ゴジラ キング・オブ・モンスターズを解説!モスラ、ラドン、キングギドラも大バトル【ネタバレあり】

こんにちは!エンタメブリッジライターのriezoです!

ゴジラと言えば、日本の怪獣映画の原点と言ってもいいのではないでしょうか。

1954年に初めて上映されて以来、シリーズとして製作された作品は30作を超えています。

当時、日本の子どもたちをワクワクさせ、そしてその子どもたちが大人になった今、子どものころに抱いた憧れは、マニア、オタクへと進化を遂げ、長い年月をかけて老いも若きもその作品やゴジラの存在感についての持論を熱く戦わせる、一つの文化になったと言っても過言ではないかと思います!

かくいう私は、子どものころにゴジラとかモスラとかガメラなんていう怪獣映画を観た記憶はあるものの、ストーリーはすっかり抜け落ちているという体たらく。

でもあのテーマ音楽はしっかり体にしみ込んで、最初の4小節が流れただけでテンションはあがり、シン・ゴジラを観た時には第2形態の蒲田君にゾワゾワしながらも、東日本大震災、そして長崎・広島の原爆との関係に思いを巡らせました。

そして今回レビューを書くに当たって、過去のゴジラ作品を何作か見直してみました。

多くのゴジラフリークの方たちに比べると、ゴジラ愛は足りないかもしれませんが、私は私なりのゴジラ論を持ったので、その辺りを書いていきたいと思います。

1.「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」の作品紹介

公開日: 2019年5月31日(アメリカ)
監督: マイケル・ドハティ
原作者: 東宝株式会社
出演者:カイル・チャンドラー、ヴェラ・ファーミガ、ミリー・ボビー・ブラウン、渡辺謙、チャン・ツィイー、サリー・ホーキンズ、チャールズ・ダンス、ブラッドリー・ウィットフォード他。

2.「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」のあらすじ


画像出典:https://godzilla-movie.jp/trailer/

本作は、過去の日本のゴジラ映画に対するリスペクトを込めた内容、表現になっているということも話題になっています。

確かに、昔のゴジラ映画のオマージュや過去の作品内容を引き継いでいると思われる箇所がいくつか見受けられます。

そしてこの作品は、アメリカのレジェンダリー・ピクチャーズ社の怪獣映画である、2014年公開の「GODZILLA」いわゆるギャレゴジ、2017年公開の「キングコング:髑髏島の巨神」に次ぐモンスターバースシリーズでもあります。

ですから、たっくさん出てくる怪獣の中にはキングコングやムートーもいます!

あ、これ以上内容を知りたくない方は、ネタバレなしのあらすじだけ読んでくださいね。

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」のあらすじ(ネタバレなし)


画像出典:https://godzilla-movie.jp/trailer/

5年前のゴジラとムートーの戦いにより、巨大怪獣の存在が世界に知られることになった。

怪獣を秘密裏に調査していたモナークは、政府や世論からの批判を受けほぼ解体寸前だった。

マーク・ラッセル(カイル・チャンドラー)と妻のエマ(ヴェラ・ファミーガ)はともにモナークの主要メンバーだったが、ゴジラ対ムートーの戦いで息子を亡くした喪失感から、夫のマークはモナークを辞め、妻と離婚して1人離れて暮らしていた。

妻のエマはマークが開発したオルカという装置を使って、娘のマディソン(ミリー・ボビー・ブラウン)とともに中国で孵化したモスラを落ち着かせることに成功した。

しかしその時、エマとマディソンはエコテロリストのアラン・ジョナ(チャールス・ダンス)たちに拉致されてしまう。

エマとマディソンの行方を捜すマークとモナークのメンバーは、観測データからゴジラが南極に向かっていることをとらえていた。

そして、テロリストたちも同じく南極に向かっていると考えた。

南極。

そこには「モンスターゼロ」と呼ばれる巨大な怪獣が氷漬けになっていたのだった・・・。

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」のあらすじ(ネタバレあり)


画像出典:https://godzilla-movie.jp/trailer/

前作「GODZILLA」から5年後という設定でストーリーは始まっていますが、前作で登場していたキャストのほとんどが本作には出ていません。

今回のメインキャラであるマークとエマの家族も、この作品オリジナルのキャラクターです。

ゴジラ対ムートーの戦いで息子を亡くしたマークとエマは離婚し、マークはコロンビアで動物学者として、そしてエマは娘のマディソンとともに、中国の雲南省でモスラの孵化を監視していました。

