ヤクザ映画「アウトレイジ」は会社員の悲哀を描いた映画!?俳優陣にも注目!【あらすじ・ネタバレあり】

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こんにちは。
エンタメブリッジライターのErioです。

今回は2010年公開、北野武監督の「アウトレイジ」をご紹介します。

アウトレイジは北野監督15本目の監督作品です。

ヤクザ組織の抗争を描いたバイオレンス・エンターテインメント作品として公開され、本作以降、シリーズ化されていますね。

北野映画にとっては初のシリーズ作品となっています。

拷問や過激な暴力描写が含まれるので見る人を選びますが、キャラクターの強烈な個性が魅力的な映画でストーリー構成も巧みに描かれています。

「アウトレイジ」のキャッチコピーは”全員悪人”で、同情できる登場人物は1人もいませんので、ヤクザたちが無残に死にまくってもある意味爽快な気分になれる映画ともいえます。

1.「アウトレイジ」の作品紹介

公開日:2010年6月12日 (日本)
監督・脚本: 北野武
製作:森昌行、吉田多喜男
出演者:ビートたけし(大友)、椎名桔平(水野)、加瀬亮(石原)、三浦友和(加藤)、國村準(池元)、石橋蓮司(村瀬)、杉本哲太(小沢)、小日向文世(片岡)、中野英雄(木村)、塚本高史(飯塚)、北村総一朗(関内)

2.「アウトレイジ」のあらすじ

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(画像出典:https://matome.naver.jp/odai/2129866861918828601)

それでは、アウトレイジのあらすじをご紹介します。

ネタバレなしとネタバレありに分かれています。

映画を観るまで結末を知りたくない方は、ネタバレなしをご覧ください。

「アウトレイジ」のあらすじ(ネタバレなし)

「アウトレイジ」は、関東の巨大暴力団組織山王会会長・関内に踊らされ、多くのヤクザたちが運命を翻弄されてしまう映画です。

山王会は非常に大きな組織で、傘下に池元組、大友組など多くの暴力団組織を抱えています。

傘下ではありませんが村瀬組という組織もあり、この村瀬組は池元組と兄弟の契りを交わしているため関係が深いです。

関内は、村瀬組と池元組を衝突させて弱体化させることをもくろみ、そこからヤクザたちの運命の歯車が狂い始めます。

関内に翻弄され、殺し合うヤクザたち。

最後に生き残るのは、そして一番の悪人は誰なのか。

「アウトレイジ」のあらすじ(ネタバレあり)

関東の巨大暴力団組織山王会会長・関内は、傘下の池元組が麻薬を扱う村瀬組と兄弟の契りを交わし関係を深めていることを快く思っていませんでした。

関内は山王会ナンバー2の加藤を使い、村瀬組を痛めつけるように池元に指示します。

池元は傘下の大友組の大友を使って村瀬を痛めつけ解散にまで追い詰めます。

最終的に大友は村瀬を殺害し、そして池元さえも殺害することになるのですが、裏で糸を引いているのは全て関内。

関内の術中にはまった大友は良いように操られ、汚れ仕事を引き受けていくことになります。

まるで神の見えざる手に導かれるかのように、関内の意のままに動いていく大友、池元、村瀬。

そこに刑事の片岡も加わり、関内にとって邪魔な者を全て排除するような展開を見せるのですが、最後に笑うのは関内を殺す瞬間を虎視眈々と狙っていた加藤でした。

加藤は他人が殺したように偽装して関内を殺し、会長の後釜に就きます。

会長から罵倒され、頭を殴られ続ける冷静な組織人を演じていた加藤でした。

しかし結局、関内が邪魔者を全て排除したタイミングを見計らって関内を殺して会長の後釜につくのですから、「アウトレイジ」で一番の悪人は加藤だったということになるでしょう。

3.「アウトレイジ」のみどころ

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(画像出典:https://matome.naver.jp/odai/2129866861918828601)

続いてアウトレイジのみどころを3つ紹介しましょう!

