、バーニーを責めてしまいます。

そしてそんな時でもコンサートのチケットはソールドアウト状態。

ステージは待ってくれません。

マディソンスクエアガーデンでは、観客たちがエルトンの登場を待っています。

控室で衣装を着て準備をするエルトン。

冒頭のオレンジの悪魔の衣装です。

そして立ち上がり、ステージへ・・・・

と思いきや、そのままタクシーに乗って依存症のリハビリ施設へと入っていくのでした。

ここで最初のシーンにつながるのですね。

施設で何度も自己開示をしていくうちに、やっとエルトンは胸の内に秘めていた孤独感や寂しさと向かい合うことができました。

最後には自分の両親を許すこともできたのです。

そして幼いころ親に抱きしめてほしかった自分を、自分自身で抱きしめてあげます。

ある日、リハビリ施設でモップをかけているエルトンのもとにバーニーが訪れます。

そして歌詞を手渡し、曲を作れと言います。

施設にピアノはあったものの、エルトンは1度も触れていませんでした。

ここからは自分の足で立ち上がれ。

お前は俺の兄貴だから。

バーニーはそう言い残して立ち去りました。

ピアノの前に座り、バーニーから渡された歌詞を眺めていたエルトン。

そして「I’m Still Standing 」を歌い始めるのでした。

3.「ロケットマン」の見どころ


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最初にも書いた通り、「ロケットマン」はエルトン・ジョンの半生を実話をもとに作ってはいるものの、楽曲との時系列など事実とは異なるところがたくさんあります。

この作品をエルトン・ジョンの伝記として観てしまうとかなりモヤモヤしてしまいそうですが、伝説的なミュージシャンを描いたファンタジー作品として観ればかなり評価は良いのではないかと思います。

そんな観点から「ロケットマン」の見どころをご紹介していきます。

ミュージカル・ファンタジー映画としての完成度


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いきなりオレンジ色の悪魔の衣装とサングラス姿でバーン!と登場するシーンから映画は始まります。

私はもうこの最初の登場シーンでかなりハートを鷲掴みにされました。

うわ!来たぁっ!

という期待感がつのるシーンです。

あのボヘミアンラプソディの最終監督だったデクスター・フレッチャーがメガホンを握っているというのが分かるような気がする場面でもあります。

フレディがライブエイドのステージに上がっていくあのシーンのオマージュじゃねーか?!とも思えなくもないエルトン登場のシーンから一転して、依存症のリハビリ施設のメンバーの前で静かに自分の過去を話始めるのです。

いきなりグイグイと話に引き込んでいく感じがさすがだなと思われる演出。

そしてさらに、「Saturday Night’s Alright For Fighting」に合わせてタロン・エジャトンが歌って踊るダンスシーンは壮観です!

このダンスシーンで、11歳から18歳までレジーがどんな音楽に影響を受けたかというのを、さまざまな音楽や演出で表現しています。

これもミュージカルならではと言える素晴らしい見せ方だと思います。

そして、数あるコンサートシーンでエルトンが着ているド派手な衣装も見どころの1つ。

当時のエルトン・ジョンを知らない若い人も、奇抜なファッションに度肝を抜かれながらも楽しめるでしょう。

特にアメリカデビューのときのライブで観客とともに空中に浮かんじゃうシーンなんて、ファンタジー映画だからこその演出です。

ボヘミアンラプソディと比べて低い評価をしている人もいますが、そもそもボヘミアンラプソディとロケットマンでは作品のジャンルが違うので、比べることに意味がないのではと思います。

エルトン・ジョンの美しい楽曲

何はなくともエルトン・ジョンの名曲たちがなければこの映画は成り立ちません。

確かに時系列的には事実とずれているものがたくさんあります。

例えば、「I Want Love」は2001年に発表された「Songs From The West Coast」に収録されている曲です。

しかし「ロケットマン」の中では、子供時代にレジーやシーラ、スタンリーがそれぞれ順に歌いつないでいっています。

また、最後にリハビリ施設でバーニーに渡された歌詞を見てエルトンが歌い始める「I’m Still Standing」。

このシーンでは当時のMVを再現していますが、これも発表されたのは1983年。

まだリハビリ施設に入る前の曲です。

しかしそれぞれのシーンに最もふさわしい曲を使うことで、歌詞に対してさらにシンパシーを感じたり、登場人物の心情をセリフ以上に表すことができているのです。

それが可能となったのは、エルトン・ジョンの素晴らしい楽曲があってこそのことですよね。

大スターとしての人生の光と影


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「ロケットマン」はエルトン・ジョンの闇を描いた作品です。

親との関係、ドラッグ依存、アルコール依存、同性愛。

「スター」と言われる地位を手に入れると同時に、人生の中の何かをなくしていく。

良く映画でも見られるお決まりのパターンです。

つねに苦悩や堕落という影がセットでついてきますよね。

しかしこの作品では、それらのエピソードが事実だということです。

エルトン・ジョンももれなく成功すればするほど孤独になり、スポットライトを浴びる傍ら深い闇へと落ちていきました。

しかも子供の頃から両親に愛されず、つねに「愛をください」状態。

でもそんなエルトンは依存症のリハビリ施設で自分と向き合います。

まさに、交流分析的カウンセリングの効果ここにありという感じですが、自分を取り戻していくというより新たな自分になっていくのです。

ちなみに、エルトン・ジョンはリハビリ施設を退所後、「エルトン・ジョン・エイズ基金」を立ち上げて世界中のAIDS/HIV患者の支援をしています。

タロン・エジャトンが演じるエルトンジョン

「ロケットマン」で17歳から40歳までのエルトン・ジョンを演じたのは、タロン・エジャトン。

映画「キングスマン」で一躍世界にその名が知れ渡ることになったイケメン俳優です。

エルトン・ジョンを演じるにあたって、髪を剃り、前歯をすきっ歯にしたそうですよ!

