こんにちは、エンタメブリッジライターのとーじんです。
今回は、10年前にテレビアニメとして放送され大ヒット作品となった『コードギアス 反逆のルルーシュ』の続編にして完全新作の映画『コードギアス 復活のルルーシュ』の考察をしていきます。
ギアスシリーズは頭脳戦やSF要素も強く、今回の映画も複雑なポイントがたくさんありました。
そこで、テレビアニメの頃からギアスシリーズの大ファンでもある著者が、ファン目線でわかりにくいポイントを解説し、考察を加えていきたいと思います!
目次
1. コードギアス 復活のルルーシュの作品紹介
監督:谷口悟朗
脚本:大河内一楼
出演者:ルルーシュ(福山潤)、C.C(ゆかな)、スザク(櫻井孝宏)、ナナリー(名塚佳織)、カレン(小清水亜美)、ロイド(白鳥哲)
2.コードギアス 復活のルルーシュのあらすじ(ネタバレなし)
帝国を混乱の渦に巻き込んだ大戦争が終結し、世は太平の時を迎えていた。
しかし、ルルーシュの妹ナナリーが難民キャンプに向かった際、事件が発生してしまう。
ナナリーの警護役として同行していたスザクが、何者かの強襲に遭い敗北してしまった。
戦闘において無類の強さを誇っていたスザクの敗北は、ブリタニア中に衝撃を与えた。
その後、すぐさまスザクおよびナナリーの救出を目的に戦士の国ジルクスタン王国へと向かった一行は、異国でC.Cの姿を目撃する。
突如として現れたC.C。そして、彼女の傍らにいたのはかつてブリタニア中を駆け回った「あの男」であった…。
3.コードギアス 復活のルルーシュのあらすじ(ネタバレあり)
画像出典:https://tamashii.jp/special/R-geass/
世を大混乱に陥れた皇帝ルルーシュの死から約二年が経過し、世界では平穏な日々が続いていた。
そんな最中、難民キャンプの慰問に訪れたナナリーとスザクは、突如正体不明のナイトメアフレームの急襲に遭ってしまう。
急襲にもかかわらず敵機を多数撃墜するスザクであったが、多勢に無勢であったため敗れ去ってしまう。
スザクを襲ったパイロットは「姉さんの予言が当たった」と意味深なセリフを残し、スザクとナナリーを連れて引き揚げていった。
一方、C.Cはかつてギアスを与えたルルーシュと共に流浪の日々を送っていた。
ルルーシュは目に見えて衰弱しており、今にも死んでしまいそうなほどに弱弱しい姿をさらしていた。そんなルルーシュを甲斐甲斐しく介抱しながら旅を続けるC.C。
二人はジルクスタン王国を訪れると、国中が警戒態勢に入りピリピリしているという事実に気づく。
C.Cは自身に向けられた警戒の目ではないと判断するが、その時何者かが彼らの部屋に突入してきた。
そこで出会った人物は、意外なことにかつて共に戦った紅蓮のパイロット紅月カレンであった。
画像出典:https://www.fashion-press.net/news/41892
突然の再会に驚く一同。しかし、その直後にC.Cは敵の凶弾に倒れてしまう。立ちはだかったのはギアス保有者のクジャハットであった。
身体能力では圧倒するもののギアスを保有するクジャハットに苦戦するカレンであったが、彼はC.Cに対し「元向主様」とつぶやくとギアスの使用を取りやめ、引き揚げてしまう。
図らずも敵が去ったため、引き揚げようとするカレンたち。しかし、C.Cはカレンたちに「連れがいる」と同行人の存在を明かす。
そこでカレンたちが出会ったのは、かつて死んだはずのルルーシュその人であった。
驚きを隠せない一行に、C.Cはルルーシュが父シャルルを倒した際に不死身の肉体を得たものの、精神がCの世界に取り残されたままと非常に不安定な状態であることを告げた。
そして、自分の目的はCの世界でルルーシュの精神を修復することだと明かすのであった。
そのころ、ジルクスタン王国の王女シャムナはC.Cとカレンたちが国に潜入していることを知る。
カレンたちの目的はナナリーとスザクであるとあたりをつけたシャムナは、彼らを捉えていた「嘆きの峡谷」に腕っぷしの強いシェスターを派遣した。