全員悪人の勝者が誰なのか最後まで見ないと分からない

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(画像出典:https://www.cinemacafe.net/article/2009/12/01/7182.html)

「アウトレイジ」のキャッチコピーは”下剋上、生き残りゲーム”です。

山王会には関内・加藤、池元組には池元・小沢、大友組には大友・水野・石原・安倍・上田・岡崎・江本、村瀬組には村瀬・木村・飯塚、警察では片岡刑事など役名がある者だけでも総勢15名以上の登場人物が出てきます。

「アウトレイジ」のキャッチコピーには”全員悪人”というものもありますが、15名以上の全員悪人の中で誰が生き残るか、最後まで見ないと分からないようになっているんですね。

「アウトレイジ」以前の北野武は、「ソナチネ」や「HANA-BI」「Dolls」などで芸術性の高い映画を撮り続け、「TAKESHIS’」「監督・ばんざい!」「アキレスと亀」などでは芸術家3部作を撮っていましたからアートを感じさせる作品が主流でした。

でも「アウトレイジ」では一転してエンターテインメントに徹し、誰が生き残るか分からない緊張感を最後まで引っ張っていきます。

関内会長が大友や池元、村瀬、小沢などを駒に使い、関内の意図通りに進んでいくストーリーなんですが、最後にどんでん返しが待っているところがとても面白いですね。

前半では大友組の活躍が中心的に描かれますが、彼らの活躍は全て関内の手の内に仕組まれていたことなので、最終的には小沢一派の手によって皆殺しに遭います。

見るも無残に小沢たちに殺されていく大友組ですが、大友組長は抗争から逃げて警察に出頭するんですからずる賢いですね。

しかし最もずる賢いのは加藤ですよ。

小沢自身も関内に操られているだけで、最終的には加藤に殺害され関内は高笑いのはずだったんですが、加藤は関内をも殺し加藤殺害の罪を小沢に着せ、のうのうと山王会会長の座についてしまうんですから!

そして、大友組の石原は大友組を裏切って加藤の側につき山王会の金庫番になりあがりますので、全員悪人の勝者は加藤、石原ということになるでしょう。

親分の言う通りに動いていた大友組が無残に破滅させられていく様はシニカルですが、「アウトレイジ」の勝者は組織の命令に忠実に従うだけの一本調子の人たちではなく、裏で動いたり二枚舌だったりするような人間なんですね。

「アウトレイジ」を企業に置き換えてみると分かる会社員の悲哀

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(画像出典:https://matome.naver.jp/odai/2129866861918828601)

「アウトレイジ」では関内が裏で糸を引いて異分子を排除していきますが、関内は絶対君主ですから彼の命令には逆らえません。

関内はそれを知っていて命令していきます。

関内は山王会という巨大暴力団組織の会長でした。

巨大暴力団組織といっても私たちには縁遠いように見えるかもしれませんが、これを企業に置き換えたら分かりやすいんじゃないでしょうか。

関内は大企業の社長で、加藤はその会社の専務、池元はその子会社の社長で、小沢は専務、大友は孫会社の社長です。

企業規模も、山王会=大企業、池元組=中堅企業、大友組=中小企業とたとえてみて下さい。

すると、山王会が大友組を潰す構図が中小企業を搾取する現実の大企業の姿とかぶってみえますよね。

関内は、まず、池元に対して「村瀬を痛めつけろ」と命じます。

村瀬は独立系の組織なので、池元と提携している企業みたいに考えて頂ければ良いです。

村瀬は山王会の直系ではないので、散々酷い目に遭ってシマを取られた上に解散させられていますが、この構図は大企業による中小企業の買収のようです。

次に大友組をクローズアップしてみましょう。

大友組は「アウトレイジ」の中心的存在だけに大友組長、水野若頭だけでなく組員の行動も丁寧に描かれています。

大友と石原以外は全員、小沢一派に殺されていきますが、大友=中小企業の社長がしっかりしていれば組員=会社員も殺されなくて済んだかもしれないですよね。

大友は池元や関内の口車に乗って破滅的な行動を繰り返し、そのせいで組員は死を迎えていく訳ですから、組員=会社員にとってはたまったものではありません。

大友は、社長の経営責任を問いたくなるような経営でした。

大友が、組織の命令に従うばかりでなく、自らの判断で意思決定していく思考力・行動力があれば大友組は壊滅を免れた可能性もありましたから。

でも、絶対君主の関内には逆らえず大友は逃亡し、組員たちは無残にも殺されてしまうのでした。

「アウトレイジ」はヤクザの抗争を描いていますが、会社員の悲哀も同時に描いた映画と言って良いと思います。

「アウトレイジ」の俳優陣は超豪華!池元を演じた國村準がMVP

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(画像出典:https://matome.naver.jp/odai/2129866861918828601)

「アウトレイジ」には多くの有名俳優が参加しています。

初期の北野映画はたけし軍団をキャストに起用した作品が多かったのですが、「アウトレイジ」は違います。

有名俳優が多数出演していて、誰もがベストなキャスティングと思えるようなハマり方をしていますよ。

特筆すべきは池元組の組長を演じた國村準で、彼はひょうひょうとした態度を保ちながら大友や村瀬などの他者を愚弄し続けます。

「アウトレイジ」の俳優陣はそれぞれ素晴らしい演技をしていますが、MVPをあげるとしたら國村準でしょう。

國村が演じた池元は、恫喝したり激昂したりすることはないのですが、権力者としての地位を利用して下位の者をゴミのように扱っていくので、怒鳴り散らすヤクザよりもむしろ恐怖を感じます。