ボヘミアンラプソディでフレディを演じたラミ・マレックがそうだったように、今回も映画をずっと見ていると、もうタロン・エジャトンがエルトン・ジョンにしか見えなくなってくるからすごいです。

実はタロン・エジャトンさん、この「ロケットマン」を演じる前には「SING/シング」にゴリラのジョニーの声で出演し、エルトン・ジョンの「I’m Still Standing」を歌っていたんです!

さらに「キングスマン:ゴールデン・サークル」にはエルトン・ジョンも出演し、タロン演じるゲイリーが、誘拐されたエルトン・ジョンを救出するというストーリーになっています。

「ロケットマン」以前からエルトン・ジョンとタロン・エジャトンは縁があったということでしょうか。

作品の中ですべての歌はタロン本人が歌っていますが、実際にはそれほど歌の特訓をしていないそうです。

でもその歌声も素晴らしく、元々歌唱力があったということでしょう。

恋人のジョン・リード役のリチャード・マッデンとの濃厚なラブシーンにはドキドキしてしまいます。

4.「ロケットマン」で描かれた悲しき天才とは


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「ロケットマン」はミュージカルファンタジー映画です。

しかしそのストーリーは、伝説的なミュージシャンであるエルトン・ジョンの半生という「実話」がベースになっています。

作品の中に出てくる人物とのエピソードや、エルトン自身が経験した自分の「闇」との対峙はすべて本当にあったこと。

彼の当時のコンサートの様子は今でも動画サイトなどで見ることはできますが、そこには子供のころから愛情を欲しがっていた孤独な人間の影は見えません。

奇抜でキラキラしたバカみたいな衣装を着て、いわば道化のようにステージに上がっていた。

闇が深くなればなるほど、その反動のように光が当てられる部分の絢爛豪華さが増していく、そんな気がしました。

成功を手に入れた人間の周りには、その栄華のおこぼれを求めて集まってくる人も多いでしょう。

けれど、その中に自分を理解してくれる人がどれだけいるのか。

孤独感は、1人ぼっちのときよりも大勢の他人に囲まれているときのほうが強く襲ってくることがあります。

周りに大勢の人がいるのに自分を分かってくれる人は誰もいないのか、たった1人しかいなくてもその人が自分のことを理解してくれているのか。

どちらが満たされた気持ちになり安心するのかは歴然としていますよね。

エルトンにとって、唯一の理解者はバーニーです。

実際の彼らも、この映画の試写会に出席していました。

タロン・エジャトンやジェイミー・ベルなどの出演者は、この2人がどんな反応をするかハラハラしていたそうです。

しかし、上映中エルトンとバーニーはお互いに膝を握り合って泣いていたと言っています。

エルトン・ジョンはレネーテと離婚したあとで男性の恋人と再婚しましたが、バーニーとの間には恋人以上の深い絆があるのでしょう。

映画の最後のクレジットで、エルトン・ジョンは2018年に子供たちを育てるため、コンサートツアーから引退していると書かれています。

夫のデヴィッドからは「きちんと」愛されている、とも。

「愛がほしい」と思い続けていた彼が作ったたくさんの楽曲は、これからもきっと世界中の人から愛されていくことは間違いありません。

5.「ロケットマン」をおすすめする人


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ボヘミアン・ラプソディのときほど、世間の盛り上がり方にヒートアップを感じられなくもない「ロケットマン」。

エルトン・ジョンファンだけでなく、こんな人たちにも観ていただきたいです。

エルトン・ジョンを良く知らない人

むしろエルトン・ジョンをあまり良く知らない人のほうが先入観なく楽しめるのかなと思います。

曲の時系列とかよけいな情報にモヤモヤすることなく、1人の人間の闇や孤独を感じながら音楽を楽しむことができるのではないかと。

「エルトン・ジョンっていう、キテレツな衣装を着て派手にパフォーマンスしていたミュージシャンの話らしいけど面白いよ。」

それでいいと思います。

ミュージカルが好きな人

ミュージカル苦手っていう人には苦行のような2時間になってしまうかも。

エルトン・ジョンの曲知らない~っていう人でも、ミュージカルは大好物!という人なら十分に楽しめる作品です。

それはなぜか。

やはりエルトン・ジョンが作る曲が素晴らしいから。

そこに尽きるのですがね。

エルトン・ジョン、または彼の曲を知りたい人

CMで流れたりいろいろな人がカバーしているのを聞いて、曲はいくつか知っていたけれどエルトン・ジョン本人については知らなかったという人。

そんな人にもおすすめの映画です。

たとえば「Your Song」という歌。

歌詞の内容は恋人に向けてのラブソングだと思っていたんです。

でも映画を観て、これはバーニーからエルトンに書かれた歌だったんだ、と思ったんですね。

そう思ってもう1度歌詞を読むと、感じ方がまったく変わるんです。

今まで知っていた曲でも、違う捉え方ができるようになるかもしれない。

そんな気がします。

伝記モノが好きな人

私などはこのクチですが、すでにある程度知っている人物の人生のストーリー、エピソードを知りたいという人。

しかもエルトン・ジョンはまだ存命ですから、過去の人生を知ったうえで、今の彼をあらためて見ることができるという。

いろいろな言動のベースとなっている経験や考え方が分かると、その人物に対する見方も変わったりしますしね。

まさに事実は小説より奇なり。

でもちゃんとエンターテイメントとして見せてくれる作品です。

ファンタジーとしてね。

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