峡谷にいたシャリオはシャムナの指示により峡谷を離れたが、その隙をついてC.Cとルルーシュは峡谷へと潜入した。
峡谷はCの世界とつながっており、C.CはCの世界への潜入を成功させた。
しかし、峡谷はジルクスタン王国の兵によって包囲されつつあり、カレンは包囲に抵抗しますが数に押され敗れてしまった。
Cの世界でルルーシュの精神を取り戻そうと奮闘するC.Cだが、やがて現実のC.Cが敵に包囲されてしまう。「ここまでか…」と諦めを示唆するC.C。
しかし、「違うな…間違っている!」という声が響き、その声のする先に立っていたのは生気を取り戻したルルーシュであった。
画像出典:https://dennodenpa.xyz/?p=32837
ギアスの力を行使して危機を乗り越えたルルーシュは、包囲突破に向けて頭脳をフル回転させる。
カレンを奪還したのち次々とギアスをかけつつ戦力として敵を操る中で、刑務所内の不自然なスペースに着目したルルーシュはそこにスザクがいることを指摘した。
そこでスザクと出会ったルルーシュは、スザクの激高に遭い殴打される。
そんな最中、シェスタールが率いる敵部隊が峡谷を包囲したことを告げ、ルルーシュらに投降を促した。
その要求を頑として飲まないルルーシュに激高したシェスタールは峡谷に突入するが、それを読んでいたルルーシュはサクラダイトを爆発させ難を逃れた。
爆発の衝撃に巻き込まれてシェスタールを含む多数のジルクスタン人が死んだことで脱出に成功したルルーシュ。
脱出後、ナナリーを救出するべくかつての宿敵コーネリアとの協力を画策した。
しかし、過去の出来事が影響してなかなかコーネリアの協力を得られなかったルルーシュは、「決して嘘はつかない」と頭を下げ、その変わりようを目の当たりにしたコーネリアは協力を決めた。
ルルーシュはナイトメアで神殿に突入し、シャムナに降伏を勧めた。しかし、頑としてそれを聞き入れないシャムナは自殺し、全てが終わったかに思えた。
その瞬間であった。時間が6時間巻き戻り、シャムナはルルーシュの進撃に備えるよう指示を出した。
先ほどと同じように進撃するルルーシュであったが、先ほどとは違いルルーシュの行動を予測していたかのように敵が待ち構えていた。
画像出典:https://www.oricon.co.jp/news/2120843/photo/8/
自分の作戦が通用せず動揺を隠せないルルーシュ。それでも、すぐさま次の作戦を実行した。しかし、それもまた敵に見透かされているかのように対処されてしまう。
心が折れかけてしまったルルーシュだったが、C.Cの「簡単にあきらめるな!」という声に奮起し、ひたすら策略を練り続ける。
そのうち、シャムナがギアスを使っている可能性に思い当たったルルーシュは、イチかバチかシャムナにハッタリをかけてギアスを特定しようとした。
シャムナに対し「俺と同じギアスを使うやつがいるとは」とハッタリをかけ、シャムナの動揺を誘うことに成功する。
シャムナが「ルルーシュを殺すな」と周囲の衛兵に声をかけたことでルルーシュは彼女のギアスを特定し、彼女を永遠に眠らせることでギアスの発動を防いだ。
シャムナを失い動揺するジルクスタンは、一気に劣勢に追い込まれることとなった。
一方でナナリーの魂をCの世界から救おうと画策したルルーシュは、無事その任を果たすことに成功した。
「一緒に暮らしてほしい」そう懇願するナナリーであったが、ルルーシュは彼女の前から立ち去ろうとする。そこにC.Cが現れ、自分もルルーシュの旅に同行したいと申し出た。
それを承知したルルーシュは、「お前がC.Cなら俺はL.Lだな」と語り掛け、C.Cはそれに満面の笑みで答えるのであった。
4.コードギアス 復活のルルーシュの解説・考察
画像出典:https://nijimen.net/topics/21192
ここからは、「コードギアス 復活のルルーシュ」の解説や考察をしていきます!
