【ネタバレ注意!?】映画メメントの見方が3倍深まる解説

1.メメントの作品紹介

公開日: 2001年11月3日 (日本)
監督: クリストファー・ノーラン
原作者: ジョナサン・ノーラン
原作: メメント・モリ
出演者:ガイ・ピアース(Leonard Shelby)、キャリー=アン・モス (Natalie)、ジョー・パントリアーノ (Teddy Gammell)、マーク・ブーン・ジュニア (Burt)、スティーヴン・トボロウスキー (Sammy)
受賞歴:インディペンデント・スピリット賞にて作品賞、監督賞を受賞。アカデミー賞ではオリジナル脚本賞、編集賞にノミネート。ゴールデングローブ賞では最優秀脚本賞にノミネート。

2.メメントのあらすじ


(画像出典:https://www.amazon.co.jp/)

ある日、自宅に侵入してきた何者かに妻を強姦され殺された主人公・レナードはその時に怪我をし、記憶が10分間しか保たない前向性健忘症となってしまう。

最愛の妻を殺された復讐のために犯人探しを始めたレナードは、犯人の手がかりとなる、重要なことを忘れないためにメモすることで復讐を果たそうとする。

出会った人物や訪れた場所はポラロイドカメラで撮影し、重要なことは入れ墨として自分の体に刻み込む

鎖骨の下には犯人の名前であるジョン・Gが彫ってあり、他にも「THE FACT1」から「TH FACT6」までの手がかりが彫ってある。

しかし、そこまで情報はあるのに犯人には容易にたどり着けず、自分の手がかりは本当に正しいのか疑心暗鬼となり、事態はさらに混迷としていく。

 

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3.メメントの見どころ

「インセプション」(2010年)「インターステラー」(2014年)などで知られる名監督クリストファー・ノーラン。彼の名が有名になった最初の作品がこの「メメント」です。

この映画の原作となっている「メメント・モリ」を書いたのがクリストファー・ノーランの弟ジョナサン・ノーランだというのは知らない方もいるのではないでしょうか。

3-1.主人公と視聴者を惑わす謎の多いメメントの登場人物

メメント1
(画像出典:https://www.cinemawith-alc.com/)

実は、この映画の物語に関わってくる重要な人物は非常に少ないです。

主人公のレナード、犯人の情報を調査したナタリー、そして物語の冒頭でいきなり射殺されるテディのほぼ3人だけで物語は進みますが、その分ひとりひとりの濃さは桁違いです。

そして注意しなくてはいけないのがこの登場人物たちの嘘です。

記憶障害による復讐劇なのでそこにつけ込もうとする人間の悪意が存在します。

レナードに犯人の決め手となった情報をあたえるナタリーを演じているのは「マトリックス」シリーズでヒロインを演じたトリニティー役のキャリー=アン・モス。

レナードに同情し、協力してくれるナタリーですが、一体この人物は何者なのか、渡してくれる情報は正しいのか、利用しようとして近づいてきているのか、どちらとも取れるキャリー=アン・モスの名演技がさらに謎を深めていきます。

そしてやはり一番重要なのがこの人物テディです。

演じたのは同じく「マトリックス」で裏切り者サイファー役の「ジョー・パントリアーノ」。

冒頭でいきなり射殺されるにも関わらずやけに忠告や助言を繰り返す一見すると仲の良い男。

射殺される直前の「地下室に行けば自分の正体がわかる」という意味深な発言を含め、何故テディが主人公にまとわりつくのかがこの映画の最大のポイントとなっています。

そして信用出来ないのは主人公であるレナード自身も含まれます。

物語の重要なキーとなる彼の入れ墨やメモですが、果たしてどこまで信用できるのか。

さらにレナードがモーテルで電話越しに話すサミーという男のストーリーは誰に向かって話されているのでしょうか?

また、このサミーという男の話も実は大きく物語に関わってきます。

レナードと同じ前向性健忘症の男サミー、彼には大きな秘密があります。

主人公であるレナード自身にも大きな謎が隠されているのでそこも見逃せません!

