【塔の上のラプンツェル】魔女ゴーテルの歌に学ぶ最強の毒親対策

塔の上のラプンツェル ポスター

こんにちは、エンタメブリッジライターしおりです。

今回はディズニー映画「塔の上のラプンツェル」についてご紹介します。

今から約7年前のことだったでしょうか。

妊娠中だった私は「私の中高時代ってかくかくしかじかだったんですよね~」とマタニティ鍼灸師さんにブスブス針を打たれていたところ

なんかラプンツェルみたいね。

との一言により、猛烈に興味を引くこととなった映画「塔の上のラプンツェル」。

なるほど帰宅して鑑賞すると、確かにこれは自分の思春期と母親そのものの関係でした。

際立って目立つキャラは魔女ゴーテル。

事実上ラプンツェルの育ての親ですが、こいつが素晴らしく毒親なのです。

毒親に育てられた方にとって、映画ラプンツェルは

なぜ母は自分は親のもとを去ることを恐れたのか?

なぜ私は親の支配にハマり続けていたのか?

心に響く名ゼリフがたくさん見つけられるでしょう。

映画はただのエンタメに終わらず”自分の人生をひっさげて観るべきである”との重要な教訓を得ましたね。

王子とのロマンスだけでなく、そんな親子関係も非常にモダンな要素が含まれている塔の上のラプンツェルを、魔女ゴーテルの言動からしっかり学びとっていきましょう!

(※さすがに成人後の私は母を客観的にみられるようになりましたのでご安心を。)

1.塔の上のラプンツェルの作品紹介

公開日:2011年3月12日 (日本)
監督:バイロン・ハワード(Byron Howard)、ネイサン・グレノ(Nathan Greno)
原作者:グリム童話
原作:ラプンツェル
出演者:マンディ・ムーア(Mandy Moore)、ザッカリー・リーヴァイ(Zachary Levi)、ドナ・マーフィー(Donna Murphy)、ほか。
出演者(吹替):中川翔子、畠中洋、剣幸、ほか。
製作会社:ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ
受賞歴:アカデミー賞にて、歌曲賞ノミネート(輝く未来)。ゴールデングローブ賞にて、アニメ映画賞、主題歌賞受賞。

2.塔の上のラプンツェルのあらすじ

ラプンツェル 画像 ランタン
画像出典:https://tsutayamovie.jp/

はじめにあらすじをおさらいしましょう!

ラプンツェルは知名度が高くキャラグッズも大人気ですが、映画自体のあらすじは意外と知らない方も多いのでは?

あらすじは魔女ゴーテルに重点は置かずに、客観的に書いていきますね。

塔の上のラプンツェルのあらすじ(ネタバレなし)

何百年も前の昔、太陽から1滴の雫が地上に落ちてきました。

その1滴の雫は魔法の花を咲かせ、人の病気や怪我を治し、不老不死にさせることもできる魔法の力を持ちました。

この花をたまたま見つけた老婆ゴーテル。

ゴーテルは定期的に花のある場所に通いつめ、草でフタをして誰にも見つからないようにし、不老不死の美貌を保ちつつ生きていました。

それから何百年後、この近所で王国が興り、信頼の厚い王が統治するようになります。

まもなくお妃は妊娠したのですが、出産間近で病気になり、母子ともに命が危険に!

兵士総出で伝説の「魔法の花」を探し出し、花は掘り起こされて王室に持って行かれ、ついにゴーテルのものではなくなります。

魔法の花の水でお妃はすっかり元気になり、元気な女の子(ラプンツェル)を出産!

ラプンツェルは胎内で魔法を取り込んだらしく、髪の毛に魔法の力が宿ります。

「老い」というピンチに陥ったゴーテルは、ラプンツェルの髪の毛を盗もうと王室に忍び込みますが、ハサミでチョキンと切った髪はシュ~と黒色へ…。

ラプンツェルの髪の毛は、切ると魔法の力がなくなってしまうんですね。

焦ったゴーテルはそのままラプンツェルを拉致&誘拐!

ラプンツェルは人里離れた塔に幽閉され、ゴーテルに「私が母親」と18年間育てられるものの…。

塔の上のラプンツェルのあらすじ(ネタバレあり)

ラプンツェル 画像 ユージーン
画像出典:https://tsutayamovie.jp/

ゴーテルを「お母さま」と呼び、忠誠を誓いながらも明るくはつらつに育った少女ラプンツェル。

髪の毛の長さはなんと約21mになっていました!