世界観が複雑でわかりづらいところも少なくないので、読んでいただくと映画の謎も解けると思います。
1.どうしてルルーシュ生きていて、かつギアスを保有することができたのか
さて、今作を観てまず一番に思い浮かぶ疑問は、見出しにもあるように「どうしてルルーシュは生きていることができたのか」でしょう。
これについては作中でも言及されてはいますが、少し説明不足の感も否めないのでここで補足しておきます。
結論からいえば、ルルーシュは父シャルルを殺した時点でコード継承者となっており、既に不死身の肉体を得ていました。
コード継承者とは、C.Cのように他人にギアスを与えることのできる不死身の能力保有者を指します。
そのため、ルルーシュは生き返ったというよりはハナから死んでなどいなかった、というのが説明としては適切です。
しかし、ギアスファンが次に疑問に思うであろう点は「コード継承者はギアスを失うという設定があったはずでは?」というものでしょう。
実際に、これまでのシリーズでは確かにそういった説明がなされていました。
では、今回はなぜルルーシュが両方の能力を保有することができたのでしょう。
その答えは、ルルーシュとCの世界とのつながりが不完全であった、というのが理由として考えられます。
画像出典:https://gunosy.com/articles/aWYWe
作中で、ルルーシュはCの世界の神にギアスをかけ、Cの世界を崩壊に導きました。
そのため、Cの世界とのリンクは復活後に完全に途絶えたことになります。
すると、それまでもっていた不死身の能力を一時的に失う代わりに今まで通りギアスが使えるようになるのです。
結局、ギアスが使えない理由は完全な状態のCの世界と繋がることであるため、不完全な状態を保っているルルーシュはどちらの力をも有することができるという理屈ではないでしょうか。
あくまで個人的な考察ではありますが、この部分の説明は作中で詳しくされていないため、皆さんも自分なりにいろいろ考察してみるとより作品を楽しめるかもしれません。
2.「俺はL.Lだな」と言った際、なぜC.Cはあそこまで感動したのか
これは作品ラストシーンのことなのですが、ルルーシュが自身をL.Lであると言った際、C.Cは満面の笑みと共に深い感銘を受けているような描写がなされていました。
しかし、観ている我々からするとC.Cが幸せそうで安堵する一方、どうしてこれほどC.Cが感動しているのかが分かりづらいという一面もあったことは否めません。
この理由についても作中では詳しく触れられていませんので、ここで考察していきたいと思います。
まず、理由として考えられるものに、過去のC.Cの人生とルルーシュの発言があります。
C.Cは、コード継承者として不死の身体をもっていました。そのため、作中でも語られているようにC.Cは1000年近い時を生きていることになります。
その1000年という期間の間にC.Cはさまざまな人間と出会ってきたはずですが、出会った人間たちはみな自分を残して死んでいったことでしょう。
こういった状況では、C.Cは他人との関わりを絶って孤独に過ごしていたと考えるのが自然でしょう。
画像出典:https://www.zaikei.co.jp/article/20171110/410677.html
そんな最中、ルルーシュというからかいがいのありそうな青年に出会い、ギアスを授けました。
そして、その青年は自分が思っていたよりもずっと興味深い人物で、やがて自身の孤独を埋めるような存在になっていったのでしょう。
さらに、もう一つ考えられる理由としては、「C.C」という名前に対するルルーシュの発言があります。
作中で、ルルーシュは「C.C」という名前を聞いて「人の名ではない」と発言しています。そして、今作では過去にそう言っていたルルーシュが「L.L」を名乗ったのです。
つまり、これはC.Cを認め、自分も同じ道を共に歩んでいくという彼なりのプロポーズとも受け取れるのです。
こうした意味を感じ取ったからこそ、C.Cはあそこまで感動を表したのではいないでしょうか。
3.努力して挫折して頭を下げるルルーシュの姿を、心が折れそうな人に観てほしい
画像出典:https://abema.tv/channels/abema-anime-2/slots/9xosE94TjpCeT1
今作の、というよりは今シリーズの主人公ルルーシュは、ハッキリいって天才です。
ギアスを保有しているだけでなく、天性の頭脳が備わっているという、超人的な存在といってもいいでしょう。
しかし、ルルーシュのやることはあまりうまくいかないことが多いです。
時には運が悪く、時には驕り、時にはギアスによって、また時には権力によって行く手を阻まれます。
そんな時、ルルーシュは何度も挫折し、打ちひしがれます。彼は超人ですが、心はあくまで普通の若者なのです。
それでも、ルルーシュは進むことを止めません。今作もそうですが、何度も何度も挑戦し、そして困難を突破していきます。
つまり、彼の優れているところは天性の能力ではなく、そのひたむきなところにあると思うのです。
これは我々にも見習うところがあるのではないでしょうか。天才のルルーシュでもこれだけ挫折し頭を下げなければならないのですから、我々もくじけて立ち止まっている場合ではありません。
困難をトライ&エラーで突破していくルルーシュの姿は、心が折れそうな人を支えてくれるかもしれません。
そこにC.Cが現れ、自分もルルーシュの旅に同行したいと申し出た。と書いてありますがC.Cの後を追いかけて行ったのはルルーシュの方ですよ。C.Cは1人で旅に出ようとしていました。