【衝撃のラスト…!?】カメラを止めるな!のネタバレ感想

こんにちは。エンタメブリッジライターの海山ヒロです。

今回は、まさに感染のようにあっという間に口コミで広がり、いまや国内だけではなく海外でも上映されている「カメラを止めるな!」は、なぜ評価が高いのか。その秘密を探りたいと思います。

それでは、早速始めていきましょう。

1.「カメラを止めるな!」の作品紹介

公開日:2017年~(2019年2月現在も、全国で上映中)
監督: 上田慎一郎
脚本: 上田慎一郎
出演者:濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ、長屋和彰、細井学、市原洋、山﨑俊太郎、大沢慎一郎、竹原芳子、浅森咲希奈、吉田美紀、合田純奈、秋山ゆずき
受賞歴:イタリアの「ウディネ・ファーイースト映画祭 2018」で、シルバーマルベリー(観客賞2位)を受賞
ブラジルの「ファンタスポア2018」で、インターナショナルコンペ部門で最優秀作品賞を受賞
国内では北海道の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」で、ゆうばりファンタランド大賞(観客賞)および「ゆうばり叛逆映画祭2018」で特殊効果賞・優秀作品賞を受賞。
その他、世界各国で多数の賞を受賞している。

2.「カメラは止めるな!」のあらすじ


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出典:https://pc.video.dmkt-sp.jp/ti/10022714

それでは次に、「カメラを止めるな!」のあらすじをご紹介します。

「カメラを止めるな!」あらすじ(ネタバレなし)

舞台となるのは、とある山奥の、とある廃墟。小規模撮影隊が、ゾンビ映画の撮影をしていた。

監督が映画撮影にかける​思いは相当強く、1つのシーンに42テイク以上かけていたが、まだそのシーンが終わららず撮影が難航していた。

いったん休憩を入れるキャストとスタッフ。しかし次の瞬間、異変が起こる。なんと本物のゾンビが撮影隊に襲いかかってきたのだ。

​必死に逃げ惑う撮影隊の元に監督がカメラを構えて現れ、信じられない言葉をかける。

これだよ!これを求めていたんだ!

本物の恐怖を追求しようとするあまり、旧日本軍が創り出し封印していた本物のゾンビを蘇らせたのだという。

感染が徐々に広がり、次々とゾンビ化しては襲ってくる撮影隊の仲間たち。逃げ惑う彼らを、歓声を上げながら撮影する監督の目的とは? はたして彼らは無事に逃げられるのか……!?

「カメラを止めるな!」あらすじ(ネタバレあり)

とある山奥の、とある廃墟。そこでゾンビ映画の撮影をしている、小規模撮影隊。

この映画撮影にかける​本物志向の監督のせいで撮影は長引き、42テイクに達してもまだそのシーンの撮影が終わらない。

疲弊するスタッフと出演者。いったん休憩を入れたその時、異変が起こる。なんと本物のゾンビが撮影隊に襲いかかってきたのだ。

​必死でゾンビの攻撃を退けようとする撮影隊。そこへカメラを構えた監督の信じられない声がかかる。

これだよ!これを求めていたんだ!

なんと本物の恐怖を追い求めるあまり、旧日本軍が創り出し封印していた本物のゾンビを蘇らせたのだ。

恐怖にかられ逃げ延びようと奮闘する彼らの様を、歓声を上げながら撮影する監督。

感染は広がり、次々とゾンビ化しては襲ってくる撮影隊の仲間たち。残ったメンバーの仲間割れもおこり、ついには主演女優たった一人が生き残る。しかし生き残った彼女の顔に笑みはなかった。

が。実はこれもまた、撮影の一部。彼ら撮影隊は、「37分ワンシーン・ワンカットで描かれたノンストップ・ゾンビサバイバル」を生放送で放映しようと奮闘していたのだ。

たった一台のカメラでノンストップ撮影。

このありえない条件下で続けられる撮影の間には、出演者2人が事故で出られなくなったことを皮切りに、トラブルが続発。カメラマン役は酔いつぶれ、音声役はお腹を壊し逃亡をはかる。それでもカメラは止められない。

何度も中断しそうになる撮影。奮闘するスタッフ。カメラマンが倒れても、撮影器具が壊れても、カメラは止めるな!

