【ネタバレ】映画「天使と悪魔」意味深ラストの考察は原作がミソ

天使と悪魔 トムハンクス

こんにちは!エンタメブリッジライターしおりです。

今回はダン・ブラウン小説、ロバート・ラングドン教授シリーズ2作目映画「天使と悪魔」についてあらすじと見どころをご紹介します。

映画ではダ・ヴィンチ・コードが先に公開されましたが、実は書籍は「天使と悪魔」のほうが3年先に発売されています。

映画はダ・ヴィンチ・コードの大大大ヒットを受けての続編として制作されましたが、とある解説本によると5人に1人は「ダ・ヴィンチ・コードより天使と悪魔のほうが好き」と答えるそうです。

「天使と悪魔」はよりバイオレンスとグロ要素が目立っておりやや男性向けといった印象。

しかしダ・ヴィンチ・コードより専門用語も抑えられた印象もあり、主人公ラングドンの直感とフィールドワークが激しいアクションで展開していき、ダ・ヴィンチ・コードより「あれ、なんだったっけ?」と考る要素が減って観る側としては楽でもあります。

しかしそのテーマははるか昔から続く「宗教VS科学」という深淵なもの。

特に意味深なラストを理解するには原作を読むことが欠かせませんが、ダン・ブラウン小説はどれも分厚く読書が苦手な方は気が進みませんよね。

今回のレビューでは原作の重要ポイントも含みつつ、「えっそんな意味もあったの!?」と「天使と悪魔」が100倍面白く観られるように解説していきたいと思います!

以前書きました前作ダ・ヴィンチ・コードのレビューはこちらからどうぞ。

【ネタバレ】超難解!?映画ダ・ヴィンチ・コード20分でわかるあらすじ完全解説

1.映画「天使と悪魔」の作品紹介

次の予告動画ですが、1分10秒当たりで今作のキーワード「イルミナティ」というセリフと共にサン・ピエトロ広場を眺める天使の彫像が急に悪魔へ様変わり…何を意味するのか気になりますね!

公開日:2009年5月15日(アメリカ)
監督:ロン・ハワード(Ron Howard)
原作者:ダン・ブラウン(Dan Brown)
原作:天使と悪魔(Angels & Demons)
出演者:トム・ハンクス(Tom Hanks)、アイェレット・ゾラー(Ayelet Zurer)、ユアン・マクレガー(Ewan McGregor)、ステラン・スカルスガルド(Stellan Skarsgård)、他。

2.映画「天使と悪魔」のあらすじ

天使と悪魔 教皇 画像
画像出典:http://www.netflix.com/

はじめに「天使と悪魔」のあらすじについて解説します。

家でレンタルなどで観る場合は、スマホ片手に観ることをオススメします。

よくわからないキリスト教用語・歴史用語が出てきたらすぐにググれる態勢を作っておけばこの映画は10倍楽しめます♪

映画「天使と悪魔」のあらすじ(ネタバレなし)

「地上のイエス」とも言われる世界10億人のカトリック信者の精神的リーダー、ローマ教皇がある日、バチカンで急逝します。

バチカンは次のローマ教皇を選出するための「コンクラーベ」に大忙し、世界中から枢機卿が集まり、サン・ピエトロ聖堂前の広場は信徒やマスコミで騒然としていました。

そのころ、スイスに実在する欧州原子核研究機構(通称CERN/セルン)では極秘の大実験に成功していました。

とある研究チームが科学の力を結集し、「反物質」という1g=20kgの核爆弾に相当するエネルギー物体の開発に成功したのです。

しかしその直後、研究チームの初老の学者シルヴァーノは、厳しいセキュリティの関門をかいくぐった何者かに殺され「反物質」が盗まれてしまいました。

第1発見者は同じ「反物質」研究チームの、生物物理学者のヴィットリア(今作のヒロインです)。

そしてバチカンには「イルミナティ」と称する秘密結社から、このような脅迫ビデオが届きました。

4人の枢機卿を誘拐した。

今夜8時から1時間ごとに1人ずつ殺していく。

その脅迫ビデオには盗まれた反物質が移されており、バッテーリーが切れる深夜0時に爆発させて、バチカンごと吹っ飛ばすことが示唆されていました。

そして、イルミナティ研究に詳しく、「イルミナティの芸術」本まで執筆中だったハーバード大の宗教象徴学者ラングドン教授(トム・ハンクス)をバチカン直々に呼び寄せたのです。

謎の秘密結社イルミナティとは?首謀者は誰で、犯行の目的は?

枢機卿の命は守られ、「反物質」は取り返せるのか…?

映画「天使と悪魔」のあらすじ(ネタバレあり)

天使と悪魔 ネタバレ 画像 反物質
画像出典:http://www.netflix.com/

イルミナティとはどんな秘密結社でしょうか?