「外の世界は怖いのよ」と洗脳されて育ったラプンツェルの唯一の友達は、カメレオンのパスカル。

ラプンツェルは毎日毎日ルーティーンの生活で、掃除、読書、料理、編み物、お絵かき…いい加減飽き飽きして18歳の誕生日前日を迎えました。

ラプンツェルは18歳の誕生日プレゼントに、どうしても叶えたいリクエストがありました。

それは毎年自分の誕生日の日に、窓の遠くでふわぁっと上がる花火のような星のような美しい光の場所へ行くこと。

実はこれ、王国の王や住民たちが「失われたプリンセス(ラプンツェルのこと)」の無事と帰還を祈って、毎年ラプンツェルの誕生日に大量のランタンが舞い上げていたんです。

「お母さまに連れて行ってもらうようにお願いしてみよう!」

とゴーテルに打ち明けてみるものの、発覚を恐れるゴーテルはもちろん断固反対。

ちょうどその頃、この映画のヒーローでイケメン盗賊のフリンが、仲間2人と城に忍び込んで王女のティアラを盗みます。

逃走したフリンたち3人ですが、フリンは盗賊仲間2人を裏切って、ティアラ1人占めして逃走!

ということで指名手配のビラが各地に貼られたフリン。

フリンが逃走中たどり着いたのが、森に隠れるようにそびえたっていた高い高い塔でした。

『潜伏場所にちょうど良い』的なテンションでよじ登って中に入ると、ラプンツェルにフライパンでばすこーんと1発殴られクローゼットに閉じ込められます。

とそこへゴーテルが帰宅し、ラプンツェルはフリンの存在を隠しながら、再度ゴーテルに誕生日のお願いをしてみましたがやっぱり拒否…。

ラプンツェルは計画を変更します。

ゴーテルには「貝殻で作った絵の具がほしい」と、手に入れるのに3日もかかる物をわざと頼み、外出させます。

代わりに塔にやってきた謎の男フリンに「あなたのティアラは隠した、光のとこへ連れていってくれたら返してあげる」と交渉して成立。

18年ぶりにおそるおそる塔から降りたラプンツェル。

芝生の青さ、蝶の美しさ、風の爽やかさに歌え踊れの大歓喜!

ところがすぐに「私って最低な子。こんなことしてお母さまに叱られる」とダウナーに…(このあたりが毒親の子なんだよな…)。

ラプンツェル 画像 塔
画像出典:https://tsutayamovie.jp/

この感情のアップダウンが面倒くさくなったフリンは、「ガラの悪い悪党の集まるレストランに連れて行ったら、ラプンツェルは塔に帰ってくれるのでは?」と森のレストランへ直行します。

ところがラプンツェルはフリンの予想を翻し、この悪党たちと意気投合!(タイタニックでローズが3等客船ではっちゃけるシーンみたい)。

そのころゴーテルは、森で王国の兵士専用の白い馬と遭遇しました。

「もしやラプンツェルに何かあったのでは!?」

と直感し、急いで塔に帰るとやはりそこはもぬけの殻。

ふと階段の下に目をやると、フリンが盗んできた王女のティアラを見つけてしまい「これはマズいことになった」と大パニック!

ラプンツェルとフリンはレストランにいたところを、国の兵士、盗賊仲間、ゴーテル…と、結局すべての敵に見つかってしまい逃走することに。

逃走に成功した2人は、暗がりに座って本音トークで絆を深め、いよいよ恋愛モードへ突入!

ぼくの本当の名前はユージーン。

フリンことユージーンは、親がいなくて貧乏だったこと、お金持ちになって欲しいものを手に入れる人生に憧れていたことを告白。

ラプンツェルも、髪の毛に魔法があって傷や老いを治せること、それで1度も髪を切らずに母親(ゴーテル)に塔に閉じ込められているのだと告白します。

ところが、後ろで2人の様子を眺めていたのが追ってきた盗賊仲間とゴーテルでした。

ゴーテルは盗賊仲間にティアラを渡して買収します。

さらに

もっとお金になるものがほしくない?

