キャストにも注目!映画「悪人」本当に悪いのは誰?あらすじとネタバレ

こんにちは!

エンタメブリッジライターriezoです。

世の中いろいろな事件・ニュースが溢れかえっていますね。

本当に残虐な事件から、なんでこんなことを?!と理解できないような不思議な事件まで様々です。

そういう事件もニュースで報道されていない裏側には、おそらく当事者にしか分からない事情がたくさんあるのかもしれません。

もしかしたら犯罪を犯した本人にも、なぜこんなことになってしまったのか分からないことがあるかもしれません。

今回ご紹介する「悪人」は、そのような1つの「事件」を取り巻く様々な「関係者」の事情を描いた物語です。

ひょっとすると世間で報道されているニュースにも、こんな人間ドラマが隠されているのかもしれません。

ただし、人の道に反することはもちろん許されざることですよ!

それではさっそく始めましょう!

1.「悪人」の作品紹介

公開日: 2010年9月11日(日本)
監督: 李相日
原作者: 吉田修一
原作: 悪人
出演者:妻夫木聡、深津絵里、岡田将生、満島ひかり、樹木希林、柄本明、宮崎美子、光石研、松尾スズキ。
受賞歴:第34回モントリオール世界映画祭にて、最優秀女優賞。第34回山路ふみ子映画賞にて、映画賞、新人女優賞。第23回日刊スポーツ映画大賞にて、作品賞、主演男優賞、主演女優賞。第35回報知映画賞にて、作品賞、主演女優賞、助演男優賞。第84回キネマ旬報ベスト・テンにて、日本映画ベスト・ワン、日本映画監督賞、日本映画脚本賞、助演男優賞。2第65回毎日映画コンクールにて、日本映画大賞。第53回ブルーリボン賞:主演男優賞。第34回日本アカデミー賞にて、最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞、最優秀助演男優賞、最優秀助演女優賞、最優秀音楽賞。

2.「悪人」のあらすじ


画像出典:https://www.amazon.co.jp

主演の妻夫木聡さんは髪を金髪にして挑みました。他にも柄本明さんをはじめ、深津絵里さんや光石研さん、さらに亡くなった樹木希林さんなど、個性派の役者さんがそれぞれの持ち味を期待以上に出している本作品。

さっそくあらすじをご紹介していきましょう。

結末まで知りたくない方はネタバレなしだけ読んでくださいね。

「悪人」のあらすじ(ネタバレなし)

ある若い女性が博多の山中で殺人死体として発見されました。

彼女は石橋佳乃(満島ひかり)という名で、保険外交員の仕事をしています。。

佳乃は殺される直前まで大学生の増尾圭吾(岡田将生)とドライブをしており、警察は増尾が犯人と見て身柄をおさえます。

しかし増尾の供述から真犯人が別にいることが分かりました。

佳乃は出会い系サイトで知り合った清水祐一(妻夫木聡)とも会っており、祐一は事件当日にも佳乃に会うために、わざわざ住まいのある長崎から博多まで車でやって来ていたのです。

祐一が犯人だと確信した警察は、祐一が祖父母と暮らしている家にやってきます。

そのころ祐一は、同じ出会い系サイトで知り合った光代(深津絵里)と会っていました。

祖母(樹木希林)からの電話で警察が自分を探していることを知った祐一は、光代と一緒に警察から逃げようとするのですが・・・。

「悪人」のあらすじ(ネタバレあり)