映画冒頭のラングドン教授の解説を聞いてみましょう。

イルミナティは400年前からある伝説上の存在だが、100年前に消えたとされている。

17世紀までは暴力的な組織ではなく、「イルミナティ=啓示を受けた者」という意味で、科学者の集まりだった。

彼らは教会による教えに疑問を抱き、科学的真理を追究していた。

しかしそれを捕らえたバチカンは壊滅させ、イルミナティは秘密結社となった。

そして「イルミナティが最終目標を遂げる力」を得たとき初めてその正体が明らかにされるとされ、脅迫をしてきた今まさに蘇りを知らせようとしているのだ、と。

この映画で初めて知ったのですが、バチカンの警備はローマ警察、バチカン警察、スイスの傭兵が合同で警備に当たっている混みいった政治的事情があります。

中でも教皇の身辺警護と教皇執務室警備はスイス衛兵隊のみ行えて、19~30歳のスイス人男子、身長174cm以上、スイス兵役経験者の独身男性であることが条件。

この警備チーム、ラングドン、ヴィットリア全員で送られてきた犯行声明を観ると、犯人はダ・ヴィンチ・コードの詩の暗号のように、このようでした。

我々はお前たちの”4つの柱”を破壊する。

プレフェリーティ(有力候補者)たちに”焼き印”を捺し、”科学の祭壇”で彼らを生贄にする。

そして教会をお前たちの頭上から崩壊させる。

バチカンは光に包まれて消える。

”啓示の道”の果てに輝く星が現れるのだ。

これを聞いてラングドンの知識が炸裂します。

  • 4つの柱⇒誘拐された4人の枢機卿。
  • 焼き印⇒5つの焼き印のことで、アンビグラム(反転文字)になっている。
    土・空気・火・水はわかるが5つ目は謎。
  • 啓示の道⇒中世イルミナティが集会していた教会のことで、4つの教会をたどって着くことができる場所のこと。
    当時世界は土・空気・火・水の4大元素で構成されていると考えられていたため、イルミナティは4つの教会をそのどれかにまつわる「科学の祭壇」と呼び、友愛組織に関わりたいものは最後までたどることを義務付けた。

そして「4人」という数字から、ラングドンは今回の事件は1668年の「ラ・プルガ」の復讐だと考えます。

ラ・プルガとは、教会が科学者に対して行った粛清で、イルミナティ科学者4人に十字の焼き印を捺し、罪をあがなわせて公開処刑した後、戒めため遺体をローマ市内の公共の場に放置した事件。

ラングドンは、この「科学の祭壇」とされる教会で、1人ずつ枢機卿が殺されていくのだと推理。

ちなみに「それでも地球は動いている」で有名なガリレオもこの時代の象徴的な科学者で、地動説を唱えて何度も宗教裁判にかけられたのち、異端者として亡くなるまで軟禁状態に置かれました。

イルミナティのロゴがアンビグラムになっているのは、対称性をこよなく愛したガリレオへの敬意だと言われています(どんなコンピューターを使っても文字の完全な対称性はまず成功しないらしい)。

つまり「宗教VS科学の大戦争」、いや、科学者からの長年の怨恨の報復戦争が、時を超えて再び巻き起こったのです!

今作で新たに加わった前教皇の侍従、カメルレンゴ役のユアン・マクレガー。

カメルレンゴとは教皇の侍従、秘書という役職の名前であって人名ではないのですが、劇中で「カメルレンゴ」と呼ばれ続けるのでそう呼ばせていただきますね。

天使と悪魔 ネタバレ 画像
画像出典:http://www.netflix.com/

この有事の際に「コンクラーベは中止すべきではないか?」とカメルレンゴや警備隊は判断するものの、騒ぎになってはテロリストの思うツボ、「神様が必ず守ってくださる」と枢機卿の長老的存在シュトラウス枢機卿は続行を判断。

また警察は、この盗まれたカメラと反物質は人口の光で照らされていることから、場所を突き止めるため、あの日本の311のときの計画送電のように、区域ごとに送電を停止して捜査することにしました。

また、セルンで殺されたシルヴァーノが反物質のことを誰かに話していないか、スイスからシルヴァーノの日記を取り寄せます。

ラングドンはすぐに「バチカン記録保管所に行かせてほしい」と、バチカンの図書館のようなところへ入る許可を求め、ヴィットリアと2人でガリレオ晩年の論文「最後の図表」を探します。

ラングドンは「最後の図表」はガリレオが自分の説を世に知らせる手段と読んでおり、書庫に行くと「503、503…」と本を探します。

なぜ503かと言うと、イルミナティの文献では5は特別な数字らしく「503=図表(ディアグラマ)」なのだとか(Dは500を表し、3をローマ数字に直すとIIIで3の意)。

つまりガリレオ3番目の本が「真実の図表」で、ラングドンは「真実の図表」の5ページ目に透かし文字があることを発見!

光の道が敷かれ、聖なる試練を経て、悪魔の穴開く。

“サンティ”の土の墓。

ローマに縦横に現れる元素。

なんのこっちゃ?