そしてついに撮影終盤。俳優もスタッフも一つになって、見事放送終了まで乗り切ったのであった……!

3.「カメラは止めるな!」の5つの見所

画像出典:https://cinema.ne.jp/recommend/camera2018062210/

では次に、「カメラを止めるな!」の見どころを5つのポンイントで見ていきたいと思います。

3-1.映画の本当の始まりは、最初のクレジットの後にある。

びっくりするほどの低予算(300万円程度。ちなみに同じくらいの興行収入である「るろうに剣心」の予算は30億円と言われています)と驚くほどのヒット(30億円以上)を飛ばしたこの作品はなんと、三部構成でした。

なにしろこの作品、口コミで「面白い」と評判になり、いつの間にやらメディアで報道されはじめ、気が付けばいつも利用する近所のレンタル屋さんの壁の一面を飾っていたので、上でご紹介したあらすじやトレイラーを確認する機会もなく、観てしまったのです。

前知識はゾンビ映画であるということ。そして題名から類推して、「おそらく何かハプニングが起こり、それをどうにかこうにかやり過ごしながら撮影を続ける人々のドキュメンタリータッチの映画なのかな」というはなはだぼんやりとした予想のみ。

そんな状態で観始めたこの作品がどうだったかと言うと―――。

第一部。観始めているわたしは、これが三部構成の一部であるということを知りません。

うざいカントクが撮影現場で怒鳴りちらしています。

本物をくれよ!

と唾を吐き散らしながら叫ぶカントクに、周囲はドン引き。主演女優と思われるポニーテールの女性は涙目です。

それを慰めるゾンビ役の青年。どうやら二人は出来ているようですね。

撮影の舞台はしっかりとした建物で、後に浄水場の廃墟であると分かります。しかもそこは廃墟であるだけではなく、「旧日本軍の人体実験に使われていた」なんてまことしやかな噂もある場所とか。

はい、最初の伏線ですね。「旧日本軍」という便利なフレーズがここでも使われ、うさんくさい噂に信憑性を与えています。

それにしても、最近の若者は空気をよく読みますよね。

そんな「怖い話」をしている時にタイミングよく扉が大きな音とともに開くのですが、そのこわばった空気を換えようと、年長者に「趣味って何ですか」なんて話題を振り、必死に場を盛り上げようとしています。

いやぁ。その様は微笑ましくなるほどで、ゾンビ映画を観ているはずなのにほっこりしてしまいました。

とまぁこんな風に一部は進んでいき、そのすぐ後に外へと場面展開。

最初のゾンビ(外の空気を吸いに行ったカメラマン)が出てきてあとはキャーキャーワーワー大騒ぎにパニック。B級ホラー映画の流れに忠実に、エンディングまで向かっていくのですが……。

3-2.あれ。これ面白い?

実は、この段階で「あれ。これ面白い?」と首をかしげてしまいました。

手持ちカメラで小集団が実録物を撮ろうとして、本物の恐怖に出会う様を描く。

これは、洋の東西を問わずすでにいくつもの作品が作られています。有名どころを上げていけば、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」「パラノーマル・アクティビティ」があります。

この「カメラを止めるな!」もその系譜に含まれるようで、時に画面がぶれる手持ちカメラ一台で撮られ、その最後まで画面には出てこなかったカメラマン自身も、出演者としてカウントするべきか迷うシーンもあります。

その臨場感は「本物」くささとそれ故の恐怖を盛り上げるのに一躍買っていると言えなくもありませんが、そのわりにはカントクやメイク担当の女性の大仰なセリフまわしに舞台人の匂いも感じて、どこか乗り切れないというか……。

血の呪文を唱えるとそれは甦る

ドシリアスな顔でそんなことを言われると、画面の向こうでは恐怖のどん底が展開されているのに、観ているこちらは「あ~それ言っちゃいますか~」と失笑してしまうというか。

なんでしょう。一定の面白さは認めるものの、感染していくかのように口コミが広がり、全国ロードショーを展開するほどの面白さはないんじゃないかぁ……。なんてボヤキまで入りそうになりました。

3-3.ゾンビたちが弱すぎる!