と魔力を持つラプンツェル本体の誘拐を指示。

何も気づいていないユージーンとラプンツェルは、翌日王国の祭りへ行き、はっちゃけます。

髪を三つ編みにしておしゃれをしたラプンツェル。

ユージーンはラプンツェルに太陽のマークが入った”王国旗”をプレゼント。

夜になるとユージーンはボートに乗り、幻想的な場所からラプンツェルにランタンが舞い上がる景色を見せてあげます。

2人のロマンスのボルテージが最高潮になり、キスしようとした瞬間、ユージーンは向こう岸にいた盗賊仲間が目に入ってきました。

「ちょっと待って、片づけなきゃいけないことがあるから!」とボートを降りて1人進んでいったユージーン。

盗賊仲間は「ティアラよりもっといいものを見つけたそうだな」とユージーンをボコボコにし、意識不明のままティアラ窃盗単独犯にでっちあげてボートに流します。

それを遠巻き見たラプンツェルはユージーンに裏切られたと思い大ショック!

盗賊仲間はラプンツェルのところにやってきて、とうとう誘拐しようとしますが、そこへゴーテルがパンパカパーンとファンファーレでも鳴りそうなヒーローばりの登場をします。

「ラプンツェル!!」とゴーテルは盗賊をぶっ倒し、ラプンツェルを救出(全部ゴーテルのシナリオ通りですよ)

ゴーテルの芝居にまんまと騙されたラプンツェルは

お母さまが全部正しかったわ…。こんなことして本当にごめんなさい。

としょんぼりして再び塔へ戻ります(ああこれも毒親の子供の特徴だわ…)。

悲しみに暮れるラプンツェルは、ベッドでユージーンがくれた王国旗の太陽のマークをじっと眺めていました。

すると不思議なことが起こったのです。

部屋のいたるところに太陽のマークが光りはじめて、ラプンツェルは赤ちゃんの時の記憶がフラッシュバック!

あなただったのね!

ラプンツェルは自分が「失われたプリンセス」であることに気づき、誘拐犯とわかったゴーテルに反撃を開始!

このときお城ではユージーンの死刑が確定し、執行場へ連れて行かれている真っ最中でした。

そこに森のレストランの悪党たちが助けに来てくれ、ユージーンは脱出に成功し一目散にラプンツェルの塔に向かいます。

しかし、塔に入った瞬間目に入ってきたのは、鎖に繋がれ、テープで口を塞がれていたラプンツェル。

ユージーンはブスッと腹をゴーテルに刺されて瀕死状態に…。

ラプンツェルは

ユージーンの傷を治させて、お願い!そうすれば、一生あなたの言うとおりにするわ。

自分の自由とユージーンの命を救うことを取引。

ユージーンは「そんなことしたら君が死ぬ…」と渾身の力を振り絞って声を出し、拒否。

ユージーンはラプンツェルの魂が死ぬことをこれでもかってほど心配してるんですね。

取引をどうにか承諾したゴーテルですが、とんでもないどんでん返しが待っていました。

魔法で傷を治そうとしたラプンツェルに、ユージーンはガラスでラプンツェルの髪をバサッと切ってそのまま死んでしまったのです!

みるみる黒くなっていく髪…ゴーテルは本当の年齢になってガイコツのようになり、塔から落ちて砂になって死にます。

息絶えたユージーンを前にしくしくと泣くラプンツェル…その涙はユージーンの胸の上のにぽたぽたと落ちました。

すると不思議なことが起こります。

ラプンツェル 画像 ユージーン
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ユージーンの胸から魔法の花が咲いて、みるみるうちにユージーンは息を吹き返したのです!

こうして2人は王国へ戻り、ラプンツェルは18年ぶりに実親と再会。

ユージーンは盗賊をやめてカタギの職につき2人は結婚。

ラプンツェルは知恵と優しさに溢れる王女になって国を統治したそうですよ。

3.塔の上のラプンツェルの見どころ

ラプンツェル ゴーテル 魔女
画像出典:https://tsutayamovie.jp/

ラプンツェルは子供よりも大人ウケする映画ですね。

塔の上のラプンツェルは「母-子供」という永遠の命題を含んでいることと、ゴーテルがパーフェクトな毒親ぶりを発揮しているところが見どころでしょう。

ゴーテルが歌う歌詞には、毒親らしい子供への悪しき人心掌握術がたっぷりと込められています。

これから列挙する5つの毒親行動のうち、もしあなたの親が2つ以上当てはまるのなら、あなたの母親には子供を自立させたくない何らかの理由があるのでしょう。

魔女の毒親行動1.ディスって上げる

  • 【ディスり】
    「あなたったらほんとお花みたい そうとてもかよわいの」
    「あなたはね まだ赤ちゃん」
    「泣き虫 裸足 幼稚でドジ」
    「世間知らず すぐ騙される 常識なんかゼロ」
  • 【アゲ】
    「お母さまはいつでもあなたの味方」
    「あなたが誰よりも好き」