ダ・ヴィンチ・コードのソフィーの口癖「What’s the next step?(次のステップは何?)」が恋しくなるわけわからん文ですね。

しかし博識とインスピレーションを備えたラングドンは違っていました。

ここからは「教会→教会」へとテンポよく派手なアクションで進んでいきます。

サンティ⇒ラファエロ・サンティ(通称ラファエロ)とすぐにわかり、最初の道しるべ「ラファエロの墓があるパンテオン神殿」に警察の車でぶっとばしますが、これはテッパンなのか行ってから間違いとわかります。

一行はラファエロが埋葬された場所ではなく、建造した墓「キージ礼拝堂がある聖マリア・デル・ポポロ教会」へ移動(この教会は別名カペラ・デッラ・テーラと言い、土の礼拝堂と言われてる)。

この間『アメリカから来た学者の戯言など聞いてられるか!』とスイス衛兵隊長リヒターが、バチカンへとんぼ帰り。

このあたりから「実はこのリヒターがイルミナティの内通者であり首謀者ではないか?」と匂わせていきます。

そのころコンクラーベでは、枢機卿が全員自分に投票し、4人が帰ってくるまで時間稼ぎをする事態が起こっていました。

結局8時になり、礼拝堂の地下で、「EARTH」と焼き印を捺され、土を口にギュウギュウに詰め込まれて手を縛られたまま窒息死してネズミに食われていた超グロな枢機卿が遺体で発見…。

自分の頭で推理はしなくていいけど、「グロさに耐える力は使いますよ♪」ってのが映画「天使と悪魔」です…。

で、そこにあった教会に寵愛されていたという隠れイルミナティ彫刻家ベルニーニの「ハバククと天使」という像の天使の指が南西を指さしているのに気付いたラングドン。

この謎解きはベルニーニの彫刻から「土・空気・火・水にまつわる教会を順番に探せ!」なのです。

南西にあるのはサン・ピエトロ大聖堂ですが、サン・ピエトロ広場はベルニーニの設計。

サン・ピエトロ広場に向かったラングドンたちは、コンクラーベで人がごった返す中、地面のレリーフから空気にまつわる作品を発見します!

そこで9時の鐘がボーン…目と鼻の先で2人目の枢機卿が「AIR」の焼き印を捺されて、しかも肺に穴をあけられて死んでいました。

遺体には犯人からとおぼしき1通の手紙が添えられており、そこには衝撃の事実が書かれていました。

前教皇も殺した。

手紙によると、この犯人は教皇が普段使っていた静脈血栓症のためのヘパリンを、注射器で過剰投与して殺したというのです。

しかも、ラングドンが事件解明に関わっていることもバレており、「やはりスイス衛兵隊の内通者の犯行では?」の推理が高まります。

教会法により教皇の検死は禁じられていますが、ヘパリンであれば死後7日以降血液が凝固して舌が黒くなるというヴィットリア。

前教皇の養子だったカメルレンゴはこの脅迫文に衝撃と怒りを覚え、ヴィットリアらと歴代教皇のお墓へ行き、棺の蓋を開けると本当に舌が黒くなっている他殺だったのです!

『もー許せん!』と怒り心頭のカメルレンゴはコンクラーベに乱入。

「More than terror, the act of war.(テロじゃない、戦争だ)」と911後のジョージ・ブッシュに匹敵する宣戦布告しようぜ、オー!な演説をします。

天使と悪魔 ネタバレ 画像 カメルレンゴ
画像出典:http://www.netflix.com/

しかし、件の長老的シュトラウス枢機卿はあくまで微笑みを絶やさぬ冷静さで、そんなカメルレンゴをシッシッと追い払います。

一方、次の目的地「火にまつわる彫刻のある教会」が分からず、再びバチカンの記録保管所を訪れていたラングドン。

バチカン記録保管所は、品質管理のため密閉された空間から送付されていて、酸素濃度を低く一定に保たれていました。

ベルニーニの火にまつわる彫刻「聖女テレサの法悦」で、天使が火をともした槍を持ち、火のような情熱をテレサに注いだとしてコレだ!とひらめいた瞬間バーン、停電orz。

誰かが書庫にラングドンがいると知りながら電力を切ったのです!

密閉容器に閉じ込められてしまった風のラングドンと、道連れになった若きスイス衛兵隊青年…。

酸欠状態で青年はギブアップで倒れ、ラングドンは本棚に上り、重厚な本棚ぐらんぐらん動かして倒してなんとかガッシャーンと壁のガラスを粉砕…ラングドンまで命が狙われていることも示唆します。

しかし時間がない中、火にまつわる彫刻のある聖マリア・ヴィットリア教会へ車で再びぶっ飛ばし、中に入ると今度は両腕をチェーンでぶら下がりにされ、火あぶりにされている枢機卿が!(これもグロイorz)

そこに犯人、その名も「死」を意味するハッシシという男がついにいました。

警察と銃撃戦となり、どんどん倒れていく警察…実はこのハッシシ、雇われの殺し屋であって主犯格ではないのです。

一体誰がこの残忍な殺し屋を操っているのか…?

かろうじて銃弾を逃れたラングドンは警察からローマのマップを借り、火にまつわる彫像「聖女テレサの法悦」の矢の方向、次の「水にまつわる彫刻のある場所」がナヴォーナ広場のベルニーニ噴水と突き止めます。

結局、土・空気・火・水にまつわる「科学の祭壇」を地図上で結んでみるとそこには十字架ができあがりました…。

ナヴォーナ広場の噴水にぶっ飛ばしたラングドンと警察、今度は先に到着していると、いきなり鎖でぐるぐるにされて重りをつけられた枢機卿が噴水に捨てられるように落っことされたのです!