画像出典:https://www.cinra.net/news/gallery/145803/8

またゾンビがね。弱いんですよ。

ゾンビ大国アメリカがいくつものゾンビ映画やドラマを作ってくれているので、2019年現在、地球上でゾンビは素晴らしい多様性を誇っています。

たとえば「ウォーキング・デット」シリーズのゾンビはその名の通り歩いているだけですが、「バイオ・ハザード」シリーズのゾンビは武器も使いますし、ものすごい速さで走ってきます。

それに比べると、この作品のゾンビは弱い。「元」の身体に忠実に、走りはするけれど追いつかれるほどではなく、主役のポニテガールが蹴れば倒れ、メイク担当のお姉さんが斧をちょいと振るえば簡単に首が飛びます。

それがまた一層のゆるみを呼んで、「いや~斧か、なんなら金属バットくらいあれば勝てそう」なんて思いながら、エンドロールを眺めてしまいました。

3-4.第二部ではクレイジー監督の正体が明らかに!?


画像出典:https://movie.jorudan.co.jp/cinema/35720/

と弛緩していたら、そこから第二部が始まったから、あらびっくり。

いや、エンドロールで「ONE CUT OF THE DEAD」と表示され、画面がモニター画面(あの走査線が見える奴)に代わっただけでなく、

はい、カットォ!

の声が聞こえた時には、「これどうやってまとめるんだろう」と思っていたのですよ。そしたら場面は遠景でとらえた街の風景に切り替わり、それにかぶせて「一か月前」の文字が。

なにしろ事前情報がほぼない状態で観ましたからね。「へ?あ、これ二部構成?これから前日譚をやる感じ?」誰に確かめるわけでもないのに声に出してそう言いながら、椅子に座りなおしたわたしです。

予想通り、そこから始まったのは撮影前日譚。

予想と違ったのは、一部で撮影のためにゾンビを蘇らせたクレイジー監督は中小企業の中間管理職の様なおじさんで。現場でも家庭でもぺこぺこ頭を下げ、人知れずため息をつくような人だった事。

出演者たちは皆さん揃いもそろって曲者だらけ。ポニテガールはお調子者のアイドルだし、その恋人役のゾンビ青年は意識高い系で設定にまで口を出す俳優だし。あぁもうカントクさんたら大変。

しかも極めつけはこの撮影の設定自体が、まさに「カメラを止め」てはいけないものであったということなのです。

つまり、第二部は前日譚であると同時に、ネタばらし回。

そもそもなんでバラエティの再現フィルムなんかを細々と撮っていた監督が、この撮影をする羽目になったかということと。何故カメラを止めてはいけないかという、撮影自体の設定を教えてくれる回だったのです。

不憫なこのカントクの元に届けられた企画は、ゾンビ映画を撮っていた撮影隊が本物のゾンビに襲われ恐怖のずんどこに突き落とされる。

だけではなく、それを生中継で、ワンカット、一台のカメラで始めから終わりまでずっと止めずに撮り続けるというもの。

すこしでも映画やドラマ撮影をかじったことのある方ならば、ぞっとするか唖然とする条件ですよね。

一度はそれで断ったカントクですが、なにかと上手くいっていない娘が主演男優のファンだったこともあり、仕事を受けてしまいます。

3-5.抱腹絶倒、驚天動地の第三部! 最後にはあなたも……。


画像出典:https://mainichi.jp/articles/20180731/dde/012/070/011000c

はい。冒頭書いているように、この映画は二部構成ではなく三部構成だったわけです。そして、わたしが一番おすすめなのは、この三部目。撮影が実際に始まるところからです。

もう、冒頭からハプニングの連続。監督役とメイク役の俳優が事故に巻き込まれて現場に来られず、急遽カントク自身が監督役を。現場に見学に来ていた妻(実は元女優)が、メイク役で参加することになります

それだけでヤバそうな香りがしてきているのに、リハーサルの時から空気読めない感を出していた音声役の俳優がお腹を下して外に出ようとするし、断酒して撮影に臨んだはずのカメラマン役は酔いつぶれて役に立たない。