兄弟分のはずの村瀬に「会長との杯」をちらつかせて煙に巻いたり、また、散々絞り取った大友組の闇カジノで遊んだりとやりたい放題ですが、池元を演じた國村準は実に楽しそうに演じていましたね。

次は椎名桔平で、彼はビートたけし演じる大友組の若頭を演じているんですが、にやにやしながら恫喝したり、笑いながら凶暴な行動に出たりと、静かな闘志を秘めている大友と対比的に活きの良いヤクザを演じています。

北野監督は椎名の演技をよほど気に入ったのか、「アウトレイジ」の中でも最も残酷と言ってもいいくらい壮絶な死を遂げさせていました。

前半で死んでしまう村瀬を演じた石橋蓮司も忘れられない演技を見せていました。

村瀬を演じた石橋蓮司は出番が多く、歯医者で口の中をえぐられたり、サウナで射殺されたりと酷い目に遭うんですが、石橋の演技がコミカルなのでどの場面も(死に様さえも)ちょっと喜劇的です。

その他にも、木村を演じた中野英雄、石原を演じた加瀬亮も役になりきって演じていますので、俳優に注目しながら「アウトレイジ」を見るのも良い視点だと思います。

Erioの視点

ここからは、ライター・Erioの視点でみどころを伝えていきたいと思います。

「アウトレイジ」の勝者は加藤と石原ですが、彼らは2人とも組織に忠実に従う人間ではなく、虎視眈々と権力を掌握することを狙っています。

中小企業の大友組が、山王会=大企業を打ち負かした方がハリウッド映画的で夢がありますが、「アウトレイジ」では権力を掌握しようと上手く立ち回る者が勝ちます。

こんなことを聞くと、「アウトレイジ」は夢も希望もない映画と思うかもしれませんけれど、私は組織で生き残る上でのリアリティがある映画だと思いました。

会社で働いていても、評価されたり出世したりするのは上手く立ち回っている人間じゃないですか。

会社もヤクザ組織も人間関係なので、「仕事ができる」だけでは評価されないし、出世もできないんです。

加藤と石原はそれを分かっていたので最後に勝てる道筋を描いて、勝者になった訳です。

加藤は関内とうまく人間関係を築きながら最後に彼を裏切って自らが権力者となりました。

石原は山王会にとっては孫会社の平社員に過ぎませんが、金融と英語に強いので山王会の加藤にとっては必要な人材でした。

憶測にすぎませんが、石原はそのニーズを敏感に感じ取り加藤に近づき、山王会の金庫番に成りあがったのではないでしょうか。

会社でも、大友みたいに愚直に上の指示に従っているだけの人がいませんか?

そういう人は組織を潰してしまうし、使い捨てにさせられてしまうんですよ。

「アウトレイジ」は激しい暴力描写や巧みなストーリー構成に注目が集まりがちですが、全員悪人の中でなぜ加藤と石原が勝者になり得たのか?を考えていくと、組織で生き残るためのヒントが得られると思うんですよね。

4.「アウトレイジ」はこんな人におすすめ

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(画像出典:https://prcm.jp/)

「アウトレイジ」は北野監督の中でもエンターテインメント色が強いバイオレンス映画です。

みどころに書いたように組織で生き残るためのヒントが得られる映画なので、それに関連して、おすすめしたい人を紹介します。

仕事ができるのになぜか出世できていない人

みどころにも書きましたが、出世したり評価されたりしている人は仕事ができる一方、人間関係でうまく立ち回っている人間なんです。

会社でもヤクザ組織でも人間関係で成り立っていますから、人間関係でうまく立ち回り、「こいつは使えるな」と思わせることが重要です。

「アウトレイジ」では片岡刑事が次のようなセリフを吐いています。

今の時代、カネより出世ですよ。

結局、カネよりも優先順位が高いのが出世ということです。

カネは出世についてきますからね。

「仕事ができる」のは出世や評価の前提で、それだけでは物足りず、評価する人にアピールする必要があります。

それが人間関係でうまく立ち回るということですよ。

もっといえば、その組織が求める人間関係力を高めるということですね。

属している組織が求める人間関係力を高めていけば、例えば、「あいつは仕事ができるし、人も使える奴だな」と思われて出世できる訳です。

仕事はできるはずなんだけど同期より出世が遅いなあと思うような人は、「アウトレイジ」を見て出世が早い人の所作を盗んでみて下さいね。

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