天使と悪魔 ネタバレ 画像 噴水
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水球部だったラングドンは潜って持ち上げようとするものの、1人の力では到底及ばず「Anybody! Help!(誰か!助けろ!)」と一般人に声をかけ、数人でなんとか救出。

間一髪一命をとりとめたのはイタリアのバッジア枢機卿で、バチカンから徒歩10分ほどのサンタンジェロ城(聖天使の城)に監禁されていたと告白。

「反物質もそこだ!」とバチカン、衛兵隊にも連絡、いざサンタンジェロ城に潜入します。

400年もの間、イルミナティは集会所としていた。

バチカンは避難所と牢獄に使った。

サンタンジェロ城で殺し屋ハッシシの黒バンを見つけ、さらに奥へ奥へと進むラングドンとヴィットリアは、4人の枢機卿が監禁されていた部屋を通過し、とうとうイルミナティの秘密の集会所「啓示の教会」へたどり着きました。

そこにあったのはEARTH、AIRなどすでに使用された4つの焼き印と、5つ目は…なんと「交差した鍵」の教皇のシンボルでした。

つまりイルミナティは教皇の命、今はその代理を務めるカメルレンゴの命を狙っていたのです!

カメルレンゴが危ない!

サンタンジェロ城とサン・ピエトロ大聖堂に秘密に繋がっている通路があり、ラングドンとヴィットリアは猛ダッシュ。

ここですべての首謀者をネタバレしましょう…カメルレンゴです。

序盤から『なんか暗くて不気味』との雰囲気を醸す、ユアン・マクレガーの怪演が功を奏してか奏さずか、『なんとなくそんな気はした』と思う人も多いでしょうが…カメルレンゴがさもイルミナティが現代に蘇ったかと見せかける大芝居をしていたんです。

科学に好意的だった前教皇の暗殺、殺し屋ハッシシを雇う反物質の盗難、枢機卿の誘拐暗殺もすべて「恐怖によるコントロールで再び強いカトリックを目指そう!」と”強いアメリカ”とでも言わんばかりに、”強いカトリック”を目指しての行動だったのです。

でもまだそのことにみんな気づいていません…ラングドンとヴィットリアに至っては「イルミナティはカメルレンゴの命が狙われている」とさえ結論付けていたのです。

教皇執務室に到着すると、ちょうどそこには第1容疑の目線で見られていたスイス衛兵隊長リヒターとカメルレンゴがもみ合っていました。

カメルレンゴは自作自演で自分に鍵の焼き印を捺し、「イルミナティだ!」とリヒターを指さして、リヒターは悲運にも罪を着せられて突入した衛兵に殺されてしまいます。

で、「反物質は?」と最後の難問ですが、カメルレンゴが自分に押した焼き印と上下が逆になった鍵マークでした。

つまりこれは12使徒のリーダー的存在であり「天国の鍵を渡す」とイエス・キリストに託された弟子ペテロのこと。

あ、皆さんローマ教皇ってペテロの地位を代々受け継いでいるって知ってました?

サン・ピエトロ=Saint Peter=聖ペテロなので、大人の常識として知っておきましょう。

ペテロは逆さ磔(はりつけ)というすさまじい死に方をしましたが、その墓はサン・ピエトロ大聖堂にあるんです。

これらの推理をラングドンがひとしきりした後、「反物質は聖ペテロの墓の上です!」とカメルレンゴがしらじらしい嘘をついて地下深くのペテロの墓まで案内。

爆発まであと7分…反物質と盗まれた監視カメラは本当にペテロの墓の上にありました!

5分…4分…ヴィットリアがバッテリーを交換しようとするも「もう間に合わないわ!」とそこへ、カメルレンゴが反物質の容器を持ってサン・ピエトロ広場の老齢の枢機卿避難用のヘリコプターへ乗り込みました。

元空軍だったカメルレンゴはヘリコプターを操縦でき、1人反物質とともにぐんぐんと上昇していったのです。

ドキドキハラハラ…「カメルレンゴは反物質とともに殉教するつもりなのだ」と誰もが息をのむシーン。

とその瞬間カメルレンゴは自動操縦に切り替えてパラシュートで落下、反物質はバチカンのはるか上空で、ゴォォォォォン!と星雲1個噴き出すようなすさまじい轟音と爆風の爆発をしました…。

カメルレンゴは一躍、無事爆発物からバチカンを救ったヒーローとなります。

民衆はこぞって讃美歌を捧げ、コンクラーベでは「カメルレンゴを次期教皇にすべきでは?」という声さえあがる中、すべての真相は教皇執務室の防犯カメラに収められていました。

再生してすべてを知ったラングドン、ヴィットリア、そしてコンクラーベ進行役のシュトラウス枢機卿。

カルメレンゴは科学に好意的な前教皇を腰抜けだと思っていたこと、反物質生成に成功しそうなセルンのシルヴァーノと1か月前教皇が面会、それにカメルレンゴも同行していたこと、そして科学と宗教の歩み寄りが気に入らず教皇をヘパリンで殺したこと、イルミナティを架空に蘇らせた狂気…。

