映画『アメリ』あらすじ・ネタバレ感想

こんにちは。エンタメブリッジライターの”こぐれあいり”です。

白黒映画から最新映画まで、古今東西の映画を浴びるように観ている映画マニアです。

特にフランス映画が大好きです。今回は、フランス映画の中でも、とびっきりおしゃれでキュートな映画『アメリ』を紹介していきたいと思います。

1.『アメリ』の作品紹介

公開日: 2001年11月17日 (日本)
監督: ジャン=ピエール・ジュネ
出演者:オドレイ・トトゥ、マチュー・カソヴィッツ
受賞歴:エディンバラ国際映画祭 観客賞受賞
セザール賞 作品賞、監督賞、音楽賞、美術賞受賞
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 グランプリ受賞
アカデミー賞 外国語映画賞、美術賞、撮影賞、音響賞、脚本賞ノミネート
ゴールデングローブ賞 外国語映画部門ノミネート

 

2.『アメリ』のあらすじ紹介


画像出典:www.buzzfeed.com

『アメリ』あらすじ・ネタバレなし

神経質な元教師の母と元軍医の父との間に生まれたアメリは、両親からあまりかまってもらえない生活を送っていました。

あるとき、医者の父親による診断で、心臓に障害があると勘違いされてしまいます。

アメリは学校へ行かせてもらえず、家庭で教育を受けつつ他人との接触を断たれ、孤独で空想癖のある人間に育ちます。

22歳になったアメリは、家を出て、パリ、モンマルトルのカフェ・ド・ドゥムーランで働きながらも、やはり他人とのコミュニケーション不全を抱えたままでした。

しかし、ひょんなことから他人に親切にすることに目覚めたアメリが、パリの街を舞台に、恋や冒険を繰り広げます。

『アメリ』あらすじ・ネタバレあり

両親にあまりかまってもらえない生活を送っていたアメリ。

医者の父親による診断で心臓に障害があると勘違いされたために学校へ行かせてもらえなかったこと、また、突然の母親の死によって、孤独で空想癖のある人間に育ちます。

22歳になったアメリは、家を出て、パリ、モンマルトルのカフェ・ド・ドゥムーランで働きながらも、やはり他人とのコミュニケーション不全を抱えたままでした。

そんなある日、ダイアナ妃が交通事故死したニュースに驚いたアメリは香水瓶の蓋を落としてしまいます。

落とした蓋はバスルームの床を転がり、タイルにあたりました。

そのタイルの緩みに気がついたアメリがタイルをそっと取り外してみると、そこには空洞が。手探りすると、空洞の中には誰かの子供時代の思い出の品が詰まった小箱が入っていました。

この小箱を持ち主に返してあげようと、アメリはパリの町中を探し回ります。
ようやく、持ち主を探し出し、小箱を返すことに成功したアメリは「世界と調和がとれた」ような気持ちになり、このことをきっかけに、人々に親切にする喜びに目覚めます。

帰ってこない夫を待ち続けるマダムのために手紙を偽装したり、片腕のない少年をバカにする八百屋のおじさんの家に侵入し、すべてのものをワンサイズ小さくしてみたり、時に犯罪すれすれのことをしながらもアメリはその行為にのめり込んでいきます。
そんな、人々に親切にする喜びに目覚めたアメリにも恋の季節が。
他人の証明写真を収集するのが趣味のニノに一目惚れ。

アメリは、彼が落としていった、証明写真の入ったアルバムを渡すことで彼に近づこうとします。
しかし、他人のためには行動的なアメリも、自分のこととなると不器用でなかなか彼に思いを伝えることができず、謎解きめいた方法で彼に自分を探し出させます。

とうとうアメリの元にやってきたニノ。
空想の中の友達や親切にした老人の言葉に勇気付けられたアメリは、扉をあけて彼を迎え入れるのでした。

アメリの冒険は終わりを告げ、パリに日常が戻ってきます。
しかしそこには、ニノのバイクの後ろに乗って笑顔のアメリがいるのでした。

3.「アメリ」の見どころ


画像出典:https://renote.jp/articles/12627

アメリの表情に注目

人々を幸せにするために、いたずらを仕掛けるアメリ。
そんなアメリがいたずらの行方を見守るときの、ドキドキ・ハラハラ・ワクワクが混ざり合った表情はとってもチャーミング。

ガラス男と呼ばれる隣人と会話するときの、緊張と驚きが組み合わさった表情や、図星をつかれて困惑する様子は、アメリの少女らしさを際立たせます。

いたずらを仕掛けた相手が喜んでくれたのを知って、嬉しさに思わず口元がほころばせれば、観ている私たちまで笑顔にさせてくれます。

クリームブリュレを前にスプーンを構える有名なシーンで見せるいたずらっ子のような笑みは、あなたもどこかで目にしたことがあるのでは?