もう阿鼻叫喚。でもそこが面白い。

三部目は言うならば、トラブル続きの現場で何とか撮影をつづけようとするスタッフたちの悪戦苦闘をつぶさに描いた「撮影あるある」話なのです。

その悪戦苦闘の様を見た後ならば、「あぁ、一部で長いなと思っていたシーンの裏がこうだったのかぁ」なんて答え合わせも出来まして、二度おいしい。

撮影現場から遠く離れたスタジオと思しきところで放映を見守るプロデューサー陣が

さぁ盛り上がってきたでぇ~

なんて呑気に言っているシーンも随所にちりばめられ、現場のパニック状態と対比がすごすぎて、またおかしい。

いやぁ。ここでようやく納得できました。こりゃ、口コミ広がるわ。何度でもリピートしてみたくなるわと。

もうね、最後には「ガンバレ、頑張れ!」なんてゾンビ映画を観ていたはずなのに手に汗握りつつ応援しちゃって、エンドマークを観る頃にはやり遂げた爽やかな笑顔まで浮かんできましたよ。

いやぁ面白かった。もう一回観よう。わたしは都合4回見ました。同じ日に。3回は続けて。

4.無名でもここまでやれることを証明した、「カメラを止めるな!」


画像出典:https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/20180730-00091156/

製作費300万から推して知るべしですが、「カメラを止めるな!」には、有名な方はひとりも出てきません。それどころか、この作品が演技初挑戦の方もいます。

俳優たちはすべて、監督&俳優養成スクールであるENBUゼミナールの「シネマプロジェクト」で集まり、オーディションを勝ち抜いてきた人々です。

筆者は公式HPでそれを知るまで「名前は知らないけど、劇団などで活躍している人たちなのだろう」と勝手に思っていました。だって彼らには「素人臭さ」がまるでありませんでしたから。

その秘密は、​脚本にあります。この作品の脚本は、監督の当て書き。数か月に渡るリハーサルやワークアウトの中で俳優たちを観察し、彼らが一番生きるセリフや動き、流れで書き上げられた脚本ですから、はまるのも当然と言えるでしょう。

さらに、出演者の中には、本物のスタッフもいます。誰がそうであるかはDVDの特典・オーデオコメンタリーで紹介されていますので、お聞き逃しなく。

何しろ製作費がありませんから、当初の上映は6日間限定。

でしたがまさに感染のごとくあっという間に口コミで広がり、レイトショーだというのに連日、午前中にチケットが売り切れるほどの話題作に。最終日には劇場に人が押し寄せ、開場から5分で「札止め」という驚きの人気ぶりでした。

その勢いは止まることなく、先行上映が終わるや否や、公開を望む声が殺到。まずは都内の2館で。その後感染は全国に広がり、国内だけではなく世界中に広がっています。

5.「カメラを止めるな!」は、邦画嫌い・ゾンビ嫌い・ネタバレ好きにおすすめ

このように「カメラは止めるな!」は、邦画が嫌いゾンビ嫌いにこそおすすめですが、もうひとつ。ネタバレ好きにもおすすめの作品です。

そしてよりネタバレを楽しむ為に、ここはぜひDVDでの鑑賞をおすすめします。

なぜならDVDには、特典の「オーディオコメンタリー」があるから。

オーディオコメンタリーは2つありまして、ひとつは総勢16名、スタッフと出演者が入り乱れてワイワイしながら解説するバージョン。

もうひとつは、監督と衣装担当の奥さんが二人で撮影秘話を交えて解説するバージョン。どちらもおすすめです。

ワイワイバージョンでは撮影隊の仲の良さが伝わってくるとともに、劇中とは違うスタッフや役者さんの立ち位置(いじられキャラは誰か)などを垣間見ることができます。

二人解説バージョンでは、製作費が少ない映画撮影の苦労話や、それでもどこか楽しそうな様子を聞くことができます。

邦画が嫌い、ゾンビ嫌い、ネタバレ好きな、そこのあなた。「カメラを止めるな!」は、一粒で何度もおいしい作品です。是非一度ご覧ください。

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