スイス衛兵隊長を「イルミナティだ!」と煽って殺させたことまでしっかり防犯カメラに映っていました。

病院で手当てを受けていたカメルレンゴのもとをスイス衛兵隊が訪れ、「コンクラーベのためにシスティナ礼拝堂へお越しください!」と敬礼。

『もしかして俺、次期教皇?!作戦成功?』てなルンルン気分でコンクラーベ会場を訪れると、そこにあったのはしら~~~~~っとした枢機卿全員の目線&沈黙。

『・・・バレた』と悟ったカメルレンゴは回れ右、「バチカンの中で捕らえろ、穏便にな」とシュトラウス枢機卿の指示のもと追っかけるスイス衛兵隊たち。

結局カメルレンゴは油をかぶって館内で「うぁぁぁぁぁ!」と絶叫の焼身自殺…メディアには「パラシュート落下のケガで死亡」と報じられます。

さて、一夜明けコンクラーベでは白い煙が上がりました!

沸く民衆、新教皇が選出されたのです!

新教皇はずばり、噴水で沈められたところを屈せず生き延びたイタリアのバッジア枢機卿で、シュトラウス枢機卿は新教皇の新カメルレンゴとなりました。

新教皇の名前は歴代最初の「ルカ」――ルカとはイエス・キリストの12弟子で、医者であったとされる人です。

「科学と宗教を兼ね備えた人ね」とヴェットリアもご満悦。

シュトラウス枢機卿はラングドンにガリレオの「真実の図表」を貸し出し、「執筆中の本を完成させてください」と応援。

宗教には欠点がある。

だがそれは人に欠点があるからだ。

誰しも、私にも。

思わず「ウンウン」とうなずくシュトラウス枢機卿の名言。

そして新教皇がサン・ピエトロ広場の群衆に向けてカーテンを開けるところで映画は終わります。

3.映画「天使と悪魔」の見どころ

天使と悪魔 ネタバレ 画像 アンビグラム
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続いては「天使と悪魔」の見どころをご紹介します。

本作は聞き流してそのままにしてしまいそうなところに、実は1番面白味があります。

「スマホ片手に観るともっと面白くなる」というのはその所以なのですが、原作を読むともっとその出来事の意味はは深く理解できます。

ここでは、これだけは押さえていただきたいという5つのポイントをご紹介します!

反物質とは「天地創造」の再現

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反物質…イマイチ聞きなれない言葉で、何の親しみも凄みも感じられない単語なのですが、それは私が文系だからでしょうか…?

冒頭、実験室で「加速器があーだこーだ」と言いながらビームがビーーーっと衝突するシーンを観ても、一体全体何を作ってるのかわかりにくいですね…。

反物質は英語では「antimatter(アンチマター)」。

ラングドンがヴェットリアの反物質に関する解説を聞いているとき、「えっ?なんだって?創造?」と食いついてきたのは大きな理由があるんです。

その前に、殺された反物質研究者シルヴァーノが神父服の上に白衣を着ていたのは気づいたでしょうか?

最後チラッとヴェットリアが言いますが、シルヴァーノは科学研究者であり司祭です。

「じゃあ、反物質ってなんなのよ」ということはつまり、聖書の「天地創造」の物語が、科学技術で立証に成功したってことなんです。

これはどえらい神学的議論を生むことですよ。

なぜなら、科学と宗教の最も激しい争点となるのがこの創造論だからです。

科学は物質は無から生じないとし、宇宙創造はビッグバンから始まったと考えるのが定説になっています。

一方キリスト教は神は”無から有”を創造したとし、「光あれ」という神の言葉で天地創造されたと考えます。

でも原作には、ビッグバンは1927年カトリックが提唱した宇宙論だと書かれています。

それを1929年アメリカの天文学者、エドウィンが確認を集めて裏付けたのだと…。

司祭で科学者のシルヴァーノは「神とビッグバンの関連性」を確信していて、「神による創造はいつか証明できる」と無から有の創造に成功したってわけです。

ちなみに目に見える物のことを「正物質」と言い、「反物質」の対義語です。

神はすべて正反対の2つの物を作っており(±電子、陰陽、十字、正物質と反物質など)、それはガリレオが愛した完璧な対称性にも通じます。

イルミナティロゴが反転可能なこともまた、宇宙を構成する対称性という深~い意味が含まれているんです。

コンクラーベの実態と4人の誘拐された枢機卿

コンクラーベはバチカンで行われる、新教皇を選ぶ選挙で、投票権があるのは枢機卿です。

この枢機卿という概念は日本にいるとなかなかわかりづらいですが、教皇を中心とした内閣と言ったらわかりやすいかもしれません。

枢機卿はローマで教皇庁に仕える人もいれば、世界各地の大司教として働く人もおられます。

映画でコンクラーベのためぞろぞろ集まった枢機卿ですが、「いったい何人いるの?」ということも気になりますね。

任命権があるのは教皇だけなのですが、故ヨハネ・パウロ2世の時代には上限120人という人数制限を設けていました。

映画では「4人」の枢機卿が誘拐されますが、これは1668年「ラ・プルガ」で処刑された科学者が4人であったこと以外にもまだ理由があります。

教皇選挙といってもまっさらな状態から始まるのではなく、選ばれる枢機卿はほぼ決まっており、原作には「選挙より茶番劇に近い」と憂慮されています。

映画では、「有力なのはフランスの…」「スペインの…」「ドイツの…」「イタリアの…」と不自然にこの4か国のメディアが、サン・ピエトロ広場から自国の枢機卿をプッシュした報道をしますが、原作では誘拐された枢機卿はこの4カ国(フランス・スペイン・ドイツ・イタリア)の枢機卿です。