殺された佳乃と増尾の出会いは、増尾のナンパでした。

裕福なボンボンの増尾は、実家が別府の温泉旅館で、お母さんが女将として働いています。

佳乃はなんとか増尾と付き合いたいと思っているのですが、はっきり言って増尾は佳乃のことなどただの暇つぶしとしてしか思っていません。

女友達への見栄から、佳乃が増尾に一生懸命アプローチをかけても逆にウザがられるだけ。

でもこの佳乃もかなりの強者で、出会い系サイトで知り合った祐一というセフレがいます。

しかも祐一に、「自分とセックスがしたいなら金を払え」というビッチ具合。

殺されてしまった夜も、本当は祐一と待ち合わせしていたのですが、直前に増尾とバッタリ会ったために祐一との約束をぶっちぎり、増尾の車に乗って行ってしまいました。

車の中でもなんとか増尾に取り入ろうとあれこれ話を向ける佳乃ですが、増尾はだんだん本気で佳乃のことを鬱陶しく思い始めます。

話が旅館の女将をやっている増尾の母親の話になったとたん、マザコン増尾がついにキレます。

真っ暗な峠の山道で佳乃を車から蹴りだして、そのまま置き去りにして行ってしまいました。

これが事件のきっかけとなってしまうんですね。

一方、佳乃にほったらかしにされた祐一は、幼いころに母親に捨てられ、長崎の海辺の町で祖父母に育てられたという生い立ちの青年です。

近所に住む叔父がやっている解体屋で働き、仕事が終わると病気の祖父や近所の年寄を車で病院に連れていく、ほとんどその繰り返しの毎日です。

唯一の気晴らしは、車を走らせることと、出会い系サイトぐらいのものだったのでしょう。

この日も出会い系サイトで知り合った佳乃に会うため、長崎から博多まで車を飛ばしてやって来ていたのです。

しかし佳乃が他の男の車に乗って行ってしまったためにカッとなり、ぶぉぉん!とアクセルをふかし増尾の車の後をつけていきます。

しかし峠で車から蹴りだされた佳乃を見ると、さすがに気の毒に思ったか、祐一は車から降りて「送ってやる」と声をかけます。

ところが佳乃にしてみれば、いつも見下している祐一にこんな惨めな姿を見られるなんてプライドが許しません。

「ばかにせんでよ!」と精一杯の悪態をついて断ります。

嫌がる佳乃を無理やり車に乗せようとした祐一は、つい佳乃の腕を強くつかんでしまいます。

「いたぁぁぁぁい!!!!」

超音波のような佳乃の悲鳴に、思わず祐一は謝ります。

それをきっかけに、佳乃は祐一をさらに罵倒し始めます。

人殺し!

あたしあんたみたいな男と付き合うような女じゃないっちゃけん!

レイプされたって、拉致られたって言ってやる!

全部あんたのせいだって言ってやる!

すべてを自分のせいにするというものすごい言いがかりをつけられた祐一は、逆上して佳乃の首を絞めて殺してしまいました。

佳乃を殺してしまってから数日して、祐一のもとに同じように出会い系サイトで知り合い何度かメールをしたという光代から突然メールが来ます。

どうやら当時2人はどこかにある灯台の話で意気投合していたみたいです。

光代もまた地味な生活を送っている女性でした。

晴れの日も雨の日も、自転車に乗って家と勤務先の紳士服店を往復するだけの毎日。

妹には彼氏がいるのに自分には誰もいない。

何も楽しいことがなくただ漫然と過ぎていく中で、誰かと知り合いたくて出会い系サイトにアクセスしていたようです。

2人は待ち合わせをし、いきなりその日にホテルへGO。

でも光代は本気で誰かと知り合いたかったようです。

当初はただ会ってホテル行くだけ、と思っていた祐一ですが、次第に光代を本気で好きになっていきます。

光代も祐一に惹かれていきます。

でも、ここで忘れちゃいけないのは祐一は殺人犯だということです。

祐一は光代にすべてを打ち明けるのですが、光代はそんな祐一をますます放っておけなくなります。

そして自首しようと決めて警察の前まで行くのですが、なんとここで光代が引き留めてしまうのです!

そこからまさに2人の地獄巡りの旅が始まります。

テレビでは連日祐一の顔写真を写して報道しています。

祐一の祖母のもとにはマスコミが押しかけ、幼いころに祐一を置いて出て行った母親(余貴美子)は突然祖母宅に押しかけて来て、祐一のおかげでこっちも迷惑だと罵ります。

祐一の祖母もまた、このころ悪徳商法にひっかかり、健康食品を買わされて虎の子を巻き上げられてしまっています。

ほんの数日で一気に崩壊の坂道を転がり落ちる祐一とその周辺の人々。

殺された佳乃の父(柄本明)は増尾のところへ行き、「なんで娘を車から蹴りだしたとね?!」と詰め寄りますが、増尾には何も響かないどころか、佳乃からもらったメールを仲間うちで回し読みするというクズ中のクズ!

もう一度言います。

増尾はクズです!