モスラを大人しくさせたオルカとは、音波を使って怪獣と交信ができる装置です。

エマとマディソンを誘拐したジョナが率いるテロリスト集団は、このオルカを利用して世界中の怪獣を目覚めさせ、世界を破滅させようと企んでいたのです。

一方、解体の危機にあったモナークの芹沢博士は、人間と怪獣の共存を主張していました。

モナークは前回の戦いのあともゴジラの動きを監視し続け、ある意味ゴジラに生物としての尊厳も抱いていたのです。

そんなゴジラはモンスターゼロの存在を察知して南極に向かっていたのでした。

エマとマディソンを誘拐したジョナたちテロリストは、怪獣による地球浄化という大義名分のもとに文明社会を破壊しようとしている集団です。

ところが、実は誘拐されたエマも、地球の環境のためには環境を破壊している人間を滅ぼすことが必要だと考え、自らジョナと行動を共にしていたのです。

そして、モナークとテロリストの攻防戦の間にモンスターゼロを復活させる爆弾を発射させたのは、エマでした。

これにはマークもマディソンもショックを受け、とくに娘のマディソンは母に対する不信感から、後半でオルカを持ちだして作動させ、キングギドラに襲われるという展開になります。

そして覚醒したモンスターゼロとゴジラの激しい戦いが最大の見せ場となってストーリーは進んでいくわけです。

モンスターゼロのほかには、雲南省で成虫化したモスラ、メキシコのイスラ・デ・マーラという火山から出現したラドンや、5年前にゴジラに倒されたはずのムートー、そしてキングコングなど17体の怪獣たちが世界中で大暴れします。

中でもラドンは、モンスターゼロにぼろぼろにやられたあとは壮大な手のひら返しでゼロの手下となり、成虫になったモスラと戦います。

ゴジラはモンスターゼロとの戦いの最中に、米軍が発射したオキシジェン・デストロイヤーを被弾し、いったん生命反応ゼロな状態まで弱ってしまうのですが、同じく被弾したはずのモンスターゼロはまったくダメージを受けません。

そもそもオキシジェン・デストロイヤーとは何かというと、米軍が秘密裏に開発した戦闘兵器で、周囲の酸素を破壊することで地球上のあらゆる生物を死滅させるという武器です。

これにダメージを受けなかったモンスターゼロとは一体?!

そう、奴は古代に宇宙からやってきて人々を恐れさせた神話の怪獣、キングギドラだったのです。

3つの頭をもつキングギドラはゴジラに頭を1つ食いちぎられてもそこからまた新しい頭が生えてくるという再生機能をもつ手ごわい相手。

オキシジェン・デストロイヤーにやられたゴジラは海中深い海底神殿に横たわり、わずかな放射能を吸収しながら回復しようとしていました。

でもそんなんじゃ何年かかるか分からない。

そこでモナークの皆さんが考えたのが、ゴジラの近くで核爆弾を爆発させて放射能を与えてあげよう、という作戦でした。

ところがこれもまたなかなかすんなりいかず、核爆弾を運ぶ途中に事故に遭い、ミサイル発射装置が故障してしまいます。

そこで手を挙げたのが、芹沢博士です。

自分が海底に残ってミサイル発射の手動スイッチを押すと言いました。

潜水艦から降りた芹沢博士はゴジラに近づくと、その体に触れました。

ゴジラに触った初めての人間。

そしてこう言ってスイッチを押したのです。

さらば、友よ。

芹沢博士にとって、ゴジラとはただの怪獣ではなく、ともに地球上で生きる同志のような存在だったのでしょうか。

芹沢博士の犠牲のもとにゴジラは見事に回復します。

そしてやりたい放題暴れているキングギドラを倒しにアメリカに向かいます。

そのころアメリカボストンでは、オルカを持って飛び出したマディソンを追うエマとマークが、家族の絆復活のドラマを繰り広げています。

しかしそんなファミリードラマをよそに巨大怪獣たちは文字通り命を懸けて壮絶な大決戦を行っています。

放射能注入によって復活を遂げたゴジラですが、やはりキングギドラは手ごわい。

苦戦を強いられています。

そんなゴジラを援護しようとモスラも間に入るのですが、ここでなんと、キングギドラの光線で焼け死んでしまうのです!

ああ。モスラーや、モスラー・・・。

一方人間の方はというと、自分がキングギドラを覚醒してしまったと自責する(今さら)エマは、マークとマディソンを救出ヘリに乗せ、自分は地上に残ってオルカを作動させてキングギドラを引き付けます。

再び怪獣の方に目を移すと、焼け死んだモスラの鱗粉を浴びたゴジラは一気にパワーアップ!