3-2.メメントは異例の逆再生映画

メメント
(画像出典:www.tasteofcinema.com)

この映画はかなり難しいということで有名です。

何故かと言うと単純に内容が難しいというのもありますが、時系列がめちゃくちゃだからです

レナードの行動をカラーで見た後、モーテルの一室で電話をするレナードがモノクロで映し出される、というようにカラーのシーンとモノクロのシーンが交互に映し出されます。

オープニングはカラーの映像から始まります。

殺人現場のような1枚の写真、その現像された写真が徐々に薄くなっていくことから、このカラーの映像は逆再生されていることが分かります。

今まで逆再生される映画を私は見たことがなく、このシーンを見た時は衝撃でした。

このカラーの逆再生のシーンを見ていくと、主人公がメガネの男を殺すところが分かります。

冒頭のシーンのみ紹介しましたがこの映画の秀逸な点がこの見せ方です。

レナードの曖昧な記憶の断片を繋ぎ合わせるかのように、ストーリーを逆再生で描写していきます。

まりいきなり殺人事件の犯人を見せられるようなものです。

「それで面白いの?」と思う方もいるかも知れませんが、かなり面白いです。

その面白さの根底にあるのが本作品の最大の特徴「逆再生」で「何故レナードがその結論に達したのか?」という謎を、物語を遡りながら追いかけていきます。

「変わった手法の作品なだけ」ともとられかねない手法でこの映画が長く映画好きに愛されてきた理由は完成度の高さです

物語の終わりから再生しているにも関わらず、次々と謎は増え、物語の始まりに達するとしっかりオチがつく。

逆再生していてもしっかり起承転結がうまれている完成度の高い物語となっています。

場面が変わると何故かレナートが人を監禁していたり、またある時は銃を発泡してくる男に追いかけられたりと10分しか記憶を保てない主人公と同じように視聴者もレナードのように混乱し、より一層ストーリーに入り込むことができます。

ちなみにこの物語の解説などをしているサイトはよくあってもオチについて触れているサイトはあまりありませんが、私はこのオチがかなり好きです。

3-2.難しい映画は無理!という人にも安心

メメント
(画像出典:https://yansue.exblog.jp/)

初めにも言いましたが、この映画はストーリーや人間関係が複雑です。

しかも時間軸の逆行がより難解にしているため「自分には理解できない」という人もいるかも知れません。

私も実はそうで何度も巻き戻しをしながらこの2時間映画を3時間近くかけて見ましたし、その後にまた見返しました。

この映画にハマれば自然と何回も見返して新しい発見に喜びを感じるようになるのですが、中にはそんなのしたくない、何度見返しても分からないという人もいるかと思います。

そんな方のためにDVDには時間軸を元に戻した状態で再生できる特典がついています

この特典を鑑賞すれば、逆転した状態では気づけなかった細かな伏線にも気づくことが出来るかもしれません。

ただし、このモードで見ると映画としてはすごくつまらないので、ストーリーの確認のためだけに使いましょう。

3-3.記憶がないことの恐怖

メメント
(画像出典:https://draconia.jp/)

この映画を見ると記憶の大切さを思い知らされます。

レナードの記憶を維持できないために他人に利用されているのではないかという恐怖が手に取るように伝わってきます

私がこの映画を見て思い浮かべたのはアルツハイマー病です。

私はまだ20代なのでアルツハイマー病にかかる恐怖はありませんが、自分が何者なのか、昨日まで何をしていたのか分からなくなるのはとても恐ろしいことですよね。

そして自分の楽しい思い出なども忘れてしまえば、ないのと同じなのではないかと思いました。

楽しい思い出を全て忘れてしまうと楽しかったことなど一度もないと感じてしまうのかもしれません。

なので、レナードではありませんが、忘れたくないことや楽しい思い出は写真などをとっていつでも思い出せるようにしようと思いました。

3-4.カラーとモノクロの映像の意味は?


(画像出典:https://blog.goo.ne.jp/)

この2種類の映像のうち、逆再生で進んでいるのはカラーの映像のほうだけです。

カラーの映像は物語の後ろから始めへと進み、モノクロの映像は始めから終わりへと進んでいきます。

つまり、物語の中央へ向かって時間軸の両端から迫っていく展開の仕方だったというわけです

カラーとモノクロの映像がぶつかり合うところはジミー殺害後のシーンだったのですが、ポラロイド写真が色づく様子と映像そのものが色づく様子を上手く同期させた表現は見事としか言いようがありませんでした。

3-5.サミーの話の真実


(画像出典:http://canalize.jp/5387.htm)