そうこうしているうちにも逃避行を続けている祐一と光代は車も捨て、ラブホを転々としながらかつてメールで話題にしていた灯台へと向かいます。

もうこの時の光代は今までの彼女とは違っています。

1つにひっつめていた髪はほどかれ、悲壮感と決死感が半端ない表情になっています。

ひとえに深津絵里さんの演技力の賜物なのでしょうが、何かを決意した女性の怖さのようなものが伝わってくるところです。

いろんな意味でちょっと怖くなっています。

祐一と離れたくないという気持ちがますます強くなっていく光江。

逃亡途中で妹に電話をした時にはこう言っています。

あの人ほんとは悪か人じゃなかとよ。

うちね、こがん気持ちになったの生まれて初めてで一緒におりたかと。

完全に気持ちを持っていかれてますね。

あの人は悪くない、こんな状況になったのは自分のせいだ、と。

案の定、隠れていた灯台に警察隊がやってきたとき、光代はこんなことを言います。

ごめんね。何もしてやれんで。

うちがわがまま言うたけん。

一緒に逃げてって言うたけん。

うちが悪かと。

完全に自分が悪いと思い込んでしまっている光代。

でも人殺しをしたのは祐一ですからね。

肝心の祐一ですが、おそらく光代を好きなのでしょうが、こちらもこういう切羽詰まった状況で出会ったからこそ過度の愛情を感じていたのか、その辺は分かりません。

ただ、この時は光代を愛し、彼女のためを思ってもいたのでしょう。

俺はあんたが思うとるような男じゃなか。

こう言って半分泣きながら光代の首を絞め始めます。

そしてそこに突入してくる警察。

祐一は取り押さえられ、逮捕されます。

でもこの時祐一は、倒れた光代の手を握ろうとするかのように手を伸ばしますが、光代はそれに気づきません。

そのまま祐一は警察に連行されていきました。

光代にとってみれば、驚く展開だったでしょう。

愛されていたと思っていた祐一が豹変し、自分を殺そうとした。

たぶん頭の中真っ白ですよね。

まさにそんな茫然とした表情の光代はこの時何を考えていたのか気になります。

その後、元の生活に戻り紳士服店で働いていた光代は、ある日佳乃の殺害現場に花を手向けに訪れました。

このシーン、良く見るとたくさんの花や供え物の中に、祐一が祖母に贈ったストールがあるんですよね。

おばあちゃん、来ていたんですね。

そこに佳乃の父親がやってきます。

光代はその場から逃げるようにタクシーに戻ります。

「人間のできることじゃなかですよ」

祐一の犯行をそう言った運転手の言葉に、光代は独り言のようにこう返します。

そうですよね。

世間で言われよる通りなんですよね

あの人は、悪人なんですよね。

人を、殺したとですもんね。

ここで、祐一の回想なのか、2人で灯台から夕陽を見ている映像が流れます。

涙を流しながら見つめる光代の隣で、なんとも言えない祐一の表情が印象的でした。

3.「悪人」の見どころ


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さて、殺人犯の逃亡と、その事件に巻き込まれた人々の心の動きを描かれていて、どんどんその展開に引き込まれていく「悪人」ですが、そこには各キャラクター、さらにそれを演じているキャストの個性があるからこそだと思います。

というわけで、この作品の見どころを各登場人物の紹介しながら解説していきたいと思います!

清水祐一(妻夫木聡)

言わずもがな、この映画の主役であり佳乃を殺した殺人犯です。

祖父母に育てられ、あまり派手な生活はしておらず、毎日解体業の仕事と年寄の病院の送り迎えを繰り返す、地味な生活を送っている青年です。

祐一には、幼い頃母親に連れてこられた灯台で、母親に置き去りにされて捨てられてしまったという過去があります。

「母親は戻ってくると言ったのに誰も自分の言うことを信じなかった。

俺の言うことなど誰も信じない。」

そういう思いを抱えながら成長した屈折した心の持ち主です。

祐一にとって、灯台は母親だけでなく光代も失う場となってしまったのですね。

長崎の海の近くに住んでいてうらやましいと光代に言われたとき、目の前が海だともうその先はどこへも行けない気がすると答えた祐一ですが、最後に逃げ込んだ灯台の前に広がる海は、まさにそんな未来のない状況を示唆しているかのようでした。