はい、ディスって上げるのは毒親の得意技です。

これはゴーテルの歌う歌「Mother Konws Best」(母が1番わかってる)という歌詞の抜粋。

歌のタイトルからして既にイヤな臭いがしますよね(笑)

毒親の子供が毒親支配から抜け出せられないのは、「価値を与える母」と「価値を奪う母」が同一人物だからです。

だからどんなにけなされても「この人が1番自分の価値を知ってくれている」と勘違いして離れられなくなってしまうんです。

現にゴーテルが「I love you.(愛してるわ)」とラプンツェルに言うと、ラプンツェルは「I love you more.(私のほうがもっと愛してるわ)」と傍目にはとても痛々しい返事を返してしまうシーンが何度もあります。

魔女の毒親行動2.無力感の洗脳

ラプンツェル 画像 ゴーテル
画像出典:https://tsutayamovie.jp/

  • 「あなたみたいな子供、好かれるはずないでしょ」
  • 「信じなさいお母さまを、外は危ない」
  • 「ここにいる限り安全よ」
  • 「強盗 ギャング うるしに台風 食中毒 オバケ 毒虫や牙のある男 おお怖いわ心配なの」

こちらも「Mother Knows Best」の歌詞の抜粋で、「ダメな子」と無力感の洗脳をするのも毒親の得意とするところ。

なぜダメな子と言うかというと、子供を手放さずにそばに置いておきたいからです。

毒親って他に楽しみがないんでしょうか?ないんです…残念ながら。

ゴーテルは「塔に閉じ込めて魔法を1人占めするという目的」を自覚している分まだわかりやすいですね。

たいていの親は自覚なしに、巧みに子供の可能性をもぎとっていきますから。

「心配だ心配だ」と言いはするものの、本当に心配なのは子供でなく自分のこと。

子供にとって心配って「信頼されていない」と同義で、余計にやる気がなくなります。

ラプンツェルは容姿端麗で芸術に富むスマートな少女でありながら、さんざんゴーテルに「ダメな子」とレッテルを貼られます。

親にダメな子と言われたら、子供はダメな子なんですよ(洗脳だなんて気づかないよね)。

毒親が自分の目的のために、どれほど子供をありのままに見ようとしないかわかりますね。

魔女の毒親行動3.あなたのため攻撃

  • 「ねぇわかるでしょ なぜ外に出さないか あなたを守るためなのよ」
  • 「母親が1番よくわかってるのよ」
  • 「母親はあなたを助けるためにいるのよ」
  • 「あなたの大好きなヘーゼルナッツスープを作るわ」

「あなたのため」って正論ばかり言われるのって、子供にしてみたらかなりウザイですよね…。

毒親は子供がピンチに陥れば陥るほど「あなたのため」と言います。

毒親の「あなたのため」は「自分のため」です。

子供は無力であればあるほど「あなたのため」を信じ込んでしまい、行動に従わない自分を「自分はダメな子だ」とさらに追い詰めていきます。

そんな子供の心が弱っているときに、絶好のタイミングでつけこんでくるのが「あなたの好きな○○」攻撃の上塗り。

ゴーテルもラプンツェルの心が弱っているとき、必ずラプンツェルの好物であるヘーゼルナッツスープを作って恩を売ります。

アメとムチをうま~く使いこなすのが毒親で、子供はとにかく振り回されます。

にしてもこの毒親の頭の回転の良さ、もっと別のことに使えないのかな…。

魔女の毒親行動4.罪悪感コントロール

  • 「あたしだってがんばったのよ」
  • 「あたしが悪者ってわけね」と悲壮感漂う演技。

ゴーテルのいかにも毒親らしい印象的なセリフは「私を悪役にするのね」とヘナヘナと倒れこむところ。

暗に「アンタのせいで」とラプンツェルに罪悪感を押し付けるんですね。

毒親はとにかく罪悪感で子供を上手に操作します。

「死んでやる!」と言ったり、しょっちゅう病気自慢をされたり、不幸ヅラばかり見せられたり…そうやって罪悪感を植え付けられた子供ほど自立心が阻まれます。

このように育てられた子供は「お母さんより幸せになるなんて申し訳ない、自分がそばにいなきゃダメなんだ」と信じこみます(これって毒親の思うツボ)。

この映画のあまり自然でないところは、ゴーテル亡き後ラプンツェルが活き活きと蘇ること。

その後ラプンツェルは実の親のもとに帰り、健全な王妃として育ちますが、実際そのように上手くいくものでしょうか…?