アメリの髪型やファッションが大人可愛い

パリの街を縦横無尽に駆け回るアメリのファッションは、デコルテの空いたトップスにタイトなスカートなど、意外と真似しやすいアイテムばかり。

赤いワンピースや緑のトップスといった一見派手に思える服装も、黒っぽいアイテムと合わせることで、落ち着いた、大人可愛い印象に変わります。

あの個性的な髪型も、カフェでのお仕事の時はまとめているので案外真似しやすいかもしれません。

パリの街並みが存分に楽しめる

ロケ撮影が多いので、パリの街並みが楽しめます。
なんと、アメリが働いていたカフェも実在するカフェでの撮影でした。そのほかにもサクレ・クール寺院、ノートルダム大聖堂など、パリの名所が描かれており”聖地巡礼”をするファンもいるようです。

ジャン=ピエール・ジュネ監督は、スタジオ撮影を好むことで知られていますが、「アメリ」撮影時、スタジオの使用料が馬鹿にならないお値段だったため、ロケ撮影が多くなったのだとも言われています。

映画でパリの街並みを楽しんだ後は、本当のパリに行ってアメリ気分を味わうのも良いかもしれませんね。
もちろんカフェ・ド・ドゥムーランに行って、スプーンでクリームブリュレのお焦げをつつくのも忘れずに!

「アメリ」の画面作り

この映画の画面に展開される色彩は、赤と緑を基調としつつも、クリスマスのような色合いにはならないところに、フランスらしい美意識を感じさせます。

赤を基調としたアメリの家のシーンも、強い色ではあるもののけっしてうるさい印象にはなっていません。
赤と緑が補色であるというところも、ポイントでしょう。

まるで絵本のような色彩のなかに、時おり入る3人称のナレーションや、アメリがカメラに向かって、つまり、映画を見ている現実の私たちに向かって話しかけるシーンが現実と空想の境界を曖昧にしていきます。

反復されるモチーフ

プロローグの1分間で一匹のハエの轢死と、ある男の親友の死が描かれていますが、これらも決して無意味な反復とモチーフではありません。

この二つのショットに共通する「死」は、アメリの母親の事故死、レディーDことダイアナ妃の交通事故死、管理人マドレーヌ・ワラスの夫と彼がかわいがっていた犬、黒いライオンの死、アメリの空想の中で起こる自分自身と父の死、 ニノのアルバムに写真が12回も現れる謎の男からアメリが死者を連想する、遊園地のアトラクションでニノが扮する死者、等々、繰り返し扱われています。

死というモチーフは水切りの石のように「アメリ」の物語を跳ねていくのです。

『アメリ』を見て「怖い」という感想を持つ方がおられますが、もしかしたら反復される「死」のイメージに怖いという印象を持つのかもしれませんね。

アメリを象徴する水とガラスのモチーフ

アメリの画面内に頻繁に登場する水とガラスのモチーフはアメリと密接に結びついています。

まず、冒頭で風に揺れるテーブルクロスとワイングラスが登場しますが、これらは波のように揺れています。
そして、テーブルクロスを表すフランス語”nappe”には水面の意味もあります。

また、アメリが悩んだ時にサン・マルタン運河で水切りをするシーンは3度ほど出てきますが、主演のオドレイ・トトゥは水切りが苦手なため、水切りはCGで再現されました。
したがって、CGを使ってでも表現したかったこれらの水切りのシーンは、物語に重要な展開をもたらしていると考えることができるでしょう。

また、アメリを訪ねてきたニノが彼女と一言も会話せず店を出て行ってしまったとき、特殊効果によってアメリ自身が水となってしまうシーンがありますが、フランス語の動詞”se liquefier”は「液化する」という意味で、落胆するという比喩的な意味も持ちます。
これを目に見える形で表現した。
ということです。