だからこそ、有力でない残りの枢機卿たちは、すでに有力な彼らが戻ってくるのを時間稼ぎして待っていたわけです。

ちなみにカメルレンゴという役職も枢機卿ですが「教皇の小遣いさん」という意味が強く、特に若いユアン・マクレガーは「まだまだ子供」という位置づけです。

イルミナティの象徴、目のマーク「輝くデルタ」とは

天使と悪魔 ネタバレ 1ドル札画像出典:http://on-linetrpgsite.sakura.ne.jp/

アメリカの1ドル札にも描かれている「目」。

今作も目はキーポイントになりますね。

セルンの反物質がある研究室への認証は眼球スキャンでしたし、殺されたシルヴァーノも目をくりぬかれて眼球がコロンと転がっていました。

そしてガリレオ「最後の図表」の最初の透かしもこの「ピラミッドに目」でしたし、ラスト啓示の教会であるサンタンジェロ城にも、さんざん床や壁の五芒星に「目」がありましたね。

私としてはあまり突っ込むと都市伝説色が強くなりすぎて書きたくなかったテーマなのですが(笑)…映画との関連として原作に即した趣旨で書いておこうと思います。

まずこの目のマーク、正式名は「輝くデルタ」と言い、よくフリーメイソンのシンボルと思われているんですがイルミナティの象徴と考えてください。

目の意味は「すべてを見透かせるイルミナティの力」、輝く三角形は「ギリシャ文字Δ(デルタ)で啓示のシンボル」です。

ガリレオの時代とはカトリックに反旗を翻した宗教改革が歴史的背景としてあり、ルネッサンス時代後期でもあります。

古代エジプトでピラミッドは埋葬地の印であり、死後の幸福を約束するもの。

このピラミッドの図像は古代ローマ人が模倣し、のちルネッサンスでキリスト教信仰の核心である「死と救済」を表すものとしても用いられていたのです。

つまりこの「輝くデルタ」の意味することは「新世界秩序」…映画では特に「宗教ではなく科学が真理なのだ!」と主張を強めるために多用されているでしょう。

では、なぜアメリカの1ドル札にまでこの「輝くデルタ」が採用されているのでしょうか?

前作ダ・ヴィンチ・コードで中世の巨万の富と権力を得たテンプル騎士団が出てきますよね。

イルミナティもテンプル騎士団も組織としては解体していますが、必ず出てくる都市伝説が「今フリーメイソンという秘密結社に吸収されたのでないか?」という伝説です…。

だとしたらダ・ヴィンチ・コードの「リアル聖杯を守る組織」も、現代のフリーメイソンなんじゃないか?という議論にまで繋がっていきます。

ちなみに、この1ドル札を発行したのは米ヘンリー・ウォーレス副大統領で、フリーメイソン会員と言われていました。

そして当時の大統領ルーズヴェルトもまたフリーメイソン会員と言われています。

・・・ただそれだけなんですけど「目は口ほどにものを言う」ということがよく伝わってくるシンボルです。

カメルレンゴが兵役についた理由「悪魔を知る」

天使と悪魔 ネタバレ 画像 ラスト
画像出典:http://www.netflix.com/

カメルレンゴは前教皇の墓地に向かっていくとき「聖職者になりたかったけど、その前に兵役で空軍に入隊した」とサラリと言っていますね。

実はここにはもっと根深いカメルレンゴの闇が潜んでいます。

「9歳でカトリック司教のアイルランド訪問に反対する過激派の爆弾テロで、両親を亡くした」…穏やかで寡黙なカルメレンゴが「”悪”自体を悪用してしまう理由」はここにあるんです。

原作では、カメルレンゴは敬虔なカトリックの家庭で生まれ育ち、母親に毎朝ミサに連れて行かれていたそう。

カルメレンゴ「どうして毎日教会に行くの?」

母「神様にそう誓ったからよ。何か怖いことがあったときは、神様がいつも守ってくれるわ。」

そんなやりとりがある日常で、カルメレンゴは爆弾テロに巻き込まれ、親含む37人亡くなった中ただ1人の生存者となったのです。

メディアはカメルレンゴが助かったことを「聖フランチェスコの奇跡」と名付けて報じましたが、これは「なぜ自分だけ助かったのか?」と禅問答する日々の幕開けでもありました。

そして神学校に入る前、「これから悪と戦いながら過ごすのだから、まず”悪”を知らなくてはいけない」と、自分の家族を死にたらしめた爆弾の宝庫である軍隊に自ら身を置いたのです。

結局カメルレンゴは信仰心の厚さゆえ”原理主義”…と言えば聞こえはいいかもしれませんが、結局は悪を悪用し、悪に敗北し、悪の嘘を信じた最悪の結果を招いてしまいました。