この映画のためにちょっと汚い金髪にした妻夫木君が、そういう屈折した祐一青年を見事に演じています。

最初のシーンで、佳乃の裸を撮った動画を携帯でこっそり見ている時の冷たそうな表情や、光代と一緒にいる間に自分を開示していく姿、最後の回想シーンでの泣きそうな顔など、彼の演技力の高さがうかがえるところです。

馬込光代(深津絵里)


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この人も地味を絵に描いたような生活をしている人です。

自分のことを、地元の国道を行ったり来たりするだけの人生だったと言っています。

友達も少なそうですし、自分の妹にも劣等感を持っている感じ。

そんな光代が祐一と知り合って、やっと自分にもいい人ができたかもしれないと思った矢先の祐一の殺人のカミングアウト。

普通ならここで怖くなってしまったり逃げてしまうかもしれないですが、光代の場合はここからが本気モードになってしまうのです。

恋愛って、幸せ要素だけが詰まっているよりちょっと悲劇の要素がある方が、当人同士の気持ちが盛り上がってしまうところがあるんじゃないでしょうか。

もう、この人には私しかいないかもしれない。

光代は最初はそんな風に思ったかもしれません。

でも気づいたら自分がこの人から離れられない、そんな状況に陥ってた。

短時間のうちに、殺人犯とそれを匿う人という共依存の関係ができあがって、その結果「この人がいないとダメ!」っていう歪んだ恋愛感情になってしまったのかなと思います。

ありがちと言えばありがち。

こう言っちゃ光代に失礼ですが、それまでの人生があまりに乾ききっていたために、一滴の泥水でも恵みの雨みたいになってしまってるようにも見えてしまう。

純愛かもしれないけど、やっぱりどこか冷静さを失っている。

ひっつめ髪だった光代が、自首を引き留めたあたりから髪を下ろしている描写。

これだけで光代に具わっている「女」としての情のようなものが激しくなっていることが分かります。

地味だった私→殺人犯と逃亡・共依存・眠っていた私の「女」が目覚める→元の地味な私+激しい喪失感

あまりにも激しい変化に、あれは一体なんだったのだろうか、と光代とともに頭を悩ませてしまいます。

それにしても深津絵里さんて、瞳の色が薄茶色をしていて肌も透明感のある人ですね!

石橋佳男(柄本明)

殺された佳乃の父親です。

佳男は妻と2人、久留米の実家で床屋をやっています。

大学生の増尾が佳乃を車から蹴りだして峠に置き去りにしたという話を聞いて、たまらずに増尾のところに会いに行きます。

増尾の非情な行為は法的には罰せられていません。

しかし倫理的に、道徳的に、そして人として、この映画を観ている誰もが増尾がやったことに対して憤りを感じ、胸糞悪い思いをしています。

そんなみんなの思いを代弁してくれているかのようなこの父親の言動は、ある意味スカッとするものでもあり、胸に迫るものがあります。

柄本明さんの鬼気迫る熱演に、被害者家族の心情が強く伝わってきます。

清水房枝(樹木希林)


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祐一の祖母です。

「祐一は私の息子たい。」

祐一の母=自分の娘が祐一を置いて出ていったあと、孫である祐一を我が子として育て切ったという自負をもっているおばあちゃんです。

今まで育ててきた孫が人を殺してしまったという現実に戸惑いながら、世間(マスコミ)からも詰め寄られる加害者の家族です。

それまで漁港で働きながら孫や夫の世話をして、定期的に公民館で開かれる怪しい健康講座に参加する、そんな田舎暮らしの生活が、一晩でマスコミに追われ、自分も悪徳商法にひっかかってしまうような状況になってしまう。

事件の裏には、被害者の家族と同様に加害者の家族にとっても、「なんでこんなことに」という思いがあるのだと思います。

孫が初任給で買ってくれたというストールを、大事に箪笥の引き出しにしまいこんでいたり、祐一が逮捕されてマスコミに囲まれた時に深々と頭を下げる姿には、老いた祖母から孫への精一杯の愛情を感じられます。

樹木希林さんの人間味のある演技はさすがです。

石橋佳乃(満島ひかり)・増尾圭吾(岡田将生)