核のメルトダウンで全身が真っ赤になったバーニングゴジラへと変身。

エマはそんなゴジラを見て死に際に一言こう言います。

王が目覚めた。

その瞬間、ゴジラからは壮絶な放射能光線が炸裂!

巨大なキノコ雲とともにキングギドラは消滅しました。

ギャオーン!!

雄たけびを上げるゴジラ。

周りには世界中で覚醒した怪獣たちがゴジラを取り囲み、王と崇めているのでした。

キングギドラの死とともに人類の滅亡は阻止できましたが、そこには怪獣たちが君臨する新たな世界が誕生したのです。

と、ここで本編は終わりです。

しかし物語はここで終わりではありません。

かつてキングコングがいたスカルアイランドでは新たな壁画が発見されます。

そこにはキングコングと戦うゴジラの姿が。

そしてゴジラに食いちぎられたキングギドラの首は、あのテロリストのジョナが手に入れようとしていたのです。

つづく・・・・・。

3.「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」の見どころ


画像出典:https://godzilla-movie.jp/trailer/

日本で生まれたゴジラ。

すでにハリウッド版ゴジラは何作かあり、それぞれにブラボーな点と、なんじゃこりゃというところがありますが、今回の「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」はどんなところが見どころなのか、ご紹介していきましょう。

なんといっても怪獣大決戦のシーン!


画像出典:https://godzilla-movie.jp/trailer/

モンスターバースシリーズの3作目ともなっている本作。

メインはやはりキングギドラを始めとする怪獣たちとの戦いのシーンでしょう。

南極の氷をぶち破って覚醒したキングギドラと、イスラ・デ・マーラから出現したラドン、そして雲南省で孵化・成虫化したモスラたちとゴジラの対決は、1964年公開の「三大怪獣 地球最大の決戦」の再現に他ならないでしょう。

「三大怪獣 地球最大の決戦」ではゴジラ、ラドン、モスラが結託してキングギドラを地球から追い出しましたが、本作では日和見ラドンがキングギドラ側につくという変則パターンです。

さらに、モスラとラドンの戦いでは、いままでモスラの戦闘パターンでは見ることのなかった、鋭い前脚攻撃や蜂の一刺し(蛾だけど)のような、お尻から出した針のようなものによる攻撃を見ることができました。

モスラは、唯一卵から孵化、成虫という昆虫の成長形態が可視化されていて、芋虫が蝶(蛾だけど)になるというプロセスがまさにクイーン・オブ・モンスターの異名に相応しい怪獣です。

神々しいまでのゴジラのビジュアル


画像出典:https://godzilla-movie.jp/trailer/

50年前の日本の特撮映画のゴジラは、当時の日本の子どもたちを熱狂させたとはいえ、やはり現代のCG技術を駆使したビジュアルのゴジラに比べるとほのぼの感が否めません。

もちろんあのゴジラがいてくれたからこそ、今のゴジラがあるわけですが。

シン・ゴジラのときにはモーションキャプチャで野村萬斎さんの能の動きを取り入れたゴジラが話題になりましたし、ゴジラが進化していく過程での第2形態など、キモコワなビジュアルもたまらないものでした。

やっぱり日本のゴジラはものすごいCGで緻密なデザインのクリーチャーとして作り上げるというより、昔の特撮の技術を感じられる作りが特徴だと思うんです。

で、ハリウッドでこれをリメイクするとなると、そこはそこでハリウッドのお家芸であるCGを使った特殊効果を駆使した、超カッケーゴジラが出来上がってるんですよね。

1998年のローランド・エメリッヒ監督の「GODZILLA」では恐竜のようなフォルムで興ざめさせられましたが、2014年のギャレゴジではだいぶ日本のゴジラに近づきました。

そして今回の「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」では、青く光る堂々たる姿となり、王の名にふさわしいダークヒーローの面影すらあります。

キングギドラを倒したことで、怪獣のなかの怪獣、まさにキングオブモンスターとなるゴジラ。

「三大怪獣 地球最大の決戦」での戦いでひたすら岩を投げたり蹴ったりしていた、あのゴジラはもうここにはいないのです。

芹沢博士とゴジラの関係


画像出典:https://godzilla-movie.jp/trailer/

1954年の第1作ゴジラでは、ゴジラを倒すために自ら開発したオキシジェン・デストロイヤーを海中で爆発させ、恐ろしい兵器を後世に残さぬよう、自身もゴジラと一緒に命を絶った芹沢博士。