カメルレンゴは「悪や恐怖が教会を1つにまとめるんだ!」と劇中で豪語していることからして、「悪」を違う意味で学んだようですね…。

原作カメルレンゴ出生の皮肉

これぞ「天使と悪魔」のクライマックスともいえるシーンが、映画では残念なことにすっぽり抜け落ちてしまいました。

ラスト、オチで最上級に皮肉なのはカメルレンゴの出生秘話です。

カメルレンゴはカトリック原理主義的な保守的信仰心で、科学を真っ向から敵視しましたね。

でもカメルレンゴ自身は、顕微鏡授精という科学技術による出生だったのです。

カメルレンゴ自身はそのことを知らず、ラストシュトラウス枢機卿によって明かされたのですが、しかも実の父は「養父」だと思っていた前教皇…。

あれ、教皇なら結婚しないんじゃないの?って思いますよね。

実は原作ではカメルレンゴは母子家庭の育ちで、母からは「父は亡くなった」と聞かされていました。

しかし、テロの後引き取って養父となった司教とは、実は血の繋がった本当の父親だったのです。

カメルレンゴの両親は、若い司祭と修道女だった時代に出会い、若さゆえ燃え上がるような恋に落ちました。

もっと深く愛し合いたい衝動が抑えられず、さらに「神の最大の奇跡である創造に参加したい」「子供を作りたい」との信仰厚い思いも相まって、貞潔の誓いを破らず顕微鏡授精という科学の力を借りて子供を作ったのです。

性行為をせずに生まれたのがカメルレンゴだったという最強のオチ。

つまり科学がなきゃ、カメルレンゴはこの世にすら生まれていないということです。

前教皇が科学に好意的で、セルンの研究を応援していたのは、この「科学による恩義」を心に深く感じていたからなんですね。

この話を聞いたカメルレンゴは泣き崩れてしまいます。

なぜ映画にこのシーンをカットしたんだろう?というほど、原作では最も揺さぶられるラストです。

4.映画「天使と悪魔」ライターしおりの視点

天使と悪魔 ネタバレ 画像 ラスト
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宗教には欠点がある。

それは人に欠点があるからだ。

このシュトラウス枢機卿のラストの言葉は、日本人の鑑賞者には最も心を打つようです。

日本は「1つの神の完全性を信じる」といった思想基盤はありません。

その代わり、日本ほど「自分が神ほどに完全でなくてはならない」とプレッシャーを自分にかけている国もないように思います。

20代で団体職員をしていた私は、あるクリスチャンの年配女性と話をしていました。

彼女はボランティアスタッフだったのですが、プロテスタントからカトリックに移籍した異例の経歴の持ち主でした。

今でこそクリスチャンとなった私ですが、キリスト教のキの字も知らなかった当時、彼女に「何か理由があったんですか?」と聞くと

人間関係で色々あったのよ、私は副牧師だったの。

でも「人間のすること」だからね。

と「人間のすることだから」を何度も連呼し、明確に「神のすること」と「人間のすること」を区別していたのを思い出します。

天使と悪魔とは表裏一体で、教会が天使になれば、科学が悪魔になる場合もあるし、その逆もあります。

ただし、人が人であることの揺るぎない絶対的条件とは「不完全であること」です。

しかし、私たちは自分の弱さや欠点をそう積極的に出したがるものではありません。

むしろ隠す努力ばかりして、結局「何もないフリ」をして生きるのがいいんだと努力しています。

クソみたいな努力ですね、って口汚くてすいません…でもそう思うのには理由があります。

「何もないフリ」って何の役に立ちますか?自分のちっぽけな評判の維持程度なもんですよね。

無期刑になってバンザイ三唱した青年や、引きこもりで家庭内暴力が激しく父親に殺された青年は、どこかに生きる場所がなかったのでしょうか。

なかったのです。

本当になかったのです。

身内からも隠されて手に負えんと「死んでもらったほうがいい」とさえ思われる命に成長するまで、どれほど自分の内面を自分で隠し、その存在を隠されてきたのでしょうか。

本物の絆を育むことができるコミュニティとは、弱さや恥を分かち合える人間の間だけです。

恥ずかしくて隠してきた汚点を言語にして人と分かつことは、最強の善行なんだって知ってますか?

自分の悩みでもいい、家族の悩みでもいい…内容はなんでもいいのです。

言葉は言霊として発せられることで成就します。

成功者の講演会で面白いのは成功より失敗談、平気なフリして生きてる人と本当の友情が芽生えるのは悩みを聞いたとき…そういう言霊は「ああ、辛いのは私だけじゃないんだ」って誰かの魂を救います。

目標を持つ勇気さえ与えるかもしれません。

欠点を晒すことは、究極「徳を積む行為」です。

でも多くの日本人はまだまだそのことに気づいていません。

だから表面的で殺伐とした集団社会をギリギリの状態で築き、維持しているように思います。

「過ちは人の常、許すは神の業」という言葉がありますが、人は人である限り欠点を持っていいんです。

「そろそろ強がるのはやめませんか?(人間である限りどうせ無理なんだから)」

友人のボランティアさんに始まり、天使と悪魔は私にとってそんなセリフを浮き彫りにした映画でした。

5.映画「天使と悪魔」をオススメしたい人

天使と悪魔 ネタバレ 画像
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最後に、映画「天使と悪魔」をオススメしたい人を3つご紹介します。