曲がりなりにも18年間ゴーテルは育ての親だったんですから「自分は母を殺した最悪な人間だ」との罪意識に一生囚われてもおかしくないですよ。

そこはファンタジーなので健全に恋人とも結ばれるハッピーエンド。

通常はこんな元気ではいられないと思います。

誘拐とはいえ、自分が死なせた母ゴーテルのことを考えると、ラプンツェルが死後もなお支配されないわけはありません。

ラプンツェルは、何年も何年も涙に明け暮れてもおかしくないのです。

魔女の毒親行動5.外堀を固めてヒーローぶる

ラプンツェル 画像 魔女
画像出典:https://tsutayamovie.jp/

  • ラスト、盗賊を味方につけラプンツェルを騙す劇場型のゴーテル。

毒親はしばしばドラマチックな劇場を作り出します。

それが子供を自分の手元に置いておく作戦なら、手段を選ばず激しいドラマを作り上げます。

毒親の心は不安の塊なので、幸せに甘んじることができないんですね。

また、子供の自立を阻むためならあの手この手で敵味方を作り出し、外堀を固めて引き止めます。

ゴーテルの場合は盗賊を味方につけておいて、ユージーンとラプンツェルの外堀を徹底的に固めました。

そしていざ盗賊がラプンツェルに危害を加えようとしたとき、自分がパンパカパーンと正義の味方として登場し「私のおかげであなたは助かったのよ」と恩を着せて自分の正当性を証明しようとします。

私の知人の母親は、困ったときは「死んだふり」をするという激しい劇場型の方でした…(絶句)。

もうちょっと毒親も、この独創的なクリエイティビティーをいい方向へ使えればいいんですけどねぇ。

4.塔の上のラプンツェル ライターしおりの視点

ラプンツェル 画像 ラスト
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ゴーテルは魔女的なポジションでありながら、映画内で「魔女」と明言されることはなく1人の老婆にすぎません。

ゴーテルが死ぬラストはうちの娘(6歳)も非常に不思議がっていて「おばあちゃんなんで死んだの?」と腑に落ちなかったもよう(汗

毒親批判は非常に簡単で今や書籍もあふれんばかりですが、批判だけに終わってはいけません。

かといって「じゃあ子供はどうすればいいの?」と問題解決に早まるのも賢明ではないですね。

まず毒親というシンボル的な言葉の背後にある、彼らの本質を見つめることから始めましょう。

ゴーテルはなぜ死んだ?ナルシシズムの損傷

ゴーテルというのは非常に面白い女性で、二面性があります。

まず、人生を楽しむ力、そして過剰な恐れ。

ゴーテルは魔法の花を見つけて以来、何百年も生きてきたようですが、人間って400歳や500歳になってもまだ不老不死を望み得る生き物でしょうか?

生きていれば嫌なこと、辛いこと、死にたいこと、絶対にあるはずですが、ゴーテルはそれに屈服することなくなんだか楽しそうに生きています。

歴史上不老不死を望んだ権力者は、今手中にあるものを手放したくないという思いが強いからでしょうが、ゴーテルはどうでしょうか?

石造りの塔でシンプルライフを続けているだけで、いずれラプンツェルもゴーテルの年齢を追い越し、ゴーテルより先に死ぬでしょう。

そのことを知ってか知らずか、見ないようにしているのか、とにかくゴーテルが何百年も「今を楽しむ力」を身に着けているのはある意味感服します。

と同時に、その長生きの動機にはゴーテルの過剰な恐れがあります。

それはズバリ劣化です(笑)

叶姉妹ばりの若返りと美貌を望み続けるゴーテル。

醜いばあさんになることを拒み続け、美に最大の喜びを見出し、激しい執着と共に生きます。

映画ラプンツェルを大人が面白いと感じる理由はここにありますね。

女性であれば、「やぁねぇこんなおばさん!」と言いつつ、誰しも自分の実母や、あるいは自分自身に小さなゴーテルを見出すことができてしまうのではないでしょうか?