2014年のギャレゴジではムートーを倒す唯一の方法として、ゴジラを信じ、ムートーとゴジラを戦わせました。

モナークの中でもゴジラに対する信頼と尊厳の寄せ方にはひとかたならぬものを感じます。

ムートー戦では電磁パルスで弱りながらも2体のムートーをやっつけて海に帰っていったゴジラ。

それが今作では人間が発射したオキシジェン・デストロイヤーに倒れてしまいます。

そんなゴジラを復活させたのが、誰あろう芹沢博士です。

ご都合主義ともとれる潜水艦の事故によってミサイル発射ができなくなるという事態に、博士自らが文字通り身を捧げてゴジラに放射能を吸収させるのです。

「さらば、友よ。」

この言葉が芹沢博士がゴジラに対する信頼感を持っていることを表しています。

そしてゴジラもまた、そんな芹沢博士の献身を感じている、そんなふうに受け取れました。

印象に残るシーンの数々


画像出典:https://godzilla-movie.jp/trailer/

冒頭にも書きましたが、この作品でも日本のゴジラ作品に対するリスペクトやオマージュとされるシーンや設定が数々あります。

ゴジラといえば誰もが知っている伊福部昭氏のあのテーマ曲のあの有名なフレーズ。

今作のメインテーマにも使われています。

ゴジラ登場でこのテーマ曲が流れると、自然とテンションが上がってきますね。

そしてモスラのテーマ曲にも、ザ・ビーナッツが「モスラーや、モスラー」と歌っていたあのメロディが使われていて、日本人の私にとっては心が震える思いです。

ゴジラやモスラに特に強い思い入れがないと思っていた私ですら、このメロディが流れてきた瞬間にこみ上げるものがあったことに驚きです。

ああ、日本生まれのヒーロー、ヒロイン(敢えてこう言います)がワールドワイドに認められている!大げさではなく、そんな誇らしい気持ちになりました。

ちなみにゴジラのメインテーマ曲ですが、てっきりゴジラ映画のために作曲されたものかと思ったら、1948年に松竹映画の「社長と女店員」という作品ですでに使われていたようです。

作曲者はもちろん伊福部氏です。

ちっちゃいトリビア。

そしてオキシジェン・デストロイヤーや三大怪獣(4体だけど)の戦いなど、日本のゴジラファンにっとてはありあまるファンサービスとも言える数々のシーンを確認しながら観るのもひとつの楽しみでしょう。

さらにアメリカならではだなーと思ったのは、キングギドラが咆哮を上げるシーンで、十字架がフレームインしてるんですよねぇ。

これはやっぱり神の存在を凌駕しようとしているキングギドラの出現を描いているのかなと思いました。

そしてラストシーンの怪獣たちによるゴジラ崇拝の図。

これはまさに、キングギドラを倒した安堵感とともにこの先の未来への底知れぬ不安感を抱かせるに十分な、崇高でもあり不気味でもあるラストシーンでした。

終わっても席を立ってはいけない


画像出典:https://godzilla-movie.jp/trailer/

映画が終わってエンドロールが流れ出すと、早々に席を立つ人がいますが、あれはほんとに残念だと思います。

劇場内が明るくなるまで、最後の最後まで映画を楽しんでいただきたい。

しかも、この作品ではエンドロールが流れてもまだ話は終わっていないのです。

あ、あと、吹替版では最後の最後に吹き替え版のクレジットとともにALEXANDROSの日本版主題歌が流れます。

4.「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」を観たライターriezoの思い


画像出典:https://godzilla-movie.jp/trailer/

日本のゴジラのハリウッド版リメイクというフィルターがなくても、ひとつのハリウッドエンタテイメントとして十分に楽しめた「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」。