この2人の存在なくして観客の心情をさらに攪乱させるものはないと言えるでしょう。

この2人は殺人事件の被害者と犯人に間違われる学生です。

ところが観ている側からすると、彼らに同情する気持ちになりきれないところがあるのです。

もちろん佳乃の父親の気持ちを察すれば、人から見てどんなにあばずれた娘でも大切な我が子であるし、犯人じゃないのだから増尾が罰を受けないのも分かります。

でもそうかといって、100%悪くなかったのか、というところでモヤモヤが残るのです。

まあ増尾はクズだけど。

満島ひかりさんと岡田将生さんの演技の上手さが、観客にそういうモヤモヤ感を倍増させることに成功しているんですね。

この2人のキャラクターがいなかったらこの話は成り立たない、そう言っても過言ではないです。

4.「悪人」とは何か


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この映画の中の悪人は誰でしょうか。

まさにこの映画のキャッチコピー通り。

制作側の思惑にはまった1人です。

殺人犯である祐一はもちろん悪人でしょう。

でも祖母から見たらどうでしょう。

仕事のあとで祖父や近所の年寄を車で病院に連れていっている祐一は悪人でしょうか。

ボンボン育ちの増尾に取り入りながら、出会い系で知り合った祐一とホテルに行き、自分を助けようとした祐一に罵声を浴びせた佳乃はどうでしょう。

確かに佳乃のやっていることは褒められたことではないですし、世間からみたら悪い女かもしれません。

でも佳乃の両親から見たら可愛い娘です。

佳乃を車から蹴りだしたクズの増尾でさえ、その母親から見たら大事な息子でしょう。

悪人とは一体なんでしょうか。

罪を憎んで人を憎まず。

ありきたりな言い方ですが、この言葉しか浮かんできません。

人間はいろんな顔を持っています。

ある人から見たらいい人でも別の人にとっては悪い人かもしれません。

全方向性にいい人なんていないんじゃないかと思います。

知らないうちに人を傷つけてしまっていることもある。

でも、自発的に悪事を働くのはまた別です。

犯罪は悪いことです。

しかしもっと恐ろしいのは、そういう犯罪に走らせる、人の心に潜んでいる「悪」です。

あの時佳乃が祐一を罵倒しなければ、祐一がカッとならなければ、、、悪は人の心の隙をついてくる。

心の隙をつかれた瞬間に、人は悪人になってしまうのではないでしょうか。

物語の終盤に、佳乃の父親が増尾の友人に向かって言う言葉があります。

あんた大切な人はおるね?

その人の幸せな様子を思うだけで自分まで嬉しくなってくるような人は。

今の世の中、大切な人がおらん人間が多すぎる。

自分には失うものがないっち思うとる。

それで強くなった気になっとる。

人間には想像力というものがあります。

これをしたらどうなるか、こういうことをしたら相手がどう思うか。

そういう想像力があることで、心に潜んで隙をねらっている悪を抑えることができるのではないでしょうか。

そして大切な人がいるということが、その想像力を高めるプラスアルファになるのではないか、そう思います。

5.「悪人」をおすすめしたい人


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妻夫木君ファンだけでなく、いろいろな人に観てもらいたい「悪人」。

こんな人におすすめします!

ストックホルム症候群に興味がある人

ストックホルム症候群とは、人質に捕られている人が犯人と行動を共にすることによって、犯人に対して過剰なまでの連帯感や心理的つながりを持ってしまうことです。

光代の場合は人質ではありませんが、殺人犯の祐一に対して短期間で強い愛情を持つようになります。

もしも祐一が殺人犯ではなく、普通にデートを重ねるだけの関係だったらここまで激しい愛情を感じたでしょうか。

それは祐一にも言えることですが。

異常な状況における男女関係の深まりのスピード感について考えさせられます。

個性派俳優の名演を観たい方


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やはりこの映画の魅力のひとつは、キャストにあると言っても過言ではないのではないでしょうか。

それぞれの役者さんの迫真の演技に、ぐいぐいと物語に引き込まれていく快感を感じます。

亡くなった樹木希林さんの深みのある演技はもちろん、岡田将生さんや満島ひかりさんなどの若手俳優たちの、この作品のあとの活躍を見ると、その実力が分かることと思います。

「悪」とは何かを考えたい人

「悪人」というタイトルにもかかわらず、誰が悪人なのかよくわからなくなる作品です。

とにかく単純に「あいつ悪い奴!」と言い切れない人ばかり。

悪とはいったい何なのか、悪人とはどういう人なのか、じっくり考えてみたい人は、ぜひこの映画を観て自分なりの答えを見つけてほしいです。

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