ダ・ヴィンチ・コードが平和に思えるほど「天使と悪魔」はグロシーンが増えているので、苦手な方は控えておいたほうがいいでしょう…。

週末や深夜に1人で集中して「生々しい科学と宗教の対立の歴史」にぜひ浸っていただきたい作品です。

シリーズ1弾「ダ・ヴィンチ・コード」を観た人

トム・ハンクス演じるラングドンシリーズ第1弾、ダ・ヴィンチ・コードを観た方はオススメです。

ダ・ヴィンチ・コードは聖杯をめぐる架空の秘密結社シオン修道会の話でしたね。

今回スポットが当たる秘密結社はイルミナティで、実際に中世実在していた組織のため、よりリアルに迫る深淵な話となっています。

中でもガリレオ裁判は「史上最も金と時間が割かれた裁判」と言われており、ガリレオの死後約400年経過して、1992年教皇ヨハネ・パウロ2世がガリレオ裁判が誤りであったことを認め、ガリレオに謝罪しました。

ただ無知な私が単純に疑問に思ったのはなぜ中世は「教会が裁判を行ったのか?」ということでした(中高生の時は疑問に思わなかったけど、今さら疑問に思った…)。

もちろんそこには政教分離や三権分立などの今の民主国家ができる遠い昔、莫大な権力を持っていた宗教が権力で政治を運営していた時代背景がありますよね。

原作者ダン・ブラウンがイルミナティを蘇らせたのは、私たち自身が現代の文化がはらむ大問題の知識的な議論に飢えているということもあるでしょうね。

私たちはいまだに「科学や技術への欲求」と「信仰や霊性への欲求」に引き裂かれていやしないでしょうか。

天使と悪魔を観て、ダ・ヴィンチ・コードからさらに1歩進んだ議論をしていただきたいと思います。

カトリックの知識に疎い人

カトリックの知識があまりないという方にはオススメです。

それは私のことでもあるんですが、「天使と悪魔」を観てこんなに知らないと思いませんでした(恥。

カトリックは「普遍的」という意味ですが、言うまでもなく中世までは絶大な権力を保持していた宗教です。

いくら日本という一神教基盤の少ない国であっても、「大人の教養」として知るべきカトリックの運営形態や歴史的史実が「天使と悪魔」には凝縮されています。

知らないことには議論もできませんからね。

私はゴスペルをやっているんですが、カトリックだった女性メンバーが、プロテスタント教会でのゴスペルコンサートに出るとき、

本当にカトリックの私がプロテスタント教会のステージで歌っていいのか?

と人知れず葛藤していて、直前まで出るのをやめようかと思っていたそうです。

なぜか彼女をクリスチャンと見抜いた会場のプロテスタントの信徒さんに「そんなこと関係ない、今日は思い切り歌ってください」と言われて大泣きして、ようやくステージに立てたという話を後で聞きました。

宗派の知識なぞ皆無だった私など「そんなこと気にしなくていいのに、何を悩むことがあるの?」とさっぱりわかりませんでしたが、今はわかります。

個々人で対立するとか、相手が嫌いってことじゃなく、それはやっぱり歴史なんです…。

カトリックは政治的にも歴史的にも精神的にも、今も昔も世界を語る上では欠かせない地球上のグループ。

ダ・ヴィンチ・コードより、天使と悪魔はキリスト世界観という観点では、よりつかみやすいと個人的には思います。

終末に興味がある人

天使と悪魔 ネタバレ 画像 反物質
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いきなり何?って感じですが、終末に興味がある人にはオススメです。

キリスト教思想では終末思想があり、それこそミケランジェロの絵画で有名な「最後の審判」が行われてピンピンっと「あなたは天国、あなたは地獄」と振り分けられます。

終末を待ち望むのもまたキリスト信仰の特徴であり、終末が近づく兆候の1つに「クリスチャン人口が増える」があるとされます。

原作ではホントかウソか、カトリック信仰は形骸化が進んで信仰の厚い信徒が減っていると書かれていますが、今クリスチャン人口が莫大に増えているのが中国です。

「これぞ終末の到来が近い証拠!」と私の知り合いのアメリカ人牧師さんは言っておられましたが、何も終末思想はキリスト教に限らず、どんな宗教にも、日本仏教にもありますよね。

折しも、オリオン座の赤い第1等星ベテルギウスが超新星爆発(死んで消える)という現象が起こり、地球にもわずかにオゾン層を破壊する影響があるかもというニュースが流れました。

「天使と悪魔」は、反物質の爆発によってラストに向け「人工的な終末」に向かっていくような思いにさせられます。

「天使と悪魔」にどっぷりつかった後のニュースとしては完璧すぎるシンクロニシティだなと思いました。

天体にさえ恒常性はなく、子供のころからずーっと赤く照らしてくれていたオリオン座のシンボルの星でさえ、後1年で死に絶えるんです。

311や福島第1原発事故のときもそうですが、いつなんどき人間の力が及ばぬ現実が到来するかは私たちには予測不能です。

そう考えると今日1日をあぐらをかかず、真剣に生きようと考えさせられます。

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