むしろ日本のゴジラを忘れて、単純にモンスターバース映画として観るだけでいいのかな、とも思います。

なぜならば、私の中ではやっぱり何か違和感がありました。

エンドロールを眺めながら、シン・ゴジラを観た時のあのなんともやるせない気持ちが、新たな形をもって心の中に澱んだのを感じました。

ゴジラは、もともと水爆実験の産物として生まれた生き物であり、人類にとっては災いとされる現象でした。

ただ現れて移動するだけで、人類にとっては脅威だったのです。

そしてシン・ゴジラではそれが東日本大震災を想起させる存在として描かれていました。

核エネルギーを溜め込むことで放射熱線を吐き、日本は放射能汚染という被害を受けます。

ゴジラを倒すために、アメリカは日本への熱核攻撃をやむなしとし、核ミサイル発射のカウントダウンを始めます。

日本は原爆の被爆国です。

ゴジラ討伐のためとはいえ、またしても核による攻撃を受けなければならないのかという忸怩たる思いです。

しかしそれを阻止するために日本人が考えたのはゴジラの凍結です。

無事にゴジラを凍結することに成功はしましたが、もしまた活動を始めたら、いったん止まったカウントダウンは止まったところから秒読みを開始するのです。

まさにゴジラという「爆弾」を抱え、熱核攻撃の脅威にさらされたまま物語は終わるのです。

これに対し、ハリウッドが作ったゴジラは、人類にとって脅威であるはずの核の存在が、人類を救うための神器として扱われています。

自分の命を犠牲にしてゴジラを復活させたのは日本人である芹沢博士でした。

彼の父は広島の原爆で亡くなり、原爆が落ちた時間で止まっている父の形見をいつも身に付けています。

そして最後の瞬間、その時計を握りしめてミサイルのスイッチを押すのです。

このシーンは、第1作で自分の手でゴジラを殺した芹沢博士が今作ではゴジラを復活させたという、第1作目のゴジラに対する芹沢博士の行動とは逆の行為であり、まさに原作に捧げる粋な演出だとも言われています。

確かにそういう演出だとも捉えられます。

でも私はそれ以上に、この核ミサイルのスイッチを押したのが日本人だった、というところがとても複雑な思いでした。

それは、被爆国の国民である日本人が、しかも映画の設定の中でも父親を原爆で奪われている芹沢が、アメリカに核ミサイルのスイッチを押させられた、という思いです。

さらに、かの3.11の悲劇によって、原発や放射能について教科書で学ぶ以上にその危険性を身近に感じ、日本人の心の中に反原発への意識が生まれてきている流れに対し、アメリカではこれほどまでに核という兵器に対していまだにポジティブな描き方をしているのだという思いです。

たかが映画、と言ってしまえばそれまでです。

しかし、エンタテイメント、メディアというものは人々の心を良くも悪くも動かす力があるとも信じています。

私は政治的に確たる思想は持っていません。

でもやはり日本人にとっての核の存在とアメリカ人のそれとはこのように違いがあるのだな、という気持ちをなくして観ることはできませんでした。

5.「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」をおすすめする人


画像出典:https://godzilla-movie.jp/trailer/

怪獣映画としてはかなりのクオリティで楽しめる「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」。

テーマは深いものがあると思いますし、複雑な気持ちになるのも事実です。

でもやっぱり日本が生んだスーパーモンスターのゴジラ。

ゴジラファンの方々は言われなくてもご覧になると思いますので、それ以外のこんな方へおすすめします。

CGを駆使したファンタジー映画が好きな方


画像出典:https://godzilla-movie.jp/trailer/

やはり何と言っても、登場する怪獣たちがカッコいいんです。

ゴジラはもちろん、キングギドラが翼を広げた姿は壮観です。

怪獣たちにはそれぞれのキャラクターカラーみたいなのがあるみたいで、ゴジラはブルー、キングギドラは金色、モスラはグリーン系、ラドンはオレンジという具合です。

精密にデザインされた怪獣たちを観るだけでも十分に楽しめるのではないかと思います。

ダークヒーローが好きな方


画像出典:https://godzilla-movie.jp/trailer/

今回ゴジラは完全に悪の力を身に付けた正義のヒーローという立ち位置で描かれています。

確かに前作のギャレゴジでも人類側にポストを置く怪獣ではありましたが、今作では芹沢博士との絡みや、モナークの研究員たちへのアピールなどから、さらに人類のために戦ってくれるヒーローという色合いが濃くなっているような気がします。

私は個人的にそういうダークヒーローが大好きなので(歴史はデビルマンに遡る)、見た目は恐ろしい怪物なのに実は味方、という設定にめっぽう弱いです。

映画のラストシーンでも、キングギドラを倒し、他の怪獣たちに崇拝されているゴジラを見て

ゴジラが味方でよかった。

という研究員がいましたが、まさにその言葉通り、敵に回したくない存在です。

原爆、核について興味がある方


画像出典:https://godzilla-movie.jp/trailer/

やはりゴジラ映画は、原爆、核、放射能ということがテーマとして作品の背骨になっていると思います。

どういう考え方が良いのか、どう描くべきか、ということはそれぞれ観る方が考えることだと思うので、私が感じたことが正解だと思ってはいません。

しかしゴジラが日本生まれの怪獣だということ、日本とアメリカの核の捉え方の違いがあるということを踏まえて、このテーマについて考えてみてほしいなと思います。

1 COMMENT

オガ

ゴジラ映画にメッセージ性を期待する方々には受けがよくなかったよーですね。
私のようにただただ東宝特撮マニアや、どつき合い、破壊の美学を好む人には最高の作品でした。

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