ゴーテルの持つ恐れの本質を見るたび、自分が見てきた母の、そして自分の中のミニゴーテルが反応するんですよね。

ゴーテルは美貌をナルシシズムの補填に使っています。

男遊びをするわけでもなく(むしろS系の女王様っぽい)、他の女性と比べて優越感に浸りたいわけでもなく(むしろ誰とも会わない)、ただ鏡で自分を見るだけでナルシシズムの痛んだ傷を癒しているのです。

ゴーテルの直接的な死因は、魔法が解けて実年齢になり塔から落ちて砂と化したことです。

この死をイメージで言い換えれば、ゴーテルはナルシシズムのエネルギーの供給源がとうとう絶たれてしまい、強迫的な退行欲求が進んで人格が破滅してしまったのでしょう。

「ナルシシスト」の語源となったのは、水面に映る自分に恋をして湖に落ちて死んだギリシャ神話のナルシサス。

ナルシシズムは自己陶酔のうぬぼれと思われがちですが、「褒められなければ死んだも同然」という過剰な恐怖と自殺願望にまみれた自己愛のない人間です。

ナルシサスが湖に落ちて死んでしまったのも、生きているのが辛く死にたい願望の表れなのです。

GDP(国内総生産)やHDI(人間開発指数)から判断して、世界No.1を誇る幸福度の低さと悲観主義のはびこる日本。

このちょっと行き過ぎた(?)自己執着を持っている日本人って、案外多いのではないでしょうか?

今回ゴーテルの毒親っぷりに焦点を当てましたが、毒親はナルシシシズム損傷の1つの現象というだけなのです。

ナルシサスのように「私だけのお母さん、自分だけのもの」がない人は、果ては水に映った自分だけに恋して溺れていきます。

これぞもろく壊れやすい、そのわりに瞬間的な攻撃性を持った今の多くの日本人の姿であり、内なるミニゴーテルはほとんどの人の心に住み着いている新しい風土病と言えるでしょう。

ラプンツェルも「自分だけのお母さん」不在の環境で育ったのだから、傷ついたナルシシズムとともに生きることが生涯の課題となるはず。

そのあたりを大胆カットできることは、先のGDPやHDIで日本とは正反対の楽観主義のアメリカ映画ならではの結末でしょうか?!

5.塔の上のラプンツェルをオススメしたい人

ラプンツェル 画像 ユージーン
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映画「塔の上のラプンツェル」は、ラプンツェルがこれまでのプリンセスにない、紫ドレスに超長いブロンドヘアーと児童の心をつかむビジュアルです。

ストーリーはあくまで思春期以上の方向けだと思いますので、次のような方に勇んでオススメしましょう!

ゴーテル的な毒親支配に苦しむ子供

ゴーテルはパーフェクトな毒親のモデルです。

毒親支配に苦しむ人は見たほうがいいですね。

塔は「毒親の支配の及ぶ場所(つまりあなたの家)」と見立てましょう。

毒親が自分から離れたテレビという場所に映ると、案外その支配は客観的に見えるものです。

ラプンツェルは最後成長を見せますが、中でも重要なのは毅然としてゴーテルに「NO」と言えたことでしょう。

ディズニーアニメだからという軽いノリで、自覚のない毒親にしれっと見せるのもベター。

毒親になりたくないのに毒親になった人

塔の上のラプンツェル 魔女
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反対に、毒親になりたくないのに毒親になってしまったと悶々と生きている方にもオススメです。

毒親かどうかは、言動の「結果のみ」で判断されます。

大事なのはその背後にある、自分を毒親に動かしめる「何か」

ゴーテルにとっては、それは美醜とナルシシズムの問題でした。

子供も親も幸せであるために、自分の恐れと不安の出所を見つめてみましょう。

ゴーテルはラスト、ありのままの自分に目がくらみ死にます(割れた鏡に老いた自分が映る印象的なシーンがありますね)。

ありのままの自分の姿を認めることが第一歩。

手放したことがいいと思うことは何なのか、きっとラプンツェルが子供の立場から素晴らしいヒントを与えてくれるでしょう。

親は親から物事を学ぶのではなく、純粋無垢でこの世界を最もクリアに情け深く見ることができる子供から、もはや物事を学ばなければいけないんです。

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