衝撃の展開でしたね。

レナードが何度も他人に話していたサミーの話は実は自分のことだったのです

サミーはただの保険金詐欺師で奥さんもいなくレナードがそれを見破っただけ。

糖尿病だったのは自分の奥さんで、死なせてしまったのは自分。

それを認めたくないためにサミーがやったことだと他人に話し続けるレナードがなんとも悲しみを誘います。

奥さんは実は生きていて、強盗犯に殺されていなかったのも驚きでした

実は奥さんが生きていたヒントとなるシーンがあります。

コールガールを呼んで事件を再現する場面がありましたが、そのシーンではレナードは奥さんと向かい合わせに倒れ、奥さんの顔にはシャワーカーテンが巻き付いてびくともしません。

しかし、劇中ではもう一度倒れた奥さんのアップが映し出され、そのとき、ほんの一瞬瞬きをするのです。

つまり、実は死んでいなくて生きていたということを示しています

他にもヒントはあります。ちょうど90分頃、レナードが電話しているシーンがありますが、その時サミーの前を人が通るのです。

その後一瞬ですがサミーがレナードに変わります。

ほんの一瞬なので見逃すかもしれませんが、大きなヒントなのでぜひ確認してみてください。

こういう細かな伏線があるから何度も見返したくなります

3-6.レナードが敢えてメモしなかったこと


(画像出典:https://nitari-movies.com/)

既に復讐を成し遂げていた、予想できた人もいるかも知れませんが、衝撃的な事実です。

しかし、ジョン・Gを探し出し殺すことでしか生きる目的を感じられなくなっていたレナードは自ら完璧な情報に穴を作り、無数にいるジョン・Gを探し続けます。

そもそも復讐は完了したという内容のメモさえ自分の体に刻んでおけばこんなことは起こりませんでした。

また最後のシーンはレナードの大きな変化を表しています。
それまでは、テディやナタリーに復讐すべき相手を吹き込まれ、ターゲットを殺してきました。

しかし、最後のシーンではレナード自らターゲットを作り出しました。

そのシーンではポラロイド写真に「殺せ」と書かず、わざと「嘘を信じるな」というまわりくどいメモを残しました。

恐らくジョン・Gとしての手がかりを元に殺すまでの過程を重要視したのでしょう

ただ殺すのではなく、ジョン・Gとして殺す。
レナードが復讐なしでは生きていけなくなった事を表す悲しいシーンですね。

3-7.メメントは痛快なオチが秀逸

(画像出典:http://www.denofgeek.com)

上で記憶を維持できないというのは恐ろしいと話しましたが、実際この物語は見ていてまるでホラー映画のような怖さがあります。

何が起きているのか分からず状況に振り回されるレナード。

物語の始めから終わりまでシリアスなシーンが続きますが最後のシーンだけは少し笑えます。

「みんな記憶で自分を確かめている、俺も同じだ」そう言った直後に自分が何をしていたか忘れてしまうのです。

やっぱり忘れてるやないかい!と思わず突っ込んでしまうようなコミカルさがありました

実際レナードの今後は厳しいですよね。

利用されていたとはいえ、何かと世話をやいてくれていたテディを自分で殺してしまったため、事件の手がかりの発見や殺した後始末を自分でしなくてはいけません。

特に事件の後始末の手助けが大きかったです。

正直私はレナードが一人でこれからも殺人事件をやっていけるとは思えません。

「俺が面倒を見てやっている、あんたは探偵ごっこをしているだけ」とテディが言っていましたが、それも間違っていないと思います。

そんな悲壮な未来を感じさせない物語の終わり方で、このオチが私はかなり好きです

3-8.忘れることも悪いことばかりではない

忘れることは恐ろしいと言いましたが、生きていく中で「忘れる」ということは必要でもありますよね。

どうでもいいことを覚えていると頭はパンクしてしまいますし、嫌なこと・都合の悪いことは忘れるに限ります。

実際、レナードも都合の悪いことや嫌な思い出を忘れて生きていましたし、そうすることでテディの殺人も成し遂げました

4.メメントのまとめ

以上いかがでしたでしょうか?

サスペンス映画としては私の中では間違いなくNo1で何度も見返したくなる魅力があります。

私達が普段意識しない記憶について考えさせられる深い映画でもあるので、まだ見ていない人はこの機会にぜひ見てみてください!

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