また、冒頭の幼少期のアメリの一人遊びのシーンから頻繁に登場するガラスのモチーフは、その後も反復され続けます。

アメリをカフェ・ド・ドゥムーランまで訪ねてきたニノを、ガラスのメニュー表越しにアメリが観察するシーンにおいて、ガラスのメニュー表はもともとのカフェにはなく、撮影用に付け足されたものです。

このシーンにとどまらず、アメリ幼少期の唯一の友達である金魚の“クジラ”は金魚ですから当然ガラスの金魚鉢の中に入っていますし、母親を失ったアメリが自分に見立てたテディベアを庭のプランターにおき、ガラス窓越しに見ているシーン、さらには、アメリが初めて他人と関わろうとしたきっかけの小箱を返すシーンも、直接渡さず、回りくどい方法かつカフェのガラス窓の背後で観察するなど、ガラスはアメリと世界を隔てる防壁のようなものを表しています。

そして、アメリ自身がガラスのように脆い人物であるという暗喩でもあります。

押し付けがましくない、アメリの自然な成長

成長物語というと、山あり谷あり涙あり……といった熱血物語的な展開が王道ですが、この映画の主人公の成長は、実に軽やかです。

ニノに対してなかなか素直になれないアメリのいじらしい様子には、思わず共感してしまうこと間違いなし!
特に、物語の終盤で、優しく諭すようにアメリの背中を押すガラス男(レイモン・デュファイエル)とのやりとりは必見です。

アメリ以外の登場人物も魅力的

アメリの父親は靴磨きが好き、アメリの母親は寝起きに頬にシーツのあとがつくことが嫌い。そんな細かな人物像が、コミカルに描かれます。カフェ・ド・ドゥムーランの店主や仕事仲間、常連客も癖のある人物ばかり。
ニノは、証明写真の収集以外にも、一風変わった趣味を持っています。
奇人変人の集まりのようでいて、どこか愛嬌のある名脇役たちにも、ぜひ注目してみてください。

4.『アメリ』はこんな人におすすめ


画像出典:https://cakes.mu/posts/13578

大人のファンタジーが観たい人

ハッピーエンドなファンタジーが見たいけれど、子供向けは嫌というあなたに「アメリ」はおすすめです。
「アメリ」は一見、子供向けにみえますが、男と女というフランスらしいテーマを扱っている場面が多く、考えさせられるシーンも多いです。
また、妻を失い、寡男となったアメリの父親が立ち直っていく過程にも主人公のアメリが関与しているのですが、その方法もなんともアメリらしい遊び心に溢れた方法で、観ていて癒されます。

ほんの少しの勇気がほしい人

「アメリ」っておしゃれでかわいいだけの映画ではないんです。
夢見がちで、人とうまくコミュニケーションをとれないアメリが、現実の世界で他人と関わることによって成長していく物語でもあります。
アメリの気持ちの変化はじれったいほど少しずつ。
だからこそ、そんなアメリに共感できるし、彼女の姿を見ていると不思議と自分にも小さな勇気が湧いてくるような、そんな映画です。

日常に退屈を感じている人

アメリが人々に仕掛けるいたずらはユーモアにあふれています。
手紙を紅茶に浸してヴィンテージな色合いを再現するものなど、頑張れば自分でも真似できちゃうかも!と思わせる策略も。
ニノに落し物を届けるための作戦は、好奇心をくすぐられます。
あなたもアメリのように、他人をちょっと幸せにするいたずらを空想してみては?

フランス映画はとっつきにくいと思っている人

フランス映画ときくと”小難しい”というイメージを持つ方も多いと思いますが、そんなイメージを持っている方にこそ観てもらいたいのがこの「アメリ」です。
とびきりおしゃれでファンタジックでありながら、アメリが現実の世界と折り合いをつけていくまでの物語というわかりやすいストーリーライン。
しかし、フランスらしいブラックジョークもちりばめられていて、フランス映画というジャンルへの入門編としてぴったりです。

いかがでしたでしょうか。
見かけはとびきりキュートでおしゃれな映画「アメリ」でしたが、反復するモチーフの意味など深く掘り下げてみると新たな発見がありましたね。
ここに書いていない、あなただけの「アメリ」考察の手助けになれましたら幸いです。

参考文献:https://ci.nii.ac.jp/els/contents120002795102.pdf?id=ART0001527570

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